あらすじ
遥か昔の倭の国の、神代と人世のその間。神々が人間と共存していた時代。村を司る神・切風孫命神への生贄に選ばれた少女・妙(みよ)は、避けられぬ死に怯えていた。しかし、神と相対し対話する異能を持つ道士・小角(おづの)との出会いが、彼女を窮地から救い出す……!みなしごの少女と、壮麗の道士、そして鬼の少年。時代や次元さえも超越した、神々を巡る旅が始まる!俊英・鶴淵けんじが、古代神話にファンタジーやSFの視点を加えて描き出す、全く新しい“古代日本”像。特別小冊子「青騎士」に掲載され大きな注目を集め、ハルタ本誌での連載を獲得した話題作が、1・2巻同時刊行!
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まだ神さまが人とともに暮らしていた倭の国で、道士・役小角とその弟子ふたり組がさまざまな神さまと人智を超えた交流をしていく…というのが大筋のコンセプト。 草木の香りが匂い立つような、現世とはおよそ異なる濃密な大気を湛えた世界が高密度の筆致で閉じ込められています。 無駄のない、整理された描線でこのエキゾチックな空気感が生み出されていくギャップがたまらなくて…。表紙の題字なんかからも分かると思うんですが、超・オシャレなんですよ!スタイリッシュ! 物語の構成も王道の和モノファンタジーの妙味をおさえながら、随所で変化球が飛んでくるのが飽きさせません。 僕が一番気に入ったのが「神さま」の捉え方が、ほとんどSFをそのままぶっ込んだかのような自由さにあふれていることです。デザインも素敵。 起きる超常現象の演出も毎話ケレン味が効いているので、こういうジャンルに親しんでる方でも新鮮に楽しめるんじゃないかと思います。 とりわけ2巻分通してキマる物語のギミックは超テクニカル、和風SFココにあり! 続刊が待ち遠しい作品です。