あらすじ

香港の闇に君臨する女帝・李桜蘭(りおうらん)が、“イブズ”の客として現れるようになった!!その目的とは……、原島森生を消すこと!!この世界の地図の上から、もしくは地上から永遠に――。男を愛の対象ではなく、道具と考える桜蘭に、“イブズ”の麗しき男たちは、どのように挑むのか!?そして、杉生と桜蘭との奇妙な関係にも、目が離せない!!森生、樹生、杉生にとっての、最大の試練が幕を開けようとしていた……!!
セイントアダムズ 1巻

2年間のハワイ留学を終え帰国した原島杉生(はらじますぎお)を待っていたのは、2人の兄たちの華麗なる生活だった!!なんと、兄の森生(もりお)と樹生(みきお)は、高級ホストクラブ“イブズ”のオーナーとNo.1ホストだったのだ!!イギリス人の父と日本人の母を持つ3兄弟が織りなす愛と夢の世界――。外見や知性だけでなく、優雅さや思いやりを持った最高のホストたちが、貴女を心から癒します!!

セイントアダムズ 2巻

ようやく編入する大学が決まった杉生(すぎお)だったが、そこで風俗研究会のメンバーに声をかけられた!!彼らの頼みで、取材お断りという高級ホストクラブ“イブズ”の取材を、杉生は勝手に引き受けてしまい……。取材をする男子学生はホストとして、女子学生はお客として、“バラのカーテン”と呼ばれる未知の世界へ乗り込んだ!!そして、長男・森生(もりお)が抱える切ない愛の物語も、今、明らかになる!!

セイントアダムズ 3巻

当時、森生(もりお)は16歳、ディヴィエ伯爵夫人であるシーラは40歳。それは、森生にとって最初で最後の恋だった――。フランスで出会った2人は、伯爵の目を盗んで幾度も愛し合っていた。森生のジゴロとしての才能を見抜いたシーラは、ある“遊び”を森生と愉しむようになって……!?高級ホストクラブ“イブズ”を経営する、切れ者でクールな森生の原点がここに!!そして、10年以上の時を経て、悲しい愛の結末を迎える……。

セイントアダムズ(4)

シーラに託された言葉を胸に、杉生(すぎお)はイブズで働くことを強く希望するが、兄たちには猛反対されて……。だが、それがシーラの遺言だとウソまでついて食い下がった杉生に、森生(もりお)と樹生(みきお)は1ヵ月のテスト期間を与えた!!杉生の天性の明るさは、イブズをより鮮明に彩るようになっていき……。日本を代表するデザイナーの蜂須賀恵(はちすがめぐみ)に、ホストとしての素質を見出された杉生を待ち受けるものとは、いったい!?

セイントアダムズ(5)

突然、原島家に乗り込んできたいとこの梅生(うめお)。両親を亡くしたという“少年”は、実は16歳の女の子だった!?最初は追い出そうとした森生(もりお)だったが、杉生(すぎお)に押し切られ、梅生の後見人になることを決めた。森生はデザイナーの恵(めぐみ)に梅生を預け、女性らしくさせるつもりが、事態は思わぬ方向へ進みだしてしまい……!?女人禁制の原島家に女の子が加わり、ますます華やかな世界が展開されていく!!

セイントアダムズ(6)

“イブズ”の記事を書こうとしていた雑誌記者・桐島純子(きりしまじゅんこ)に、禁断の愛ばかりに溺れてきた樹生が興味を持った!?特別な世界を生きる樹生と普通の女である純子は、相手に今まで気づかなかった自分を見出(みいだ)し、惹(ひ)かれ合っていくのだったが……。年下の美しい男を愛すことに怯(おび)える純子の決意とは!?そして、この出会いが、樹生の過去と未来に深くかかわることになり……。

セイントアダムズ(7)

純子が誘った、作家・津島耕輔(つしまこうすけ)の還暦を祝うパーティーで、その妻・衿子(えりこ)と再会した樹生。彼女は樹生が初めて愛した女性であり、その面影を今でも引きずる忘れられない人だった!!そして、その会場で知ってはならない“事実”を目の当たりにした樹生は、深く傷つき、誰をも拒絶するようになってしまった。愛する樹生に過去の決着をつけさせるため、純子はある決断をするが……!?

