少年マンガの感想・レビュー7878件<<268269270271272>>熱い!恋は盲目 藤本タツキ名無しユリ君の「それどころですよ…!」よかった。 主人公・伊吹君の一世一代の告白が、あらゆる人たちに邪魔される。 しかし伊吹くんの「言うんだ…!」という揺るぎない決意(にしてはなかなか言えない)に圧倒されちゃうというテンション高めのラブコメ。 最後はみんなで赤面しちゃうのほっこり可愛い。わかった!私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 谷川ニコまさおドラゴンボールの悟空並みに打たれ強いハートの主人公。10巻からが真骨頂って聞いて、本当に10巻から面白くなった!お前私のこと好きだろ!それでも歩は寄せてくる 山本崇一朗 ねこまど 北尾まどか大トロ山本宗一朗先生は可愛い女の子を描く天才ですね!人はそう簡単に変われないことを描くバレー読切!トバリの向こう 高橋雄一たか※ネタバレを含むクチコミです。 イカレた児童マンガがやってきた!ドッグマン 中井はるの デイブ・ピルキーANAGUMA子ども向けだと思って甘く見るなかれ、めちゃくちゃ面白い。ドッグマン誕生の経緯がまずヤバくて、大事故に遭った刑事に警察犬の頭を接合するっていう壮絶なバックボーンをいきなり見せられます。そこら辺のマーベルヒーローでは及ばない悲惨さ。主導権犬が獲るんかい。 この荒唐無稽さが最高で、子どもってこういう無茶苦茶なやつホント好きなんですよね。これ読んでまだ笑える大人でよかった。 意外とテーマも考えさせられるものがあって、世界中から文字が消えたことでヒトの理性が失われ、社会が崩壊するっていう超スケールの極悪計画が平然と実行されたりします。結果としては作中ではウンコなすり付け合ってるだけなんですが。 優れた児童書の条件は「いかに子どもの想像力を刺激できるか」ということだと思うのですが、本作の自由な発想力は大人が読んでもインパクト充分。頭のネジを緩めたいときに最高の一冊です。 最後に僕が一番好きなカットを4章「ソーセージ戦争」から引用しておきます。なにこれ???久世蘭による二ノ国オリジナルストーリー二ノ国 光の後継者と猫の王子 レベルファイブ 久世蘭UNO名作ゲーム『二ノ国』が待望のコミカライズ!レベルファイブ完全監修の漫画版オリジナルストーリーで二ノ国を舞台に大冒険がはじまる! (マガジンポケットより) WEB掲載【第1話】 https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156650101048多芸多才なマンガケロロ軍曹 吉崎観音nyaeギャグはもちろん、戦闘、メカ、SF、萌え、ツンデレ、ヤンデレ、二重人格、オタク、忍者、お色気、パロディ、百合、そしてたまに泣かせにくる何でもありなオールマイティ漫画。 アニメはサンライズ、漫画は少年エースということで、ガンダム、エヴァあたりのパロディをこれでもかとしてます。 まず主人公のケロロがガンプラオタク(かなり重度の)です。 今や人間とは絆も深く仲良しだけど、依存関係にないところがいいですね。 吉崎先生が生きてる限り、続いて欲しいマンガです。 鼻の奥がツーンとなった空が灰色だから 阿部共実猫あるく思春期特有の心のズレや葛藤を思い出させてくれた。そして忘れていたはずの胸の奥の突かれたくない所をしっかりとえぐってくる。みんな何かしら引っかかるところがあると思うのでなかなかしんどくなると思いますが、辛いながらも癖になる面白さがあります。一話完結でジャンルはシュールギャグ、ホラー、ラブコメとタイプの違う話が色々あるのでかなり楽しめました。 絵が上手いばかりに変な漫画ばかり描かされている烏山先生東京伝説 烏山英司 平山夢明mampuku「ダイナー」の平山先生と「悪の教典」の烏山先生による豪華タッグなので気になって読んでみましたが、お手本のようなB級ホラー漫画でしたw 烏山作品は絵が好きで買っているのでそこは変わらず文句なし。ダイナーもヒットしてはいますが内容はB級っぽさ溢れるものなのでまぁこんな感じだよねって感想。これほどコテコテで下品なのをシリウスでやってるというのが意外といえば意外。BBQでA5和牛でブーイングのくだりで笑ってしまった。