私的漫画世界|平野仁|少年の町ZF
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平野仁はネット上ではほとんど個人情報が公開されていません。21歳の時,テレビ動画の会社に入社し,2年間アニメーターとして仕事をしています。その傍らで漫画を描き,出版社に持ち込んでいます。動画会社時代の最後の4か月間はアニメーターと漫画家の両方をこなしていたので,漫画家としてのデビューは23歳頃のようです。
当初の発表の場は大人の週刊漫画誌でしたが,1975年頃より少年誌・青年誌に活動の場を移し,漫画原作者の小池一夫とのコンビで代表作となる青春の尻尾(GORO),少年の町ZF(ビッグコミックオリジナル),サハラ(ビッグコミックオリジナル)などの作画を担当します。
この時期の作品はいちおう目を通したと思いますが,「少年の町ZF」を除き手元にはなく,内容もほとんど記憶していません。作者には悪いのですが平野仁の絵柄は人物描写が妙にリアルであまり好みではありません。「少年の町ZF」だけはストリーが秀逸でしたので単行本を収集しました。
それから35年が経過しており,その間,この作品はずっと私の書棚に並んでいます。ビッグコッミク版の単行本の困ったところは背表紙に赤色が使用されていることです。最近の赤い染料(インク)は改善されていますが,当時のものは太陽光による退色性が強く,10年も書棚に並べておくと退色(背やけ)が始まります。