あらすじ「オレは…この日のために生まれてきました…」――。第二回目の回天攻撃作戦で出撃命令を出された渡辺裕三(わたなべ・ゆうぞう)は、危険すぎる泊地攻撃作戦に納得いかないまま潜水艦へと乗り込む。しかしその潜水艦は敵機に位置を知られ、敵艦による爆撃で仲間の関口(せきぐち)が重傷を負ってしまう。そして新たな敵艦の登場で潜水艦は窮地に陥り、渡辺達は艦長へ回天での出撃を直訴するが……!?
戦記物を読み込んでいる私でも、この漫画の存在を知りませんでした。帝國海軍が誇った酸素魚雷に人間を搭乗させ、生身の人間が動きをコントロールして敵艦を葬る、この凄まじい発想を具現化してしまった、敗戦間際の我が国の追い詰められた姿を見る事が出来ます。 特攻を語る時に「決死」と「必死」の違いが論じられますが、その議論すら組み込まれた奥深い漫画である事を請け負います。一読に値する作品と断言します。