1巻読了正直オールカラー本ってほとんどが割高なだけで有難みないよねLAND LOCK 小田原愛mampuku死刑囚だらけの極寒サバイバル(オールカラー) ウェブ漫画だからこそ見栄えのするオールカラー漫画ですが、凶悪なオッサンだらけのフルカラーとか誰得感がすごいですw ストーリーの密度と深みに欠けるので、コミックスではなくジャンプラ本体でお手軽に読みたい系の作品ですね 絵とキャラがいいので良い漫画異能メイズ 岡田伸一 山田J太mampuku『奴隷区』というヒット作を生み出した作者だけあり、凡百のデスゲ漫画より幾分読みやすいです。山田J太先生の絵が素晴らしいのも手伝ってキャラクターは非常に魅力的。まぁダークミステリーと銘打ってはいますがミステリーとしての質はそれほど、ですが、キャラの良さは面白さの源泉だと思っているのでそれだけでも高評価に値します追憶の無人島。花びらの島 下田将也ナベテツ子供の頃、うるさい大人や煩わしい日常から逃げたくて、ここではないどこか遠い無人島に焦がれたことがある人に読んで欲しいと思う1冊です。幼い日の空想は、年をとって現実というものを理解することで忘れてしまうのかもしれません。ただ、あの頃に自分が憧れた冒険はきっとこんな世界だったと思い出させてくれます。 彼らが食べてる魚や木の実はどんな味なんだろう。無人島で紡がれる優しい物語に、きっと読む人間の口元も緩んでいるんじゃないかと思います。夏休みに休めない大人の方も是非。八極拳=最強の中国拳法拳児 藤原芳秀 松田隆智名無しブルース・リー派かジャッキー・チェン派かといわれれば、世代的に僕はジャッキー派でした。日曜洋画劇場で放送された『酔拳』を録画し、繰り返し見ながらその技を真似したものです。今でも宴会芸くらいには使える腕前と自負しております。この我流中国拳法演舞は、それからも映画(『イップ・マン』)やゲーム(『鉄拳』)を参考にレパートリーを増やしてきましたが、もっとも多く取り入れたのは『拳児』からです。 『拳児』は八極拳と出会った剛拳児の成長の物語です。剛拳児は間違っていないと思えば、大人にでも立ち向かうことができる正義感あふれる少年です。時として母や先生からは暴力的と思われていますが、祖父である剛侠太郎はその芯の強さ、心根が真っ直ぐなことを見抜き、八極拳の手ほどきをするのです。。 祖父から八極拳を学びながら過ごしていたある日、祖父・ が突如中国へ旅立ってしまいます。かつて、兵隊として中国へ出征していた侠太郎は瀕死の怪我を負い、そこで地元の人間に助けられます。敵国の人間を、厭うことなく世話を焼く村人と、侠太郎は親交を結び、村に伝わる八極拳を学ぶことになります。彼らに恩を返すために再び中国へと旅立っていったのです。 そのまま音信を絶ち、何年も帰ってこない侠太郎を探すために、高校生となった拳児が中国に旅立つのが第二部の始まり。 修行を重ねてきた八極拳を頼りに、そして、数多くの人たちの親身な助けにより、拳児は様々な中国拳法を出会っていくのです。 行く先々では、次々と師匠と呼ぶべき人間が現れ、暴力や復讐に溺れない正しい道へと拳児を導いていきます。そんな拳児の対極に位置するのがライバルのトニー・譚。拳児と戦い敗北を喫してしまったトニー・譚は、拳児を倒すために最強の武術を求め続けます…。 祖父を探し出し、トニー・譚とも決着を付けた拳児は、八極拳を通じてなにを見つけるのか。師匠に導かれ、自身の闇と対決して、悟りに至る…『ゲド戦記』にも通じますし十牛図に描かれるような悟りとも言えるものが、ここには描かれているのです。そう考えるととんでもなくスケールのでかい哲学漫画ともいえるのです。 それはそれとして、日本における八極拳=最強の中国拳法の方程式を作ったのは『拳児』ではないかと疑っておりますが、どうなのでしょうか。 「小さな世界」好きにはたまらない読切…!こびとのつまみぐい よこよこたか幼い頃にぐりとぐらやてぶくろ(ウクライナの絵本)を読んで育った人間なら、ハクメイとミコチのような「小さきものたちの世界」にワクワクする気持ちがわかるはず。 https://twitter.com/yokoyoko468b/status/1153962856905228288?s=20 この読切「こびとのつまみぐい」は、普通の日本の家庭に小さな小人が住んでいるという設定で、主人公は掟を破って人間の食べ物をつまみ食いしてしまう…というあらすじ。 