あらすじ

太宰治の希代の問題作「人間失格」を、現代社会を舞台に変え、完全コミック化!「恥の多い生涯を送ってきました」――ネット上に見つけた大庭葉蔵の独白が赤裸々に綴られたページ。掲示されていた3枚の写真は、葉蔵の転落の人生の軌跡を描いていた。読み進めるほどに堕ち、崩壊していく葉蔵の人生。彼は何を恐れ、逃げていたのか。鬼才×鬼才、100年に一度の出会いが生み出した究極にして最強のコラボレート作!ここに登場!!
人間失格 1巻

太宰治の希代の問題作「人間失格」を、現代社会を舞台に変え、完全コミック化!「恥の多い生涯を送ってきました」――ネット上に見つけた大庭葉蔵の独白が赤裸々に綴られたページ。掲示されていた3枚の写真は、葉蔵の転落の人生の軌跡を描いていた。読み進めるほどに堕ち、崩壊していく葉蔵の人生。彼は何を恐れ、逃げていたのか。鬼才×鬼才、100年に一度の出会いが生み出した究極にして最強のコラボレート作!ここに登場!!

人間失格 2巻

アゲハとの心中に失敗し、ひとり、生へと取り残された葉蔵は、送られた留置所の中で、彼女への償いを生きる糧にしていこうと決心する。そして釈放、居候生活。平穏な生活を取り戻したかのように見えたその裏には、葉蔵を再び絶望の闇へと落とし込む事実が隠されていた。うわべだけの無気力な人生。つかむ場所のない深い暗闇の波間で、葉蔵がようやく掴んだもの……それは「女」だった。世紀を超える希代の問題作、続刊登場!!

人間失格 3巻(完)

古屋兎丸が描く現代の黙示録、堂々完結!!結婚して幸せの絶頂だった葉蔵。しかし思わぬ事件をきっかけに彼の運命は暗黒の坂を転がり落ちるのだった―――。現代の大庭葉蔵が行き着く先は天国か、はたまた想像を絶する地獄なのか……。鬼才・古屋兎丸が太宰治へのリスペクトと綿密な取材をふまえ描いた新人間失格。迫真の心情描写と斬新な幻覚表現は必見です!

人間失格

漫画だからこそ描けた絶望

人間失格 古屋兎丸 太宰治
野愛
野愛

太宰治『人間失格』を漫画化した作品。 原作をそのままなぞっているのではなく、現代的かつメタ視点で描かれている。 古屋兎丸先生自身がインターネット上で大庭葉蔵の日記「人間失格」を発見し、読み進めていくというストーリー。 読者は古屋兎丸の目を借りて、葉蔵の人生を追いかけていくことになる。 父を憎みながらも実家の金で裕福に暮らし、仕送りが打ち切られれば女の家に転がり込む姿に、最低だ罪人だと責めたててしまいたくなる。 煙草屋の娘に恋をして、1日に何度も煙草を買い、素直になれず揶揄う姿はなんとも可愛らしい。 他者の目を挟むことで、葉蔵という人間の可愛らしさや狡さ、いやらしさがより鮮明に浮かび上がる。女を誑かす様子なんかは、原作よりも真に迫るものがあるような。 小説『人間失格』も葉蔵の日記を読む他者の視点で描かれている。漫画『人間失格』も同じだが、古屋兎丸視点で古屋兎丸の絵で描かれているので、メタ要素がより色濃く感じられる。 葉蔵を見つめる読者である古屋兎丸を見つめる読者である自分自身。古屋兎丸の目が自分自身の目となり物語に飲まれていく。 嫌悪、軽蔑、共感、友愛…葉蔵に対して様々な感情を抱きながら、共に絶望の果てに追い込まれる自分自身をまざまざと見せつけられる。 小説『人間失格』からは「ただ、一さいは過ぎて行きます。」という一文が示す通り、すべてが過ぎ去ったあとの凪のような絶望を感じた。 対して、漫画『人間失格』からは今まさに激流に飲み込まれて苦悩しているような生々しい絶望を感じた。 それぞれの絶望の味を是非読み比べてみてほしい。 古屋兎丸先生の人間失格が素晴らしかったので 津軽×魚乃目三太先生とか、斜陽×えすとえむ先生とか 相性の良さそうな太宰×漫画家を妄想するのが楽しい…駆込み訴えをどうにか現代設定(どうやって)にしてゴリゴリのBLにしたりとかめっちゃ見たい