あらすじいろいろ考えるのは、もうヤメだ。ついに嵐を呼ぶ男、花井薫(ハナイ・カオル)がオリンピックスイマーを目指し復活!「カオルはハングリーじゃなきゃダメなのよ」プーの言葉にショックを受けつつも、自分の本当の気持ちに気付いたソノコは、カオルにもう一度水泳をやって、と告げる。自分に正直に生きると決めたカオルは、後先考えずに退職~、目標は五輪!見栄だけで生きている男・カオルは、やっぱりなにかやってくれる!!とりあえず第1部・完だけど、いつか会える(はず)さ。
バタアシ金魚の続編です。 バタアシ金魚の頃から一貫して描かれているのは「追う・追われる」⇔「追われる・追う」の関係性。これは男女関係におさまらず人生のあらゆる局面に露呈する公式のようなものではないでしょうか。 何はともあれ、追いかけたり追われたりしているあいだは人生はつづくのです、あるいは人生を描く物語にしても同様でしょう、追いかけたり追われたりしているあいだは物語はつづくのです。たとえば、どこまでも逃げつづけるルパンと、どこまでも追いつづける銭形、この二人の関係はほんとうに美しいですね、ときに愛のようなもの感じることすらあります。この美しさは二人が"どこまでも"「追う・追われる」ことからくる美しさに他ならないでしょう。 ところで、バタアシ金魚は完結というにはあまりに中途半端な終り方をして、お茶の間にいたっては堂々と未完としています。これは「追う・追われる」⇔「追われる・追う」の関係性が崩れ去れば物語が停滞してしまうことを作者が直観していたからではないでしょうか。名誉ある未完、あるいは未完であること運命づけられた作品というのは時々出てくるものですが、そういった作品は後世に読み継がれることが多いように思います。