あらすじ【電子限定描き下ろし付き】三十を過ぎても女人と通ずることのなき者は、闇の炎に抱かれて狂う――…。同僚の言葉を真に受け、苦悩の末に鎮守の社に迷い込んだ留役見習いの作之輔。あおと覗きの豆右衛門の引率で、苦い記憶の残る新吉原を再び訪れることに。そんな彼のために、元売れっ子遊女のあおが見立てたのは越中屋の茶挽き遊女・玉くしだった。立ちはだかる数々の困難を乗り越え、うぶすぎる作之輔は“初めて”を迎えることはできるのか!? 頑張れ、作之輔!!!!
浮かばれない哀しき者たちの叫びに耳を傾け、元花魁が情で絆して諌める。 難しい言い回しするとこんな感じなんだけど、元花魁の主人公 あお は自分の事は多く語らない。 金が欲しい、金がどんどん必要だ。 その想いは決して下品なものではなく、かといって人に言いたくもなく、助けて欲しいとも思ってない。 彼女自身を救うのは果たしてーーー という冥土に行ってしまった人気絶頂で死んだ花魁が、冥土の入り口で狐様に出会い、魂を救う助手をするような形で色々な哀れな者たちと出会う物語。 絵柄が可愛いというのもあるけど、パースも丁寧で絵が上手で読んでいて気持ちが良い。 あとお稲荷さんがかわいい。 辛く悲しい想いをした者たちの話というだけでも切ないのに。 3巻の猫の話なんかは苦しくなる。 いい作品です。