もう!小人が持っている人間の道具や仕草にいちいちキュンキュンします…! 安全ピンをハーケン代わりにしたり、魚の醤油さしを水筒にしたり。 そう、小人好きはそういうのが見たいんだよ、そういうのが…!! 言ってしまえば「小人が自分の体よりも大きなプッチンプリンを食べるだけの話」なのですが、それが本当に可愛らしくてしかも見てて満足感があります。 これはぜひ連載になって毎週和ませてほしい作品です…! (画像は本編より。このシーンで「もう好き…!」となりました)やっぱりアニメ化するべきおまかせ!ピース電器店 能田達規名無し誰にでも「アニメ化してほしい!」と強く思う漫画があるはずです。僕は『おまかせ! ピース電器店』がなぜアニメ化しないのか、もう20年近く憤っています。もう、こうなったら大金持ちになって、私財をなげ売ってアニメを作るしかない……。それが僕の生涯目標になっております。『おまかせ! ピース電器店』はそれだけ魅力的な作品なのです。 『おまかせ! ピース電器店』は、世界一の科学技術力を持つ町の電器屋さん・ピース一家の物語。ピース一家は、昔ながらの頑固親父のピース貫太郎(MITやNASAに所属していた天才)、やさしく綺麗で最強なピース・M・幸子(元特殊部隊所属)、技術者魂をもった長男で主人公のピース健太郎、プログラミング技術は世界一ともいわれる小学生4年生ピース則子、運操縦に抜群のセンスをもつ小学2年生ピース康介+猫のミャーの5人と一匹。自走型こたつの「こたみか号」とか、自動で鍋をとりわけてくれる「鍋奉行くん」、東京湾で勝手に魚を捕まえてきてくれる「まんぼーくん」など、現実にあったら欲しくなるような発明と、ご町内雰囲気が合わさった、ほっこりさせてくれる作品です。ただ、いつのまにか「まんぼーくん」は原潜を鹵獲してしまうし「鍋奉行くん」は関東大震災の危機を招こうとしてしまったり、ノホホンとした物語はあっというまに全世界レベルの大騒動に広がっていくのです。 特に素晴らしいのは8巻に収録されている「モモ子と文通」の回。隣に住む幼なじみ・モモ子との交換日記を二人のオヤジ達に見られてしまった健太郎は、絶対に妨害されすに配達する、「重装甲機動郵便ロボット・カメ吉」を発明します。このカメ吉は物語の終盤で、とんでもないところまで郵便を配達するのですが、たった20ページとは思えない物語の加速度。とんでもないジェットコースターコミックなのです。 一家以外にも魅力的キャラクターがたくさん登場します。その中で最も重要なのは健太郎の幼なじみ立花モモ子です。相思相愛な健太郎とモモ子は、とにかく相手のためを思って行動します。それがいつのまにかすれ違い、慌てた健太郎が暴走し、周囲を巻き込んだうえでいつのまにか“世界の危機”につながってしまうのです。ピース一家を監視しにきた地球防衛軍の女スパイ・月影アイが登場してからは、微妙な三角関係とともにアクションシーンも増え、ご町内の延長で世界を飛び回ります。24巻もある内でどこから読んでも面白く、SF、ラブコメ、アクションといったあらゆるジャンルが“ご近所の物語”という独特の味付けでされている、芳醇な世界。 やっぱりアニメ化するべきですよ!問題作のようで納得できる漫画今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね 榊原宗々 要マジュロ名無しまずタイトルからして不穏な空気。 一巻、1話で一気に引き込まれる。 グロとエロと予想外は人を楽しませてしまう。 狂気じみてるけど、人間の一感情を誇張しただけで実は正常なのかも、と考えてしまう。 とりあえず読んでみて議論してみたい。 折りたたみ自転車でポタリングする日常マンガおりたたぶ こんちきmampuku別冊マガジンでいい感じに可愛い自転車マンガがはじまりました。 少女2人が出会い、自転車を通じて街に眠る「素敵」を再発見しながら友情を深めていく──というのは『東京自転車少女』と同じですね。『ARIA』のような「素敵再発見」的な日常マンガは最近の別マガの得意とするところでもありますね(『ふらいんぐうぃっち』や『あかまつ』など) 折りたたみ自転車という絶妙にニッチなところを突いてきていますが、ここからどう掘り下げあるいは広げていくのか、折りたたみ自転車乗りとしても応援していきたい所存これは読み比べたい!!