あらすじ

血を血で洗う抗争が激化し、三郎丸の足立組一派と九州百人会の組長や幹部連中が次々と殺されていった。水巻の愛人・麗華を監禁した三郎丸は一計を案じ、彼女を逃がして跡をつけ、水巻の潜伏先をつきとめる。だが、水巻が隠れ住む先へやって来た三郎丸たちを待ち受けていたのは、あろうことか…。
玄界遊侠伝 三郎丸 1巻

昭和20年8月、終戦間近の福岡県の玄界灘に浮かぶ孤島、神対島。この島に10歳になる少年、足立三郎丸がいた。終戦を迎え、敗戦国となった日本で、海女として働く母親と強くたくましく生き、そして、度胸と愛嬌で成長していく一人の男の物語!

玄界遊侠伝 三郎丸 2巻

生きることで精いっぱいの終戦直後の日本。三郎丸少年が住む玄界灘の神対島にも、敗戦の荒波が押し寄せてくる。そんな時、ほほえみ善次郎が率いるテキヤ集団・玄海一家の縄張りである神対島に、復興勢力・後藤寺組が参入してきた。善次郎と海水で五分と五分の兄弟盃をかわしていた三郎丸は…。

玄界遊侠伝 三郎丸 3巻

中学生になった三郎丸少年。敗戦後の日本は法も秩序もなく、どこの街にも不良少年たちが集団をつくり、悪さをくり返していた。3年ぶりに小倉の街にやって来た三郎丸も、そこで荷物を不良少年にひったくられてしまう。そして、不良少年を追いつめた三郎丸の前に現れたのは、グループの頭・小倉のタカという少年で…!

玄界遊侠伝 三郎丸 4巻

三郎丸の母親が働く神対島の神対炭鉱は、母親をはじめ、半裸の女性たちばかりで、目のやり場に困る三郎丸をからかい、喜んでいる。その炭鉱が国営になり、政治結社が仕切ることになったのだが…。政治結社の親玉がゴロツキを炭鉱に送り込み、そこで働く人たちにイヤがらせを始めると、炭鉱の民衆の不満は今にも爆発しそうに…!

玄界遊侠伝 三郎丸 5巻

人を人と思わない上層部の人間に、ガマンの限界を超えた三郎丸ら神対炭鉱の鉱夫たちは、ついに暴動を起こす!そして、炭鉱の責任者・宝部を狙う三郎丸は、ついに宝部を殺してしまう。人殺しの罪で警察から追われる身となった三郎丸を、ほほえみ善次郎、アメリカ軍のジェシカ大尉らが助けようとするが…!?

玄界遊侠伝 三郎丸 6巻

時は過ぎ、昭和25年――16歳になり、たくましくなった三郎丸は、人殺しの罪で追われた神対島を離れ、東一郎と名乗って下関の魚市場で働いていた。だが、そこでの葵・梓母娘との出会いを切っ掛けに、その後、梓に惚れている真中組若頭・福田とケンカになった三郎丸は、福田の親分・真中組組長らも巻き込んで大騒動を起こす!そうしてついには、下関にもいられなくなってしまうが…。

玄界遊侠伝 三郎丸 7巻

九州は小倉に戻った三郎丸を待っていたのは、三郎丸を兄貴と慕う小倉のタカ。タカは自分でまとめた足立組の組長になるよう、三郎丸に頼むが…その小倉には若い女たちの集団、紅孔雀団など、チンピラグループが乱立していた。小倉の街に興味を持った三郎丸は、しばらく小倉で過ごすことに!

玄界遊侠伝 三郎丸 8巻

小倉のタカのもとで生活を始めた三郎丸は、タカが率いる集団の女性、火見子と仲良くなるが、その火見子の男・英吉が八カ月ぶりに少年院を出所するという。そして二人の仲に気づいた英吉を見て、三郎丸は身を引こうとするが…。その後三郎丸は、神対島の牧師…現在は博多の中学の教師・白菊に再会し、なんと三郎丸に弟が誕生したと知らされて…!?

玄界遊侠伝 三郎丸 9巻

足立組組長を正式に名乗ることになった三郎丸。九州は小倉の親分衆を取持人、役員人にして儀式をし、教師だった白菊と所帯をもつことに。そして足立組結成から1年以上が過ぎ、着実に地盤を固めていく三郎丸だったが、足立組が大きくなればなるほど、他の組織との抗争が絶えず…。だがそんな中、ようやく三郎丸にもめでたい話が…!?

玄界遊侠伝 三郎丸 10巻

昭和27年4月、日米安全保障条約発効。アメリカ軍の独占時代は終わりをつげる。同じ頃、神対島にいた時に世話になった、ほほえみ善次郎が筑紫海蔵舎の二代目を襲名することになり、襲名披露の前に三郎丸を訪ねて来る。久し振りに二人で話す三郎丸と善次郎だが、そこに善次郎を狙う刺客が…!

玄界遊侠伝 三郎丸 11巻

三郎丸、18歳にして男の子の父親になる。子供の名前は一朗丸。しかし、めでたい話に喜んだのも束の間、洞海湾の権利をめぐり、親足立組と反足立組が一触即発の状態に陥ってしまう。そして昭和28年6月、足立組組長の三郎丸は反足立組の九州百人会と本格的な抗争へ…。三郎丸を亡きものにと、次々と刺客が送り込まれ、ついにはクスリで組を大きくした日影組、通称ドクロ団までもが迫る!

玄界遊侠伝 三郎丸 12巻

執拗に三郎丸を狙い続ける九州百人会の水巻。その水巻の息子が天狗のもとで3年間修業し、小天狗と名乗っているという話を聞いた三郎丸は、水巻親子を成敗するため、豊前の霊山に向かう。地元の人たちは道行く修験者を、インチキ天狗の所に集まっているインチキ修験者といって笑うが…。

玄界遊侠伝 三郎丸 13巻

三郎丸たちが地元で、レスリングと柔道の対決という異色の競技を開催しようとしている頃、九州百人会の水巻の息子・順が、サブリナと名を変え、しかも超美人になってアメリカから帰って来た!さらにその脇には二人のプロレスラーを連れ、どうやら競技に参加するらしい!?そしてその会場で順は三郎丸を亡き者にしようと画策するが、計画は失敗に終わる…。その後、順の父親である水巻は三郎丸を殺すため、百人会の下部組織に賞金を出して…!?

玄界遊侠伝 三郎丸 14巻

血を血で洗う抗争が激化し、三郎丸の足立組一派と九州百人会の組長や幹部連中が次々と殺されていった。水巻の愛人・麗華を監禁した三郎丸は一計を案じ、彼女を逃がして跡をつけ、水巻の潜伏先をつきとめる。だが、水巻が隠れ住む先へやって来た三郎丸たちを待ち受けていたのは、あろうことか…。

玄界遊侠伝 三郎丸 15巻

警察に逮捕され、懲役8年6カ月の判決となった三郎丸。ふとしたキッカケで脱獄が成功し、足立組の面々と再開するが、三郎丸は、死んでいった者たちに申し訳がたたないから、刑はキチッと務めると言い、再び刑務所へと戻る。その後、世間では安保闘争など大事件が続く中、三郎丸より先に出所したタカが新たに霧ヶ峰組を興す。そして昭和38年春、足立三郎丸は出所することになる。だが、三郎丸は組には戻らずに…。――足立三郎丸の成長の軌跡、ここに完結!!