あらすじ家族を失ったおじさん・羊介(ようすけ)と、偶然出会った獣・サミーの孤独。だがその出会いは運命に導かれていた。すべては料理人になりたかった羊介の数十年前のパリで生まれた恋愛が始まりだった――。バラの庭を離れ、衰弱するサミー、そして羊介の家でもとんでもない事件がもちあがる――。バラバラになった家族は再生するのか? サミーの命は!? さえないおじさんと野獣の信頼と友情、感動の最終巻!!
私はもう心が汚れているようでした。 この「おじさんと野獣」は所謂「美女と野獣」の美女がおじさんになったもの…と思えばいいだろう。 ただちょっと違うのはおじさんには美しい双子の娘達と無口だけどかわいい息子、そして義母に従順で無感情な妻と、美しい事で有名なタレントでもある義母というちゃんとした家族がいて、おじさんは婿養子で色々と情けないという事だ。 だけど、そんなおじさんはとても魅力的だった。 おじさんに感情移入してしまうところも多々あり、おじさんが周囲から受けるアドバイスが心に刺さり、おじさんのようになりたいと思った。 一方野獣は野獣だった。 本当に野獣で、意味がわからない。唐突だ。 なんでやねん、と言いたくなる展開だ。でも良いと思う、なぜなら全3巻を読み終わる頃にはきっと読者は彼のことが好きで、応援してしまうから。