あらすじ非情な「死の天使長」として覚醒したサン=ジュスト。家族の身を案じ、国外逃亡を企てるマリー・アントワネットだが、その逃亡計画を潰すべくサン=ジュストが暗躍する。国殺しを目指すサン=ジュストと、清く正しい革命を目指すロベスピエール。互いの思惑がぶつかり合う中、国王ルイ16世の裁判が開かようとしていた。これは愛のためにフランス王国を殺した男の物語。※ゼノン編集部で掲載され好評だった「番外編」も収録!
いろいろな人物が登場する。 上の人の首をちょん切って終わりというイメージでした。 国家を転覆させるんだから、そんなシンプルなものじゃないんですね。 世界史を学校で学んだことがないので、ヨーロッパの歴史はあまりよく知りません。 史実に基づくことと、基づかないことが混ざったヒストリカルファンタジーとはいえ、この漫画をきっかけにサン=ジュストについて調べたので、歴史の勉強になっているのだと思います。 さて、本作を読んだ感想は、民衆を動かすメディアの力はすごいなあということです。 女装したり、言葉を用いたり、策を練ったり、サン=ジュストはあの手この手で、人々を焚き付けます。 その中で印刷物?を使うシーンがあるのです。 「メディアリテラシー」なんて概念がない当時のこと、書かれた言葉は嘘か誠か真実が明らかになる前に瞬く間に広まり、読み手にとって真実となってしまっていく。ペンの力は強いです。 ラストは情報で戦っていたサン=ジュストが、情報がなかったからこそ迎えた結末という感じがしました。