森の王の予言で『黒き災いの火が起こる』と語られた魔獣巣食う土地――“鉄錆山脈”。その地について知るべくドワーフ達に会いに行くと二百年前の大乱の地獄を生き抜いたドワーフの元近衛・グレンディルの姿があった。彼の口から語られる“くろがねの国”の顛末―― それは、王と共に戦った者と、王命に従い生き抜いた者との物語だった。そして帰途に就こうとしたウィルは街でドワーフの青年・ルゥと知り合う。背を丸め、おどおどと過ごす姿に前世の自分を重ねたウィルはルゥを鍛えるべく、従士として雇い入れる提案をする。応じる意思を示すルゥだったが、ドワーフ達は困惑するばかりで――。「小説家になろう」発、王道ハイファンタジー、青年が“まこと”と勇気を奉げる第7巻!!
ルゥを従士として雇い、行動を共にするウィルは領内に現れた不死者への対応を、ルゥの初陣の場として選ぶ。そして“柱の塚”へと出向くと、そこには―― 「ようこそ、我が寓居へ。二年ぶりかね? 灯火の戦士よ」 不死神・スタグネイトの遣い〈ヘラルド〉が待ち受けていた。軽口をたたきつつ、巧みにウィルを誘惑せんとするヘラルド。だが、不死神の本当の用件は、近い将来訪れるであろうウィル自身の死を啓示することだった。竜の咆哮がこだまし、“獣の森”が、“灯火の河港”が、魔物たちの狂奔の渦に飲まれていく。自身の死と、邪竜の圧倒的な暴力のイメージにウィルは、膝を折ってしまい――。「小説家になろう」発、王道ハイファンタジー青年が“真の勇気”を知る第8巻!!
短い帰郷を経て、祖父から檄を受けたウィルたちは、過去の英雄の武器を手に、邪竜討伐へと歩みを進めていた。その道中、かつてエルフ達が住んでいた領域が悪魔により汚され見る影もなくなったのを目の当たりにする。ウィルはそこで彷徨えるエルフの魂に祈りを捧げ浄化。去りゆく魂が最後に危機に陥っているエルフの存在を示し―― 同胞を助けんとメネルを筆頭に急行、ヒュドラに苦戦するディネリンドの救出に成功する。その後、彼女の導きにより“花の国”に立ち寄った一行は邪竜の瘴気に冒されたエルフに癒やしを施していく。そんな彼の元に、不死神スタグネイトが再び現れウィルに対し改めて邪竜討伐の無謀さを諭すが…… 「小説家になろう」発、王道ハイファンタジー 力ある者の務めを再認識する第10巻!!
神々も恐れし最強最古の竜 ヴァラキアカなり!! 山の民の誇りを穢す悪魔スカラバエウスを破った ルゥたちと共に、ウィルは遂に邪竜ヴァラキアカと対峙する。圧倒的な捕食者を前に気圧される一行……。しかし、内なる恐怖心を受け入れ一歩も引かない強い意志を宿らせると、開戦に向けて武器を構え始めるが―― 邪竜から、双方の激突を避ける思いも寄らぬ策を提案される。平和か、戦いか。究極の選択を突きつけられたウィルは、甘い誘惑の奥に潜む恐ろしい陰謀を見抜き……。両者の思惑が入り混じる緊迫の心理戦は終わりを告げ、いよいよ、竜退治が始まる―― 「小説家になろう」発、王道ハイファンタジー揺るがぬ信念で邪竜に挑む第12巻!!
邪悪なる竜を討ち果たさん! 邪竜ヴァラキアカと一騎打ちを続けるウィルは、焦熱と瘴気を纏う吐息を前に、志半ば、自らの死を覚悟する。しかし、神さまとの誓いを果たさんとするウィルの元に灯火の女神が姿を現し、迫りくる劫火を間一髪食い止めて……。されどその時間は一瞬。再び邪竜の暴威が女神を、ウィルを焼き尽くそうと動き出したその時―― 幾度となく相対し、しかし尊敬の念すらも抱く好敵手不死神スタグネイトまでもが現れた。不死神の力はかつてのドワーフたちの魂を呼び覚まし、さらに、ウィルが稼いだ時間で仲間たちも回復し……。二柱の神の力、仲間たちの力、そしてかつて邪竜と戦った戦士の力を味方につけ、ウィルは再び立ち上がる―― 「小説家になろう」発、王道ハイファンタジー決戦に終止符を打つ第13巻!!
単なるファンタジーに留まらず、世界観や設定は秀逸。精神的な奥深さも含んでいてとても重厚な物語。絵が丁寧できれいで引き込まれます。誰しもが抱えているであろう劣等感や罪悪感の描写が刺さる物語です。スタートは転生だけど、転生モノに有りがちなチート展開はなく、主人公の成長に感動しました。文字が多めなので一気には読めないですが、くり返し読むと楽しめると思います。魔物たちに育てられた主人公、今後どのようなストーリーになって行くのか楽しみです。