他の作家がワンピースを描いてみた!ONE PIECE COVER COMIC PROJECT「ロロノア・ゾロ、海に散る」 Boichi 尾田栄一郎名無しジャンプ作家陣は、何か記念ごとがある度にトリビュートイラストを贈り合っているイメージがあります。 「岸本斉史が書いたジョルノ・ジョバァーナ」とか「尾田栄一郎が書いた悟空」とか「荒木飛呂彦が描いたナルト」とか。正直そういうのメチャクチャ大好きです!! なのでまさか「もし他の作家がONE PIECEを描いたら…」というIFを実際に本誌で、しかも丸ごと1話読むことができるなんて興奮しました。 Dr.STONE描きながらこの話も作画してたのすごすぎでは…? 読んでみると、Boichi先生のキャラクターデザインが普段と異なり、かなりデフォルメされて可愛らしかったのが印象的でした。 ワンピース51話「ロロノア・ゾロ、海に散る」は、あのセリフが超有名な回ですが、実際コマ割りがどんなだったかは全然思い出せず、「よ、読み比べてぇ〜〜〜!!」とウズウズしてしまったのですが、なんと!大変ありがたいことに、当該の原作エピソードをネットで公開してくれています。 https://www.shonenjump.com/p/sp/1907/op_cover/ ちょっとじっくり読んで差を見つけて、Boichi先生がこだわった部分がどこか探したいなと思います。 全何回の企画なのか不明ですが、第1回ということで次回のカヴァーを誰が担当するのか今から期待しています…! (追記) この『カヴァーコミックプロジェクト』、ワンピースに限らず他の作品でもやってくれないかな…。 ドラマは名作をキャストを変えて何度も演じますし、海外小説や古典は翻訳者ごとに違う版があります。 漫画でも、小説が原作で複数コミカライズがあるもの(銀河英雄伝説、薬屋のひとりごと)や、漫画原作でリメイクがある作品(左ききのエレン・ワンパンマン)もあります。 権利関係が難しいとは思いますが、面白いのでもっとやってほしいです。 (画像は少年ジャンプ+ ONE PIECE COVER COMIC PROJECT 「ロロノア・ゾロ、海に散る」より) https://www.shonenjump.com/p/sp/1907/op_cover/img/top.jpgトモダチゲーム感想トモダチゲーム 山口ミコト 佐藤友生友達「トモダチ」が一番。トモダチが一番大切であれば簡単に終われるゲームだった…てな感じに始まります。 友情が一番優先にされるべきだけれども人間自分のことを一番に考えてしまう、ってところと、頭脳ゲームがミックスされた感じ。 1巻から最新刊まで一気買いしました。 友一(主人公)が「最低」で「最強」なんですよ! もはや途中から友一がどれだけゲスでやばいキャラかを期待する漫画になっていってる気がします。 裏の裏の裏をかいた、なんてことが普通にあるので面白い。 落胆している表情も、絶望してる様も全て演技かもしれない。 読んでる自分らがそう疑い始めるので「トモダチ」というテーマ、強く浮き彫りにされるのでしょう。 Fate未体験でも楽しめる、超高画力剣戟アクションFate/Grand Order-Epic of Remnant-亜種特異点3/亜種並行世界 屍山血河舞台 下総国 英霊剣豪七番勝負 TYPE-MOON 渡れい兎来栄寿1話が公開された時、驚愕しました。「凄まじい画力によるFGOコミカライズが始まってしまった」と。そして同時に単なるコミカライズとしてではなく、純粋に2019年を通して始まった新作マンガの中でも屈指の存在となる予感すらさせてくれました。 物語はFate/Grand Orderをベースにしたものですが、最低限の世界説明がなされているためFateやFGOを知らなくても純粋にスタイリッシュアクションマンガとして楽しめるようになっています。実際に原作を全然知らない方にもお薦めしてみた所、問題なく面白く読めたという反応が返って来ました。 FGOという世界に興味があれば入門としてもアリでしょう。もちろん、FGO好きの方にとっては最高のコミカライズとして堪能できます。 あまりにも突出した画力はまるでWマーリンのバフを貰ったジャンヌオルタの如き圧倒的破壊力。作画風景を撮影した動画も圧巻ですので、良ければ合わせて見てみて下さい。 