セイントアダムズ(8)

日本の陰のドンであり、森生の後ろ盾でもある毛利沢(もうりさわ)翁の孫娘・織絵(おりえ)との縁談をすすめられた森生。そんななか、織絵と会っている森生を目撃した梅生は、自分のなかに森生への激しい恋心が芽生えていることに気づき……!?だが、森生が婚約者として選んだのは、まったく別の女性だった!!森生を愛する女たちの、熾烈をきわめた闘いが、ついに始まった!!

セイントアダムズ(9)

織絵の婚約が発表された直後、祖父である毛利沢翁の死去が報じられた。そして、すべてを見届けた森生は、恵との婚約を解消したのだった――!!森生を必要としながらも、新たな関係をそれぞれ模索していこうとする恵と織絵。そんな二人とは対照的に、森生と衝突する梅生。愛の美しいドラマが静かに幕を閉じ、そして、また産声を上げようとしていた。時を同じくして、樹生の人生も新たなスタートを迎え……。

セイントアダムズ(10)

香港の闇に君臨する女帝・李桜蘭(りおうらん)が、“イブズ”の客として現れるようになった!!その目的とは……、原島森生を消すこと!!この世界の地図の上から、もしくは地上から永遠に――。男を愛の対象ではなく、道具と考える桜蘭に、“イブズ”の麗しき男たちは、どのように挑むのか!?そして、杉生と桜蘭との奇妙な関係にも、目が離せない!!森生、樹生、杉生にとっての、最大の試練が幕を開けようとしていた……!!

セイントアダムズ(11)

人を信じない、人を愛さない桜蘭に、杉生は強烈に惹(ひ)かれていく自分を抑えられず、苦悩していた。兄の命をねらわれてもなお、桜蘭への気持ちが揺るがない自分を嘆きながら……。だが、森生と桜蘭との水面下の抗争が、ついに世間を騒がす大きな悪夢を引き起こすことになり……!?桜蘭に何度傷つけられても、自分の愛を一途に信じる杉生、そして桜蘭の標的にされた原島家の運命とは!?

セイントアダムズ(12)

九龍の女帝であることを宿命づけられた女・桜蘭が、手段を択(えら)ばずに、森生たちに猛攻を仕掛けてきた!!極悪非道なその手段の犠牲となったのは、杉生の大学の友人、吉見麻由子(よしみまゆこ)。彼女の森生への想いを利用した桜蘭は、森生にこの世のものとは思えぬ陰惨な“ショー”を見せつけ……。追い詰める桜蘭、追い詰められる森生たち。この闘いの行方は!?そして、その果てに待っているものとは!?

セイントアダムズ(13)

麻由子の自殺にショックを受け、極度の忘我状態に陥ってしまった森生、車に仕掛けられた爆弾で失明するかもしれない杉生、そして一人で“イブズ”を守る樹生。桜蘭という女の存在が、原島家の人々の人生を狂わせようとしていて……。しかし、それでも憎しみどころか、桜蘭への変わらぬ愛を抱き続ける杉生によって、桜蘭も女帝として女としての決断を迫られることになり……!?

セイントアダムズ(14)

忘我状態へ陥った森生の快復を心から願う梅生は、森生の美しき思い出の地、フランスへ森生と旅立っていった。森生を献身的に看病する梅生を、周囲は心配していたのだったが……!!そして、いよいよ“イブズ”の扉が永遠に閉ざされる日がやって来た。彼らが最後のゲストに選んだのは……!?愛にすべてをかける人々の壮大な物語、ついにクライマックス!!「セイントアダムズ――番外編――」「哀しい色の夢の歌」を同時収録!!