あらすじ

殺し屋・天海(あまみ)ケイは、心臓の移植手術を受けてから嗜好(しこう)が変わり、毎晩夢に出てくる見知らぬ“アツコ”という女と“男”のことに悩まされていた。そんなとき、医師から「提供者の記憶が臓器を介して影響を与える」という症例があることを聞かされた天海は、“アツコ(心臓)”が“成田敦子”であり、“男”が“飯田響也”だということを調べ上げ、自分の中の「敦子の記憶」を摘み取り「自分の記憶」に書き換えるために動きだす……!!
地雷震 1巻

高橋ツトムの原点。人間の“生”と“死”、そして“犯罪”という“本能”――。凶眼の刑事・飯田響也(いいだきょうや)が人間の心の暗部を抉(えぐ)り出す!油断をすれば飲み込まれてしまう深く暗い闇。己の闇から、目を背けるな。

地雷震 2巻

東京のあるホテルで起きた投身自殺。死んだ女は重度のヘロイン中毒だった……。彼女の双子の姉・春美は、妹が飛び降りたときに一緒にいた“氷の目(デアカルテ)”を持つドイツ人の男を追ってハンブルクへ向かうが、そこで行方不明になってしまう。春美の行方を捜すため、単身ドイツに向かった飯田を待ち受けるものとは……!?

地雷震 3巻

管轄外で起きた3件の殺人。共犯者がいるようだが口を割ろうとしない容疑者・杉山。そこで坂本から捜査協力を依頼された飯田は犯人の情報を聞き出すことに成功するが、オトリ捜査に協力した杉山は殺され、坂本とその部下・金子が犯人に捕まってしまった……!!

地雷震(4)

“ドクロ”という覚醒剤を使用した2人がお互いを刺し、血を飲み合うという事件。そして、拒食症の少女がジュースを万引きし逃げているときに車にひかれるという事件。無関係のように見える2つの事件だが、じつは“MAO”という清涼飲料水の会社が関係していて……。

地雷震(5)

つい1ヵ月前に出所したばかりだという昔捕まえた強盗犯・寺沢に出会った飯田。寺沢は不気味に笑いながら、意味深な言葉を残して去っていった……。そして、新宿警察署前で起こった爆発事件は、飯田に対する寺沢からの宣戦布告――!!

地雷震(6)

拳銃を密売しようとした杉田という男を逮捕した飯田。しかし、杉田の持っていたバッグから拳銃と一緒に高純度の核物質・プルトニウムが出てきたことで重大な国際犯罪の可能性が浮上する!そして身柄引き渡しのために警視庁国際捜査課の遠藤に同行していた飯田の目の前で、杉田はクラープという男に殺されてしまう。殺された杉田の言葉から浮かび上がった“国無島”と“ロシア”と“核物質”のつながりとは……?

地雷震(7)

人気ニュースキャスター戸倉裕の息子・たかしが猟銃で頭を撃ち抜いて自殺した。その事件について警察病院の中原から呼び出された飯田は、たかしの死因を尋ねてきた少女の話を聞かされる。たかしと同じ塾に通っていたというその少女・彩に会うことになった飯田は、彼女の口から思いもよらない言葉を聞くことになる!!

地雷震(8)

魔都・上海――。経済改革・市場開放の名のもと、外国から流入する膨大な資金で急速に近代化し潤う都市。“成功と破滅”ここに住む1300万の人民は、誰もが勝者になり、誰もが敗者になる可能性をもっている。――妻の出産を間近に控えて落ち着かない八巻(ハチマキ)。しかしそんなハチマキのもとに、店で客が騒ぎを起こしているという連絡が入り、現場に向かうことになり……。

地雷震(9)

クリスマス間近の東京で、ある女子高生の惨殺死体が発見された。被害者は両脚を銃で打ち抜かれ、頭蓋骨にはドリルで空けた穴、そして腹部には謎の印(マーク)が刻まれていた……。飯田は新たなパートナー・相沢江理子とともに犯人の手がかりを探すため、被害者と親しかった3人の女子高生に会う。そしてそのうちの1人の話から、彫師であり被害者たちと同じ高校に通っていた永井マミの父親でもある男の存在が浮上した!!

