あらすじ火術の名手・月之助に救出された影丸。しかし月之助は影丸をかばい、敵に討たれてしまう…。仲間の死を乗り越えて、遂にかくし金山の秘密を握る庄屋の屋敷にたどりついた影丸は、豊臣家の再興を目論む敵の首領・円月斎と最後の戦いに!
忍者!おん密!!特殊技能!江戸時代!!城!将軍家!!半蔵!!旧国名!!忍び文字(暗号)!わたしの子供の頃の好きな要素がいっぱいすぎて、多分小学生の頃に読んでいたら、わくわく夢中でどハマりしていたと思います。 しかもさすが横山先生だけあって無駄のないシンプルな作風で読みやすさも抜群。全15巻の超大作ですが、不思議と読み疲れなどはありません。 三重マンガランキング2位もうなずけます。 当時はかなり画期的な作品だったようなのですが、この作品が凄すぎてフォロワーが多く生まれ、多くの作品からベンチマークの扱いを受けたことによって、今見ると少し普通というか、王道すぎてもう一捻り欲しい気がしてしまいます。なので、名作であることは重々承知しつつも、今の子供たちにあえてこれを薦めるかというと、少し微妙な気もします。 あと、私の大好きな男塾に通じる要素も結構出てきて、それも見応えがありました。宮下先生に影響を与えてるのかもしれません。男塾は関係ないですが、途中、影丸の一人称が「影丸」になったのも面白かったです。 ちなみに個人的な一番のお気に入りシーンは、敵を攻撃する用に手懐けているふくろうが、敵が繰り出したネズミを捕まえるのに夢中になってしまって敵を攻撃しなくなる場面です。ふくろうの顔も可愛く描かれており、忍者という暗い宿命を負った者が主人公の作品世界で、ほんわりとした気分にさせてくれます。 あとはおまけコンテンツとして「ムササビ」という作品が収録されてます(影丸の話ではないです)。これは、天正伊賀の乱で信長に滅亡に追い込まれた忍者の生き残りが、本能寺の変の裏側で糸を引いていたという魅惑の歴史ifストーリーで、こちらも戦国時代ファンには見逃せない出来でした。