あらすじ

横山大観が30万、ゴッホが5万、ピカソは3千円という贋作の美術品オークションへとやって来た燁姫とあゆみ。それは80歳の画家、俵一風が身の回りを整理するため、自分が描いた絵を、どうしても取り戻したいと燁姫に頼んだことからだった。そして燁姫は贋作オークションでその絵を見つけるが、儲け話と察した欲深い男がジャマを…。
燁姫~あきひ~(1)

名門・芙蓉学院美術部の瀬名生燁姫は校内では目立たない存在。だが、彼女は若くして有能な画商で贋作の天才。画家だった父親の出世作で、唯一、燁姫を描いたという絵を探し求めている。ある時、美術部部長で売れっ子画家・橘の一人娘、新進の天才画家と称される花梨親子の描いた絵に不審を感じた燁姫は…? 絵画の世界を描いた大河ロマン!

燁姫~あきひ~(2)

有能な画家であり、贋作の天才、そして華麗なる絵画の世界で評判の画商でもある女子高生の瀬名生燁姫は、自分をモデルに描いた亡き父の絵を探す。美術部のスケッチ旅行でマダム神坂が描いた絵が飾られた紫荘にやって来た燁姫たち。出迎えてくれた貴婦人のような優雅で美しいマダム神坂。だが翌朝、そのマダム神坂が死体で発見され…!?

燁姫~あきひ~(3)

海商王・周防家の子息で燁姫の婚約者、鷹士らの協力を得て亡き父が燁姫を描いた絵を探し求める燁姫。表の顔は暗くて地味な女子校生だが、裏の顔は有能な画家で画商でもある。中等部の七瀬あゆみは、表と裏の顔を演じ分けてでも父親の絵を探す燁姫の正体を知るが…。そんな時、父の残した絵の持ち主が現れ、燁姫のもとへと…。

燁姫~あきひ~(4)

17歳の女子高生・燁姫は、有能な画家で腕ききの画商でもある。彼女がオーナーの銀座の画廊・ギャラリー燁姫を訪れたのは、優しそうな父親と和風美人の娘・東条珠貴。翌日、燁姫が通う高校に赴任してきた体育教師は、凛々しくも厳しく指導する、珠貴だった。実は珠貴も燁姫と同じく、表と裏の二つの顔を持つ女性で、燁姫の秘密を知り…。

燁姫~あきひ~(5)

放浪の画家として有名だった塚田豪雪は、燁姫の亡き父に500万円の借金があった。神社の壁やお堂の柱に四季折々の印象を描き、おおらかさと激しさにあふれる絵は、亡くなって10年経つ今もテレビで特集が組まれるほど。ある日、突然の豪雨となりカミナリに見舞われた燁姫たち。その直後、何かに取り憑かれたあゆみは、筆を手にし、キャンバスに絵を描きだし…!?

燁姫~あきひ~(6)

平凡で地味な女性高生と、有能な画商という二つの顔を持つ燁姫に恋する栄から、ある日突然国際電話が。カナンの肖像という有名な絵画をはじめ、ドイツの様々な財宝を積んだまま海の底へと消えたオリアナ号が、地震による海底の隆起で、水面下20メートルに浮かび上がったという。だが、そのカナンの肖像には、魔女の疑いをかけられ、火あぶりにされた女性の呪いがあると云われ…。

燁姫~あきひ~(7)

アンティーク店を営む邦子から、イタリアで購入した古い屋敷の屋根裏から出てきた絵の鑑定を依頼された燁姫。鑑定の結果、ルネッサンス中期のもので、なんとダ・ビンチの作品と判明。その価値、20億円以上。だが突然、イタリアのモリーニ美術館の館長代理と名乗る男が現れ、そのダ・ビンチの作品は贋作だと告げるが…。

燁姫~あきひ~(8)

個人経営の武科美術館から、印象派最後の大物と称されるラリアールの最高傑作“貴婦人”が盗まれた。名画に興味のない二代目館長は、赤字対策のため、少しずつ絵を売っていた。その館長に犯人から絵を買ってほしいとの電話が。そして犯人は、燁姫の亡くなった父親、瀬名生忠之の絵も欲しいとの要求をしてきた。犯人の真意はどこに…?

