あらすじ山中で不思議な一夜を過ごした少年たちが山を降りると、町はゴーストタウンのように静まり返っていた。二日目の夜を母校で迎えた彼らは、顔なじみの級友や教師が登校してくるのを目撃する。夜ということを除けば、それはいつもと変わらぬ風景だった。ところが些細なことから学校は暴動のような騒ぎとなる。逃げる車を追って、どこからともなく群衆が集まり、彼らを取り囲んだ。なんと町のみんなが吸血鬼に変わっていたのだ!
東京の空に謎の発光体(=UFO)が出現。これを目撃した11人の少年達はその発行体を追い、高陣山へ向かう…。こんなオーソドックスな導入部にも関わらず、続く話の盛り上げ方の上手さにびっくりしてしまいました。ピクニック気分の探索から場面は一転、どしゃぶりの雨の下に笑い声とともに佇む美少女が…、と、きたらもうこの先が気になって仕方がない。うまく書けなくてもどかしいですが、対比のさせ方と波紋の投げかけ方が絶妙で、ドキドキ感が途切れないんですね。少年達の中にひとりだけ謎の美少女を入れ、冷静沈着なリーダーにはライバルの野性味あふれる少年を絡ませる。そしてそのリーダーにも本能的な面があることを描写。敵は神のようでもあり悪魔のようでもあり、精神的に少年達を追い詰めていく。これらのエピソードを積み重ねることにより、キャラの特徴はどんどん際立ち、サスペンス要素はますます深まっていきます。さすがに名作といわれることはありますね。これを読んだら昨今のパニックSF漫画って、亜流にしか見えなくなってしまうなあ。