あらすじ

美濃にあって天下を睨む信長は才士光秀を通じ前将軍の弟義昭に接近、これを奉じ疾風怒濤の上洛を果す。越前朝倉討伐にむかった信長は義弟浅井長政の裏切りにあい窮地にたたされるが、姉川の戦いでこれを撃破する。一方、信長の勢いに脅威を感じた義昭の命により諸将は一斉に決起、阿修羅となった信長は浅井朝倉と結ぶ七百年の聖域叡山を焼打ちし、石山本願寺門徒と対決するが、同じ頃戦国の巨獣武田信玄はついに動き出し、大きく信長の前に立ちはだかる。
織田信長(1)[コミック]

応仁の大乱から七十数年。尾張に一人の革命児が育っていた。藁でひっくくった茶筅髪に縄の帯、毛ずね丸出しで荒馬を駆る吉法師こと、若き日の信長である。群雄割拠の戦国乱世に、織田家の内部では相続をめぐって、骨肉相食む争いが繰り返されている。斎藤道三の娘濃姫を迎えたが、信長のうつけ振りは一向に改まらない。廃嫡すると言えば平気で「ああ、そうか」と答える。尾張の大うつけで終わるか、天下を取るか。うつけ者信長の目は新しい時代を指向している。

織田信長(2)[コミック]

天文二十年、父信秀の葬儀が万松寺で行われた。遅れて駆けこんできた信長は、香をはっしと握り位牌に叩きつける。手のつけられないほどの大うつけ振りに、信長廃嫡の動きは最高潮に達し、信長は孤立する。虎視眈々として上洛の機を窺う今川義元に密通する反信長派。尾張に一触即発の剣呑な空気が流れる。革命児信長の尾張統一の布石も、ここにもろくも崩れ、反信長派の結束がなるかにみえた……。信長の前途はまだまだ多難である。

織田信長(3)[コミック]

信長か、弟の信行か。織田家の内紛は両派に分かれて、骨肉の争いが絶えない。反信長派の巨頭・林佐渡を那古野城主に引き抜いた信長の一策は、一族の確執に終止符を打つかに見えたが……。信長のうしろ盾となっていた舅の斎藤道三が、息子の義龍の謀叛によって非業の死をとげると、再び信長の立場は不安定となり、涙をのんで弟信行を斬る。かくて内部の禍根を断った信長は、全力をあげて外敵・今川にあたる。

織田信長(4)[コミック]

「上は天文、下は地理を知る」と豪語する藤吉郎を起用した信長は、天下を狙って上洛する今川義元を田楽狭間(桶狭間)で打った後、物見遊山の旅姿で京都山科言継卿との面会を果たす。一方、美濃の斎藤義龍が病死し、龍興が継ぐ。これを機に、小判五百枚、銭五百貫と蜂須賀小六を従えた藤吉郎は、墨俣に一夜城を造り、稲葉山城を落とした。信長はこれを岐阜城と改め、天下統一の第一の布石をした……

織田信長(5)[コミック]

美濃にあって天下を睨む信長は才士光秀を通じ前将軍の弟義昭に接近、これを奉じ疾風怒濤の上洛を果す。越前朝倉討伐にむかった信長は義弟浅井長政の裏切りにあい窮地にたたされるが、姉川の戦いでこれを撃破する。一方、信長の勢いに脅威を感じた義昭の命により諸将は一斉に決起、阿修羅となった信長は浅井朝倉と結ぶ七百年の聖域叡山を焼打ちし、石山本願寺門徒と対決するが、同じ頃戦国の巨獣武田信玄はついに動き出し、大きく信長の前に立ちはだかる。

織田信長(6)[コミック]

天正三年天下取りに立上った巨獣信玄は陣中に斃れ、最大の危機をのりきった信長は御所にたてこもる将軍義昭を放逐、足利幕府はここにその幕を閉じる。さらに信長は長年の敵浅井朝倉を倒し、長島願証寺を焼き払うと、再度上洛をめざす武田軍団を家康とともに長篠で粉砕、天下統一にむけて大きく前進する。しかし、運命の皮肉か、疑心暗鬼の虜となった腹心の将光秀の謀叛にあい、一代の革命児は京都本能寺で紅蓮の炎の中その波乱の生涯を閉じる。