燁姫~あきひ~(9)

燁姫の婚約者で、海商王・周防家の跡継ぎで専務でもある鷹士は、ある夜、燁姫を抱く夢を見て驚き、目覚めた。お互い多忙な日々を過ごす燁姫と鷹士はデートもままならない…。その鷹士の新しい秘書・水樹葉子は鷹士に対し好意を寄せ、鷹士もまた葉子の美しさと聡明さ、気配りに感心を持つ。そして葉子の恋心は燃え上り…。

燁姫~あきひ~(10)

投機家・高寺由加利の孫娘にまちがわれ、誘拐されたあゆみ。犯人の要求は金でも絵画でもなく、高寺が所有する1枚のフロッピーディスク。それにはあるものの贋作データが保存され、そのデータを使えば、プロでも見分けがつかない、本物と寸分たがわぬ贋作が出来るという。だが、高寺はフロッピーディスクを渡すことを拒否し…。

燁姫~あきひ~(11)

芙蓉学院高に通う17歳の女性高生、瀬名生燁姫は校内では目立たない地味な存在。画商の仕事で1週間、ロンドンに行っていた燁姫に転校生の安藤茜が声をかける。便利屋のアルバイトに精を出す茜だが、厳格な学園に知れると停学は免れない、その茜を真似した学生が校内で粗悪品の売買をし、茜が疑われるが、彼女の正体が判明した時…。

燁姫~あきひ~(12)

淡く美しい色彩と構図、幻想的な世界を描いたら右に出る者はいないといわれた川上麗二郎の絵は、見る人を夢の世界に引き込む。その川上の絵が見つかったという知らせが燁姫のもとに。だが、43年もの間、海に漂っていた通信筒の中にあるという絵は簡単に取り出すことができない。そして、その絵は川上夫人ではなく、日本に帰属すると言われ…。

燁姫~あきひ~(13)

国民がわずか3万人という、長い歴史と美しい自然に囲まれた小さな王国の内情は火の車。その王国のロッテンシュタイン城へとやって来た燁姫や鷹士たち。一方、王国を守りたいという一心で、王妃は城に眠る印象派の最高峰と云われるローデンヌの大きな絵を切り取り、売ってしまっていた。だが、ローデンヌの絵を修復せざるを得ない出来事が起こり…。

燁姫~あきひ~(14)

燁姫を慕う15歳の蒼が描いた絵が、厳しい審査と競争率の厳しさで有名な立夏展の最年少入賞者となり、一躍、注目の的に。その授賞式に参列した蒼に近づいて来たのは、5人の受賞者の中で唯一の女性、現役女子大生の森下京だった。京は蒼を誘惑し、燁姫と手を組みたいと好条件を持ちかけるが、何事にも冷静な燁姫の答えは…?

燁姫~あきひ~(15)

遅刻と思い飛び起きた燁姫だが、今日は創立記念日で休校。早起きした燁姫は近所を散歩し、趣味のいい喫茶店に入り、そこの壁に飾ってある無名作家の絵に懐かしさを覚える。一方、仙人のような画家・坪ノ内は愛した夫人を描いた絵の行方を捜すため、燁姫に依頼する。その絵があの喫茶店にあったことを思い出した燁姫だったが、喫茶店は閉店となっていて…。

燁姫~あきひ~(16)

横山大観が30万、ゴッホが5万、ピカソは3千円という贋作の美術品オークションへとやって来た燁姫とあゆみ。それは80歳の画家、俵一風が身の回りを整理するため、自分が描いた絵を、どうしても取り戻したいと燁姫に頼んだことからだった。そして燁姫は贋作オークションでその絵を見つけるが、儲け話と察した欲深い男がジャマを…。

燁姫~あきひ~(17)

亡き父が燁姫をモデルにして描いた肖像画を探している燁姫に、その絵が京都の骨董屋にあるという知らせが。空港、銀座、京都と行く先々で懐かしい香りを感じる燁姫は、京都から金沢へと。その匂いの持ち主はハーフの美少女・アイリーンで、彼女も同じ絵を探していた。アイリーンは、なんと燁姫の実の妹で、なぜか燁姫を憎んでいた…。

燁姫~あきひ~(18)

燁姫が招待されたホテルには、美術研究家、美術品専門の調査員、腕利きの修復師など、美術専門分野の第一人者たちが集まっていた。そこで議題は小国・アゼニア共和国の大統領宮殿の奥深くに眠っているゴッホ、ルノアール、ダ・ビンチら1千枚以上の絵画を革命から守り、救い出すこと。そして、幻の名画、30年前に盗まれた“オルセウス”もあるはず…?