あらすじガッツ溢れるガチンコ競輪漫画の金字塔! 困難を乗り越え、ついにリンタにGの舞台への斡旋が! 舞台は取手。同期のゴンゾや八郎潟最強兄弟が待ち受けるなか、地元の怪物・SS級の武中と再びラインを組む事になったリンタは!? 強敵揃いのレースで吹き荒れるのは“トリハダ”の嵐…!? 果たしてリンタは“完全再誕生”なるか!!
スポーツといえば純粋なもの、というイメージは 深く広く世間に浸透していると思うのです。 代表的なのが高校野球とか甲子園とか。 主に学生スポーツの世界を中心に存在しています。 それらのイメージは素晴らしいでしょうし尊重したいとも思います。 けれど世の中のスポーツ関係は、現実にはどうしたって お金が絡むんですよね。 ようは金にならなきゃ成立しない。存続できない。 プロ野球、Jリーグ、そしていまではオリンピックに至るまで 金を生まないスポーツは結局は存在していかれないのが現実。 で、そう言う意味で極端に逆方向のリアルな方向に 徹してしまったのが公営賭博である競馬や競艇や、 競輪を扱った従来の漫画だったと思います。 最初から「国の運営費を稼ぐために」で創設され、 「公正明大に国民に娯楽を提供するため」の大義名分のもとに 一般大衆からアブク銭を巻き上げる世界です。 「Odds VS!」は公営賭博である競輪が所詮は賭博であると いうことを前提としながら、それ以上の面白さを描いています。 もちろん、過去から今まで競輪だけでなく競馬や競艇など 公営賭博を舞台にしながらそれらのスポーツの醍醐味を描いた 名作漫画は他にもあります。 なので個々に優劣を論ずるのは難しいのですが、 各種ある公営賭博を舞台にした漫画では、そのほとんどが 「儲ける」「儲けたい」という、その公営賭博に手を出す人の 最大にして当たり前の動機から目を反らした漫画が 多い気がします。 「儲けること、稼ぐことがその競技の目的とか 存在理由じゃあないんだよ」 と、なんかそういっているような漫画が多かった気がします。 (田中誠先生のギャンブルレーサーは除く(笑)) 「odds~」はそのあたりをかなりシビアに描いています。 いやいや、ギャンブルだから面白いんじゃん、 そこが面白いじゃん、みたいに。 選手たちは獲得賞金を目的に走るし、客は儲けるために 車券を買うし。そのへんにリアリティを感じます。 そこに加えて主人公・リンタと彼女との話とかで 適度にエロイ要素もブッこんで来るんですよね。 まあ他のエロ漫画に比べたらカワイイくらいの内容ですが。 しかしギャンブル好きの人間なんて大体はエロ好きですし、 掲載誌が漫画アクションということからも、 読者のニーズにちゃんと合わせてきてもいる感じです。 さらにそれでいて個人的な感想ですが凄いなと思ったのが、 石渡先生がかつて「スーパーライダー」「B・B」などの作品で 超絶的でハイパーな能力を持った主人公の話を描いていたのに 「odds~」では超絶的にぶっ飛んではいない リアルにありそうなレベルでいて強い主人公を描いている ことです。 この話に超絶でいかにも漫画的なハイパーな主人公を 描いたらリアリティが吹っ飛んでしまっていたでしょう。 そのあたりが凄く上手く描かれていて面白い漫画に なっていると思いました。