フローラ

いつか続きが読めますように

フローラ かわかみじゅんこ
かしこ
かしこ

主人公のフローラさんは幼い頃に母を亡くしていて、小津安二郎の映画みたいに「私が結婚したらお父様が1人になってしまうわ」と言って結婚せずにいたのですが、駅で偶然出会った鉄道オタクの変わり者をどうやら好きになり始めて…!という恋物語です。舞台が20世紀初頭のフランスで、純情だけどおっちょこちょいな主人公という昔懐かしい少女漫画な感じもありつつ、かわかみじゅんこ先生がフランス在住(しかも主人公と同じフォンテーヌブローにお住まい)なので文化や背景の描写にリアリティーがあるのがいいです。恋のお相手の男性が超絶イケメンではないのですが、フローラさんが好きになったポイントが「何かに熱中しているところが大好きなお父様にそっくり!」なので、こういうシュチュエーションの方がドキドキできるという方は私の他にもいらっしゃるでしょう。しかし、この鉄道オタクにちょっとよからぬ噂があるようだ…という、とても気になるところで終わってしまっているのが残念です。どうやら掲載誌が休刊になってしまったよう。あぁ〜!続きが読みたいよ〜!ロマンチックな物語にかわかみ先生のトーンワークがばっちりハマっていて夢心地になれます。オススメです!

オタクだよ!いかゴリラの元気が出るマンガ

完結してなかったのかよ、いかごりら

オタクだよ!いかゴリラの元気が出るマンガ いかゴリラ
六文銭
六文銭

全身コンテンツのようなマンガ家さんで、SNSでも個人的に楽しませてもらっているいかごりら先生の単行本。 まってましたよ!しかも、版元は天下の集英社だ! んーでも1巻完結かよ! という、まるで地獄に仏から蜘蛛の糸を切られたような気分だったのですが、なんと最近2巻でた!ので嬉しさのあまり小躍りしてます。 (でも2巻に完結フラグが!二度あることは三度ある…と信じて。) 内容は、いかごりら先生の日常をおもしろおかしく描いているだけなのですが、独特の着眼点とツッコミで腹抱えて笑えます。 自分、女性漫画家のギャグ漫画って基本苦手なんですよね。 なんというか、一歩引いた斜に構えたギャグ「風味」みたいなところが苦手なんですけど、同じように感じていた人は、このいかごりら先生は安心して読んでください。 この方は、もう全力です。生きることに全力。 ネタは基本誰かを罵ったりするものではなく、自虐中心(絵が下手とか、いかごりらって自称するくらいなのでスタイルがアレとか)なんだけど卑屈じゃなくて最高に笑えます。 周囲の友人もパンチきいてて最高です。 こんな時代だからこそ、いかごりら読んでみんな元気をだして欲しい!

子供はなんでも知っている

親同士が再婚して兄妹になっちゃったカップル

子供はなんでも知っている 岩館真理子
うますぎる棒

昨日読んだのですがマイファースト岩館真理子になった作品。おもしろかった!子供みたいだけど岩館真理子先生との出会いに興奮して眠れなくなるくらいだった。私ってまだこんな風にドキドキできるのね!と思った。おもしろい作品を読むと自分の年齢とか見た目とかコンプレックスみたいなものが吹き飛んで夢中になれるんだよな〜。恥ずかしいけどやっぱり自分も紗羅ちゃんになりながら読みましたね。ぶんぶん振り回されるとうたがかわいそう(笑)とも思うんだけど、とうたに「ぶった」とか「ひっど〜い」って言ってる紗羅ちゃんが可愛くって仕方ない。天真爛漫でありながら子供から大人になることの変化を誰よりも繊細に受け止めるとこもいいなって思います。わがままなとこもあるけど紗羅ちゃんを嫌いになる女の子は少ないと思う。女の子ってみんな紗羅ちゃん的要素を持ってると思うから。ラストの解釈が難しいですが大人になってもと二人は一緒にいるんだろうなと私は捉えました。大人になると世界が広がって考え方も変わるけど、この二人の関係のバランスの良さはずっと変わらない気がする。他の男の子に目移りしても「やっぱりとうたじゃなきゃダメなの!」なんて言ってる紗羅ちゃんが想像できます。