あらすじ二十面相の消失後数年、チコはついに日本に帰ってくる。そこはまだ美甘千津子の名が「二十面相」と直結している場だった。チコを支える春華やトメの明るさに救われて、しだいに日常を取り戻していくチコだったがそこへケンや人間タンクらが現れて…。明智が挑発する「二十面相」とは?そして迎える新しい時代にチコの居場所はどこにあるのか?ネオ・ノスタルジーの大河巨編『二十面相の娘』、ついに大団円!
深夜アニメを見始めたばかりの当時、スタイリッシュな画面と「伝説の怪盗の娘」という主人公像に一瞬で虜になりました。いいアニメだった…。 その流れで原作も手に取りまして、結構キャラクターの設定とかが違うな〜と思いながら読んでいました。両方履修して見比べると楽しい作品だと思います。 伝説の怪盗と、彼が見出したひとりの少女…。 この設定だけでいけるひとはいけると思うのですが、改めて読み返すと、二十面相とチコが一緒に過ごした話数は少ししか無いのが意外でした。 どこまでも掴みどころがないままの二十面相に、それでも否応なく惹かれてしまう…。多くを描かないからこそ、彼を捜し続けるチコの気持ちを追体験できたのかな、と思います。 終盤にかけ巨大な陰謀が明らかになり物語の緊迫感は増していきます。そこに頼れる「おじさん」は居ません。チコがひとりで「二十面相の娘」として立ち向かうしかないのです。 その責を果たそうとするチコの姿と最後の決断、最高にシビれるので、「本物を超える」瞬間が好きなひとには絶対に読んでほしいですね…。