あらすじアタスンモに襲われ死んだと思われていた雅二戸の舎弟が生きていた……!? しかし彼らの様子はどこかおかしく、人間離れした力を奮っていた。そんな彼らと、雅二戸はタイマンをはることになり……。そして、その裏では、奈子を華代に匹敵する魔法少女に強化する為に、ミュとモンちゃんが暗躍していた――。異端にして最先端の魔法少女物語、暴略の第5巻!
カードキャプターさくら~プリキュアシリーズで現代・魔法少女の文脈が築き上げられ、それをまんまと逆手に取ったまどマギが爆発的旋風を巻き起こしたことで、その後雨後の筍のように乱立したメタ魔法少女"大喜利"のような作品群のうちの一つ。 「雨後の筍」もほんとうにピンキリではあるんですが、ただ「みんなが思う魔法少女像」という共通幻想が読者層にしっかりあるので、意外と何やってても面白くもあるんですね。これだけ娯楽が細分化して文化が分断された時代なので、いずれ「ドラクエ風ファンタジー世界における【勇者】の存在意義」や「悪だくみをする代官と越後屋」、「サザエさん世界で未だに適用されている昭和の常識」、「少年漫画において【王道】と呼ばれる作品ジャンルが【仲間との冒険とバトル】であること」などの共通理解はもしかしたら時代とともに失われていくかもしれません。でも「児童向け作品」というのはいつの時代もちょっとやそっとじゃ変わらないし、それにおよそ誰しもが通って育ちますからやはり文化として強いです。 「若者が『春はあげぽよ』で笑うことができるのは誰もが枕草子を習うからだ」 というツイートがバズっていましたがまさにその通り。(最近ベストセラーのユヴァル・ノア・ハラリなど読むと詳しく載っています。) 前置きが長くなりましたが、みんなの知ってる普通の魔法少女は授業サボってタバコを吸わないし、変身する前から拳で魔物に応戦しないし、ましてそのまま叩き潰したりもしない、そういう常識を裏切っていくことで笑いを生み出しているギャグ漫画なわけです。ただ、それだけだとさすがに出オチになってしまうので他にもいろいろな付加価値がついてます。キャラ絵が可愛くてセクシーであることと、バトルの作画がダイナミックであること、伏線が多く登場する勢力も入り組んでいるので先の展開が読めないことなどがあげられます。 私はドンピシャで好きなキャラがいるので楽しく読んでいます。真面目で成績優秀、美人生徒会長で巨乳の「奈子」。高潔で正義感が強く、そのくせやたら好戦的なところも本当ツボ。