●提灯職人の松宮から、満月堂に依頼が。それは、自分の姪っ子が働く浅草の小学校で行われている「総合学習」という授業で、和菓子の拵え方を教えてほしいというものだった。「浅草の地元の伝統と文化を子供達に伝える」という責任をしょって、小学校に出向いた安藤奈津だったが、そこには手強い子供達と先生がいて……?●桜祭りの催事中の桜橋で、満月堂の桜饅頭をめぐり、地元の小学生・健太と、角力取り・隅田川がちょっとしたいざこざを起こしてしまう。怪我のため番付が落ちてしまった十両の隅田川は、次の場所で勝ち越さないと幕下への陥落が決まってしまう。そんな隅田川を一生懸命応援する健太。そして浅草の面々。奈津も「大手鞠」という和菓子を拵え、隅田川を激励するのだが、現実はそれほど甘くなく……?
●十四連敗で千秋楽を迎えた角力取り・隅田川。安藤奈津や浅草の面々の激励を背に、最後の取り組みに臨んだが…?●ある梅雨の晴れ間、満月堂の梅吉の元に、中嶋香里と名乗る若い女性が現れ、梅吉のことを「お父さん」と呼ぶ。仰天する奈津。事の真相は?●香里が愛媛で結婚式を挙げると聞き、梅吉はお祝いの蓬莱饅頭を拵えようとする。そんな折、一ツ橋流の家元・あやめから、あるお茶会に出す和菓子を拵えてほしいという依頼が満月堂に舞い込む。梅吉は結婚式への出席をとりやめようとするが、奈津の熱意と説得に折れ、お茶会の和菓子は奈津と竹蔵に任せ、店を空けることに。そしてお茶会当日。張り切る奈津だったが、それがあだとなりとんでもない大失態をしでかしてしまうのだった。一ツ橋流にも満月堂にも泥を塗ってしまった奈津は、その責任をとろうと、満月堂から姿を消してしまう。奈津を愛する浅草の面々は、必死で彼女を捜すが………
浅草の老舗和菓子舗・満月堂で働く見習い職人の安藤奈津は、美味しい和菓子を拵え、お客様の心に温もりが届けられるようにと日々修業中!新年の初釜の後、奈津の目の前で一ツ橋流家元・あやめが過労で倒れた。その後、あやめは心身を癒やすため、温泉地・神奈川県湯河原町に逗留することに。奈津は、あやめのお世話係として急遽随行することとなった。温泉街を散策する二人は、偶然「湯けむり屋」という地元の和菓子舗に入ることに。その店の主人から、なぜか湯河原町の「新名物菓子」作りの手伝いを頼まれてしまう。ゆったりと温泉を楽しむ「湯治の旅」が、一転あわただしい「新菓子作りの旅」になった奈津。あやめの目の前で、果たして立派な「新名物菓子」を作り上げることはできるのか…!?大人気コミックスの最新第18集!!
浅草の老舗和菓子舗・満月堂で働く見習い職人の安藤奈津は、美味しい和菓子を拵え、お客様の心に温もりが届けられるようにと日々修業中!ある日、満月堂の前に大荷物を抱えた冬実を見つける奈津。父親の外崎に、ボビーとの結婚を反対され、激怒して実家を飛び出してきたというのだ。そこで、女将の光子が外崎との話し合いの末、光子が冬実を満月堂に住まわせ「花嫁修業」を課すことになった。花嫁修業を最後までやり遂げれば、外崎はボビーとの結婚を許すというのだが、果たしてワガママ娘は光子の厳しい修業に耐えられるのか…!?その後、浅草のホテルで開かれる日本茶と菓子の祭典「日本各地の銘茶とスイーツ展」に出展することが決まった満月堂。奈津が新菓子のアイデアを考え出すのだが、それを冬実が盗み聞きしていた…波瀾必死!?付録に、先日亡くなられた原作者・西ゆうじ氏の『あんどーなつ』第1話の原作を全文収録!大人気コミックスの最新第19集!!
東京・浅草を舞台にした、江戸和菓子職人物語『あんどーなつ』が、8年の歳月を経てついに完結!浅草の中学校に転校してきた美少年・市川橋蔵。彼は、家業である旅芸人一座で女形役者をやっている男の子だった。ふとしたきっかけで橋蔵と知り合った奈津は、満月堂に誘い自慢の「満月堂饅頭」をふるまう。その美味しさと、満月堂の職人たちの温かさに触れた橋蔵は「旅芸人役者」への道を捨て、和菓子職人になるべく女将の光子へ弟子にしてほしいと頼み込む。一方、息子・橋蔵の和菓子職人への気持ちが本物だと理解した父・千代之助は、ある「賭け」を提案する。次の舞台で、橋蔵がお客様を満足させる芝居ができたら、和菓子の道へ進むことを許可する、という内容だった。だが、その舞台までは、あと2日しかない。奈津は橋蔵の相手役となり稽古を手伝うが、その結果は…!?特別付録として、原作者・西ゆうじ氏が病床で語った今後の物語の構想を元に、作画のテリー山本氏が描いた「幻の第177話」を収録。見習い和菓子職人・奈津の最後の活躍ぶりを目に焼き付けてください!!
「パティシエールを目指していた女の子が、和菓子職人の弟子になる物語。「そんなん面白いに決まってんじゃん…!」と読んだら、案の定面白かった! (違う世界に挑戦する話が大好きなんです…Real Clothes、スピナマラダ!、空手小公子 小日向海流みたいな) まずこの絵柄がいい! キラキラした少女漫画やシュッとした少年漫画じゃ出せない「素朴さと温かみ」が下町の義理人情を引き立ててたまらない。 そして職人の在り方・心構えをガッツリ丁寧に描いてるところがいい! 和菓子を作るには、材料から日本の四季と文化に精通しなくてはならない。よって親方や女将さんがなっちゃんを育てるために、あれやこれや手を尽くすし、なっちゃんも期待に応えるために真剣に努力する。 店には親方、兄弟子、店を取り仕切る女将さんがいて、和菓子の道を極めるうえで主人公彼らとは「師弟関係」という線引きがある。 尊敬と愛情で繋がる「親しいが馴れ馴れしさはない」、職人の世界の人間関係がすごくよかったです。 そして何より、全く道の厳しい世界でもヘコたれない、主人公の真っ直ぐな心とタフな根性が読んでいて気持ちがいい! こういう子好きです。 何も知らずに読み進めていたところ、20巻のあとがきで衝撃を受けました。 作者の方がご病気で逝去されており、その遺志を継いで未完のまま完結させるというお知らせでした。 アメリカから来た新しい弟子となっちゃんの関係がどう決着するのか本当にワクワクして読んでいただけに、「ここでなっちゃんの世界は終わり」といきなり知らされショックで呆然としました…。 未完ではありますが、作中の下町人情や美味しそうなお菓子、日本の伝統文化は本当に最高。 最初から未完であると知ったうえで楽しんで読んでほしい名作です!