地雷震(10)

あるマンションの一室で、住人が拳銃を持った男に襲撃されるという事件が起きた。現場に踏み込んだ飯田によって間一髪のところで犯人は捕らえられたが、この事件の加害者・野坂実と被害者・小佐野浩樹は奇妙な関係性で繋がっていた……。

地雷震(11)

警察病院に勤めていた医師・中原は、家族とともに新たな勤務地のあるニューヨークで暮らしていた。そんな中原のもとに、定年退職してヒマを持て余していた成田が飯田を連れて訪れる。そんななか、病院で中原がチームを組む医師・ビアンカと些細(ささい)な口論になった夫婦の夫が殺され、母子が行方不明になるという事件が起きた!警察に疑われるビアンカから事情を聴いた飯田たちだったが、その夜、彼女も遺体で発見される……!?

地雷震(12)

祖母の葬儀の日、相沢が火葬場で見かけた印象的なほど美しい涙を流していた女性……。翌日、海に散骨する匠(たくみ)あかりというその女性と偶然にも再び出会い、相沢はひょんなことから彼女の家に食事に招かれることとなる。そこで、ついさっき出かけたあかりの伯父(おじ)夫婦が不可解な事故に遭い死亡したという連絡を受けた相沢は、あかりの不審な言動と謎の多い匠家に事件のにおいを感じはじめる……。

地雷震(13)

20歳の息子が父親を金属バットでメッタ打ちにするという殺人事件が起きた。目撃者に話を聴いた飯田たちは、事件当時の現場にその一部始終を撮影していたカメラマンがいたことを知る。そのカメラマンとは、数々の賞を受賞した元戦場カメラマンの斎木一也(さいき・かずや)。さっそく彼の個展が行われるというギャラリーを訪れた飯田たちは、そこで、力強く握られたバットの写真を発見して……!!

地雷震(14)

道教では死者はあの世に行ってからも旅をするため、五体満足で成仏させなければ鬼になってしまうという教えがある。――新宿で台湾人留学生の女性が殺害されるという事件が起きた。被害者の林鈴(リン・リン)は台湾ヤクザのボス・范天民(ハン・テンミン)の妻、林菲(リン・フェイ)の実の妹だということが判明する。そして林菲は日本の警察から妹の遺体を取り戻すため動きはじめる……!!

地雷震(15)

東京都豊島区でおきた女性殺害・死体遺棄事件。逮捕された容疑者は、被害者の娘と思われる“女性A”。警察の会見で「年齢不詳」とされたことで、マスコミは一斉にこの猟奇的な事件の容疑者が幼女なのではないかと騒ぎ立てる!その一方で飯田たちは、“女性A”を名乗る人物がインターネット上のあるホームページに自分の考えを載せていて、話題になっているという情報を得るが……。

地雷震(16)

車で人を轢(ひ)き殺してしまい山中に死体を埋めた坂崎とおる。彼は、高額な料金と引き換えに、一般社会に出られない人間を世間から完全に隔離してくれる『東京塾』に軟禁されていた。しかし料金を払っていた両親が殺されてしまった坂崎は、依頼人の恨(うら)みの相手を社会的に抹殺するという代理業を営む会社に引き取られることになる。そして、彼の最初の仕事のターゲットとは、あるひとりの刑事だった――。

地雷震(17)

殺人による7年の刑期を終えて出所したばかりの元ヤクザ・田島は、内縁の女性・クミコの誘いで尾崎友憲(おざき・とものり)という男のもとを訪れる。そこでは彼を慕って集まった殺人を犯した前科者たちが、農業をしながらささやかな生活を送っていた。尾崎は彼らの勧めによって、前科者の権利を世間に認めてもらうために選挙に出馬することになっていたが、支援者のひとり・宮田が街でケンカの仲裁に入り、ナイフで刺され死亡するという事件が起きて……!!

地雷震(18)

「人の心ってどこにあるんでしょうか?心臓――それとも、脳――」。成田の娘・敦子(あつこ)から突然プロポーズをされた飯田。しかし敦子の真剣な思いは、まったくその気のない飯田にあっさりとかわされてしまう……。一方、付きまとうストーカーの影に悩まされていた相沢は日に日にエスカレートする嫌がらせをきっかけに、付き合っている彼との結婚を決める。その先には、幸せで充実した生活が待っているはずだったが……!!

地雷震(19)

殺し屋・天海(あまみ)ケイは、心臓の移植手術を受けてから嗜好(しこう)が変わり、毎晩夢に出てくる見知らぬ“アツコ”という女と“男”のことに悩まされていた。そんなとき、医師から「提供者の記憶が臓器を介して影響を与える」という症例があることを聞かされた天海は、“アツコ(心臓)”が“成田敦子”であり、“男”が“飯田響也”だということを調べ上げ、自分の中の「敦子の記憶」を摘み取り「自分の記憶」に書き換えるために動きだす……!!