あらすじいい暖房器具がたくさんある現代、子供達の学校の暖房はどうなっているのか尋ねた中年の大島元気(おおしま・げんき)は、小学校時代のダルマストーブを思い出す。その頃、分厚く凍った水たまりに目をつけた小学4年生の元気は、イスですべろうと教室へ行った時、元気と一緒にストーブ当番になった女子から石炭を持ってきてと頼まれる、しかし元気は、お前一人でやっとけと言い放ってイスすべりを楽しむのだが……!?
東京新聞(中日新聞)を取っていた人には懐かしい作品。東京新聞の日曜版で毎週読んでいました。釣りバカ日誌の作者・北見けんいち先生が戦後の子供時代の思い出を回想するように戦後の日本を描いた作品です。 まだ戦争の傷跡が残る東京が舞台。生活に困窮し物資が乏しい時代でありながら、主人公の元気くんたちは友達と遊ぶことが中心の毎日。私は当時、ちょうど元気くんと同い年くらいでしたが、何もなくても楽しいことや面白い出来事に変えてしまう元気くんから、ずいぶん学ぶ所は多かった覚えがあります。とにかく娯楽や遊びに対しての執念がものすごかった。 実際は、生きていくだけで精一杯のはずなのに、作品から悲惨さはあまり感じられません。元気くんの周りには、大変な状況の中で前を向いて暮らす周りの大人たちが沢山いて、根底には明るさがあるからです。ちょっと説教臭いときもありますが、大人になった元気くん(中年)が過去を振り返って、しみじみと当時を語る姿が毎話印象的でした。