あらすじ濃紫の痛ましい死を受け入れ、変わらず営業を続ける三浦屋。しかし、いたるところに残る、彼女の気配と記憶にとらわれている者たちがいた。濃紫を救えなかった後悔の念に苛まれる猪吉。そんな猪吉を想うがあまり、客を取れなくなってしまった夕顔。行き場のない二人の恋は、やがて三浦屋を巻き込んで――。花街に生きる人々の哀愁と張りを描いた『通い猫』編を収録! ※電子限定描き下ろし漫画付き
浮かばれない哀しき者たちの叫びに耳を傾け、元花魁が情で絆して諌める。 難しい言い回しするとこんな感じなんだけど、元花魁の主人公 あお は自分の事は多く語らない。 金が欲しい、金がどんどん必要だ。 その想いは決して下品なものではなく、かといって人に言いたくもなく、助けて欲しいとも思ってない。 彼女自身を救うのは果たしてーーー という冥土に行ってしまった人気絶頂で死んだ花魁が、冥土の入り口で狐様に出会い、魂を救う助手をするような形で色々な哀れな者たちと出会う物語。 絵柄が可愛いというのもあるけど、パースも丁寧で絵が上手で読んでいて気持ちが良い。 あとお稲荷さんがかわいい。 辛く悲しい想いをした者たちの話というだけでも切ないのに。 3巻の猫の話なんかは苦しくなる。 いい作品です。