あらすじ再び姿を消してしまった“おじさん”こと二十面相。ある日現れた教授と名乗る男は二十面相を殺すと宣言。二十面相は生きているかもしれないと思ったチコは彼に付き従い二十面相の遺産であるある機械へとたどり着いた。しかしそこで教授は殺戮者に変貌する。その姿はなんと「二十面相」そのものであった。チコの全ての夜を潜り抜けた冒険がついに終わろうとしている……。はたして二十面相の正体は……衝撃のクライマックス、そして……!!
深夜アニメを見始めたばかりの当時、スタイリッシュな画面と「伝説の怪盗の娘」という主人公像に一瞬で虜になりました。いいアニメだった…。 その流れで原作も手に取りまして、結構キャラクターの設定とかが違うな〜と思いながら読んでいました。両方履修して見比べると楽しい作品だと思います。 伝説の怪盗と、彼が見出したひとりの少女…。 この設定だけでいけるひとはいけると思うのですが、改めて読み返すと、二十面相とチコが一緒に過ごした話数は少ししか無いのが意外でした。 どこまでも掴みどころがないままの二十面相に、それでも否応なく惹かれてしまう…。多くを描かないからこそ、彼を捜し続けるチコの気持ちを追体験できたのかな、と思います。 終盤にかけ巨大な陰謀が明らかになり物語の緊迫感は増していきます。そこに頼れる「おじさん」は居ません。チコがひとりで「二十面相の娘」として立ち向かうしかないのです。 その責を果たそうとするチコの姿と最後の決断、最高にシビれるので、「本物を超える」瞬間が好きなひとには絶対に読んでほしいですね…。