あらすじ高山家の跡取り息子、長男の政信は29歳の独身男。万事が控えめだが、優しい性格の持ち主。その政信が、近くの村に住む19歳の律子に恋をした!内向的な政信を見かねた妹のかつみは、二人の愛のキューピットに。だが、一人娘の律子には親が決めた婚約者が…。大自然に囲まれ、厳しい環境の中で育ってきた二人の愛の行方は!?季節は巡り、また厳しい冬がやって来る時、おらが村に、そして高山家に新たな風が吹く完結巻!
日本の中山間地域における問題の根深さや、それでもそこで生きることの大切さを描いた素晴らしい作品。 舞台は1970年代の秋田とのことだが、2020年のオリンピックやその少し前の地方創生など、色々と現在と重なる部分がある。出稼ぎによる若者の流出、ディスカバージャパンなどで理想化された田舎…主に世代間の価値観の違いによる衝突はそこここに現れるが、どれが正しいとは言い切らないところが良い。自分の置かれている状況や読むタイミングによって、共感するキャラクターも違ってくると思う。 ウイルスの脅威で外出制限を要請されている都会での生活を送りながら、自分が選ばなかった生き方について考えるきっかけになった。