https://youtu.be/AzDxDA-NRZ8悩める最強の男お茶にごす。 西森博之名無し「狩る側と狩られる側、キミはどっち」と聞かれれば、僕は当然狩られる側なわけです。生物は抑圧されることであらたな進化の可能性を得ると言われていますが、僕も中高生のころにヤンキーに対するステルス性能を獲得し、幸いなことにいままで絡まれたことはありません(かわりに、精神が不安定な人と野生動物にはよく絡まれます)。そんな僕ですから、ヤンキー漫画は好きではありません。ヤンキー漫画に描かれている友情は仲間内のものだけで、""それ以外”には向けられないからです。""それ以外”な僕がどうして感情移入できましょうか(いやできない)。 今回紹介する『お茶にごす。』はヤンキーが主人公のマンガです。でもヤンキー漫画ではありません。そこに描かれているのは「優しさとはなにか」に葛藤するひとりの青年です。 『お茶にごす。』の主人公・船橋雅矢は恐ろしい人相と人智を超えた強さで、近隣の不良から”悪魔まークン”と恐れられる男です。そんな彼の望みは『平和な生活を送りたい』ということ。しかし、その凶悪な人相に寄ってくるクズを返り討ちにしているうちに、いつのまにか修羅の道へと突き進んでしまったのです。 高校入学をきっかけにほのぼのスクールライフを送ろうと思ったまークンは、部活に入ろうと思うものの、彼の悪評は広まっており誰も目も合わせてくれません。そんなとき、茶道部の部長・姉崎さんが、誰もが恐れるまークンを勧誘したのです!公平に接してくれた姉崎さんに心打たれたまークンは茶道部に入部し、新たな最凶伝説を作っていくのです。 そんなまークンに「アンタの顔が怖いから」といつだってストレートにツッコミをいれる女の子が夏帆。ちょっとばかりガサツで活発な夏帆は、どうすれば優しさを表せられるのか、まークンと同じように悩み、同じように部長にあこがれています。 しかし、まークンが憧れる部長も、特別な人間ではありません。まークンを勧誘した時も膝が震えるほどビビっていたのです。彼女は、人に優しくすることに躊躇しないと決めただけの、普通の人間なのです。 普通なのに優しい部長に憧れた、普通になりたいまークンは、さまさまざな経験から段々と他人に優しくできるようなります。「もしかしたら、自分は人にやさしくできるかもしれない」そう思った時、同時にあることに気が付いてしまいます。それは「災いを呼びこむ自分は、いるだけで他人を傷つけてしまう」ということ。自分が他人に誤解されるのはかまわなくても、周囲の人にまで迷惑はかけられない。 部長を大事に思うからこそ、近づかないという選択をしたまークンを、夏帆は川へ蹴り落とします。そして、彼の人生を変える一言を発するのです。 以前紹介した『道士郎でござる』の道士郎とは違う、悩める最強の男の小さな一歩がとても心地よいのです。全然爽やかな風ではないのに、爽やかな気持ちになれる、不思議なマンガなのです。 それにしても、西森博之先生が描く人間のクズは本当に非道でドキドキしますね!生徒を救う優しい先生…!!INCUBUS IN CLASS 田辺狭介たか最初にタイトルを読んだとき「えっ、インキュバスってあのBLによく出てくるインキュバスであってる??」と不安になった作品。 少年サンデーという雑誌と『教室のインキュバス』というタイトルからお色気漫画かなと思いきや、実際は**「女子高・インキュバス・異種族」という要素を入れながらもエロに走らず設定で読ませるすごい読切**でした…!! https://twitter.com/y_suket/status/1148977955957137408?s=20 物語のあらすじは、「人間以外の種族がいる世界の女子高で教師をしているインキュバス(※女性の生気を吸い取る悪魔)の佐久真が、クラスの女子生徒を家庭内暴力から救う」というもの。 途中、主人公がクラスの生徒からインキュバスであることをいじられるシーンがあって、そのいじり方が「ああ〜、女子って若い男の先生をそうやってからかってたよなあ」と思わずしみじみしてしまうほどリアル。 **女子高生にいじられて疲れているらしい先生が、最後に報われる展開には「もっとやってくれ…!!」とテンション爆上がりました。** も〜! これはぜひ連載化してほしい…!! 