あらすじ【電子限定描き下ろし付き】八重花の世界を壊す――。長い年月をかけ、自身の世界に籠ってしまった八重花と対峙するため、楽丸の制止を振り切って強硬手段に出たあお。しかし、現実との境界を失った八重花はひどく錯乱し、あおを自らの“地獄”へと引きずり込む。夢と現(うつつ)が混ざりあうその場所で、あおが目にしたものとは…!? 救済とは何かを問う『八重の待ち人』編、堂々終幕!
浮かばれない哀しき者たちの叫びに耳を傾け、元花魁が情で絆して諌める。 難しい言い回しするとこんな感じなんだけど、元花魁の主人公 あお は自分の事は多く語らない。 金が欲しい、金がどんどん必要だ。 その想いは決して下品なものではなく、かといって人に言いたくもなく、助けて欲しいとも思ってない。 彼女自身を救うのは果たしてーーー という冥土に行ってしまった人気絶頂で死んだ花魁が、冥土の入り口で狐様に出会い、魂を救う助手をするような形で色々な哀れな者たちと出会う物語。 絵柄が可愛いというのもあるけど、パースも丁寧で絵が上手で読んでいて気持ちが良い。 あとお稲荷さんがかわいい。 辛く悲しい想いをした者たちの話というだけでも切ないのに。 3巻の猫の話なんかは苦しくなる。 いい作品です。