あらすじ昭和20年2月、敗戦の色が濃い日本。回天特別特攻隊、いわゆる特攻隊である千早隊が出撃した。見送る渡辺二飛曹は特攻隊より帰還し、生きる望みを失っていた。その渡辺は自殺を考え、海の中へと。だが、助けられてしまった渡辺は死を願うが、指揮官は帰還者を卑怯者呼ばわりしたことをあやまり、生きろと説得する。
戦記物を読み込んでいる私でも、この漫画の存在を知りませんでした。帝國海軍が誇った酸素魚雷に人間を搭乗させ、生身の人間が動きをコントロールして敵艦を葬る、この凄まじい発想を具現化してしまった、敗戦間際の我が国の追い詰められた姿を見る事が出来ます。 特攻を語る時に「決死」と「必死」の違いが論じられますが、その議論すら組み込まれた奥深い漫画である事を請け負います。一読に値する作品と断言します。