田辺狭介先生の次回作を楽しみにしています!! (画像は本編より) 「数学」×「料理」の熱烈なマリアージュ『フェルマーの料理』フェルマーの料理 小林有吾兎来栄寿『アオアシ』の小林有吾さんの新作。料理マンガとしては過去作品の『てんまんアラカルト』も面白かったので期待していました。旧来からのファンにはより楽しめる要素も。 本作では、料理に「数学」という要素を掛け合わせているのが目新しく、面白味となっています。考えてみれば料理も「理」。レシピには必ず数字が必要ですし、数学的なアプローチを料理に取り入れることは非常に理に適っています。 そして『アオアシ』でも存分に見せてくれている「熱さ」を感じさせてくれる描写も、そのまま踏襲されています。純粋に挫折から始まる主人公の再起の物語としても面白いです。また「この緻密に計算され尽くした料理をぜひ実際に食べてみたい!」と強く思わせられる魅力的な料理がどんどん登場し、料理マンガとしても秀でています。 少年マンガの熱いノリを持った作品の中で特に最近のお薦めです。ちばあきお漫画を動揺させる御馳走という存在プレイボール ちばあきお影絵が趣味夏の甲子園の県予選がはじまっているので、性懲りもなく『プレイボール』を読み返している。 語弊を恐れずにいえば、ちばあきお漫画の魅力は味気のなさにあると思う。野球に熱心すぎるあまり、ひたむきすぎるあまり、本気で打ち込むあまりの味気のなさである。「勝利の味をしめる」という言葉があるが、『キャプテン』にしても『プレイボール』にしても、負け試合はもちろんのこと勝ち試合においてもどこか苦い雰囲気が拭えないのである。『キャプテン』のイガラシ時代の夏の決勝戦、西の強豪・和合中との雨の決戦はどうだったか、全国制覇を成し遂げたというのに不思議なまでのあの味気のなさは。 ところが、そんな試合に勝ってまで味気のないちばあきお漫画において、奇妙に味気のある数コマがおよそ一巻に一度ぐらい落とし穴のように潜んでいる。それすなわち御馳走の時間である。 田所先輩の代こそは元々が弛んでいるので、まだ御馳走はみられないが、まさしく田所先輩たちが引退して谷口が次のキャプテンに指名される日から落とし穴のような御馳走がひっそりと潜んでいる。薄汚い部室にテーブルを囲い、それぞれの席には簡易的ながら紙のナプキンが敷かれて、その上に可愛らしくお菓子やフルーツやジュースの瓶が乗っている。野球一筋のこのマンガにおいて、なんと奇妙で戦慄さえ憶えかねない一コマであることだろう、淡々とただひたすら野球に打ち込むばかりのコマの連なりのなかで不意に挿入されるこの紙ナプキンの上の御馳走たちはスリリングとさえいえないか。 この送別会の御馳走を先がけに、新入生の歓迎会ではふたたび囲んだテーブルに紙ナプキンが敷かれて、出前の兄ちゃんが蓋付きのカツ丼を運んでくる。大会の谷の日には田所さんが激励にアイスクリームを紙袋にたくさん詰めてもってくるし、鰻丼かと思いきやカツ丼の上を御馳走してくれるし、熱戦の翌日の休養日には丸井が谷口家を訪ねるさいのお土産として鯛焼きを持参して、しかもそれらは丁寧に紙の上にあけられる。そして極みつけにはOB会の発足パーティー、またしても薄汚い部室にてテーブルを囲み、もはや簡易的な紙ナプキンではなくテーブルクロスが敷かれ、御馳走に加えて瓶ビールまでが用意され、スリリングはさらに加速する。ここで注目したいのはこれらが単なる食事ではなく、それ以上に丁寧に格式張っているということにある。ちばあきお的マンガ世界において、彼ら野球少年たちは基本的には野球という社会のなかに閉じた存在である。その閉じた世界に不意に出現するイロモノめいた別の社会(すなわち御馳走という格式)はあまりに滑稽であり、その場を動揺させずにはいられない。しかも、その御馳走が部活の聖地ともいうべき部室にひろげられたさいには事尚更である。 味気のないちばあきおマンガが不意に彩りをみせるとき、その場は途端にスリリングに動揺しはじめ、物語に緩急と躍動とをもたらしているらしい。 <<268269270271272>>
ユリ君の「それどころですよ…!」よかった。 主人公・伊吹君の一世一代の告白が、あらゆる人たちに邪魔される。 しかし伊吹くんの「言うんだ…!」という揺るぎない決意(にしてはなかなか言えない)に圧倒されちゃうというテンション高めのラブコメ。 最後はみんなで赤面しちゃうのほっこり可愛い。