あらすじ「死体の声を聴く」イタコの能力を持つ唐津九郎をはじめ、佐々木アオ、沼田真古人といった特殊能力を持つ“黒鷺”メンバーたちは、黒鷺高校時代に出会い、死体が生き返る事件に巻き込まれていた!―――「九相研究所」編「人形劇部」で唐津たちと出会った谷田有志と槙野慧子。二人は子供のころ衝撃的な事件に遭遇していた!その事件に関連して、佐々木が図書館から何者かに連れ去られ…!谷田もそのチャネリングの能力を狙われて…!―――「青ゲット事件」「ゾンビカターヴル」編
うわあ、これは読む人をえらんじゃうなあ。タイトル通り、全編に死体がゴロゴロ。バラバラ死体やミイラはまだいいとしても、ウジ付き腐乱死体や臓器を抜かれたツギハギ死体、生首ご一行様に耳人間(?)…。スレスレですね…。しかしながらこれがちゃんと漫画として成立しているのは、登場人物がそんな死体を特別なものだと思ってないから。生きている人や単なる物質と変わらない接し方をしているのです。また、設定も寺の跡継ぎではない仏教大学の学生が特技を生かして起業する、とい今ふうで、湿っぽいところがない。さらにその特技もハッキングやチャネリング、エンバーミングにダウジングと横文字でなんともクール。主人公・唐津だけは日本古来の降霊術・イタコなんですけどね。そんな彼が死者の声を聞き、望む場所へ死体を運ぶことで、さまざまな人間ドラマが生まれるという寸法。唐津に憑く謎の霊など先への伏線あり、ニヤリとするサプライズあり、シャレの効いたオチもありと乗せ方もうまい。なので先入観なしに読んでほしいなあ。