12色物語 坂口尚
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12種類の“色”をモチーフに、それぞれの人間模様を描き上げた珠玉の短編シリーズ。ナイーブな感覚、切々たる心情にあふれた詩情豊かな物語世界!!町で嫌われている一人の老人と一匹の老犬。誰もその名を知らず、町の家々を回り歩いて、ちょっとした雑用で生計を立てていた。そんな老人に強い興味を抱いた少年・ピヨートルは、そのあとをつけて町から2キロ離れたイバーラの森へと入るが……。
12種類の“色”をモチーフに、それぞれの人間模様を描き上げた珠玉の短編シリーズ。ナイーブな感覚、切々たる心情にあふれた詩情豊かな物語世界!!町で嫌われている一人の老人と一匹の老犬。誰もその名を知らず、町の家々を回り歩いて、ちょっとした雑用で生計を立てていた。そんな老人に強い興味を抱いた少年・ピヨートルは、そのあとをつけて町から2キロ離れたイバーラの森へと入るが……。
きっと誰が読んでも心に響く話が必ず一つは見つかる短編集ですね。絵もストーリーも詩的ですがコミカルな話もあるのでぜひ気負わずに読んでみてもらいたいです。悲しい話もありますが誰一人として不幸になっていないのが坂口尚らしい。この人の作品を読むと「純粋」という単語が思い浮かびます。子供の頃は誰だってそうだったと思いますが、大人になっても純粋な心を持ち続けていようとするその気持ちが自分にあるかどうかを問われているような気がするのです。下巻に収録されている「夜の結晶」で、鉱石や隕石みたいな美しい結晶のように生きるにはどうしたらいいか主人公が問いかけていたのが印象に残りました。