あらすじ

メガヒット少年世紀末ストーリー、ここに大・完・結!!!!原因不明の大異変によって、生存者も見当たらず、暗い瓦礫(がれき)の山と化した首都・東京。悪夢の修学旅行から脱出し、ボロボロになったテルがそれでも歩き続けたのは、「東京に家族が待っている」というたった一つの“未来”のためだった……。絶望的な世界を生き延びて、ついに帰宅を果たすテル。恐怖を、欲望を、そして愛を知ったその少年は、“生きる意味とは?”という問いを終わらせ、「この世の果て」の先を目指す――!!!!
ドラゴンヘッド 1巻

20世紀最後に放たれた、恐怖の大巨編「世紀末サバイバル」!!修学旅行帰りの新幹線は、突然のトンネル落盤事故によってすべての光を失った……!!闇につつまれ、血みどろになった凄惨な“墓所”。生存者はテル、アコ、ノブオ、3名のみ。ほか全員、即死……。酸素も食料も出口すらも断たれた少年たちは、次第に壊れゆく「心」と闘いながら、動きはじめる。たったひとつの“希望”――「東京に、家族のもとに帰ること」を、生き延びるための支えとして……!!!!

ドラゴンヘッド 2巻

「友達になるんだ、この闇と」――。クラスメートの死体の山は、日増しに異臭を放つばかり。謎の落盤事故の生存者、テル、アコ、ノブオの精神は、もはや極限状況である。そしてついに“限界点”を超えてしまったノブオは、恐怖の儀式にのめりこむ。“神の声”に突き動かされ、アコの身体をつけ狙い、包丁を振りかざして――!!一方テルは、トンネルからの脱出経路に近づくのだが……!?戦慄(せんりつ)の大巨編「世紀末サバイバル」!!!!

ドラゴンヘッド 3巻

それでも希望を生きていく――!!落盤したトンネル内で、テル、アコ、ノブオ以外のクラスメート、全員死亡。心の壊れたノブオの“生け贄(にえ)”になるか、もしくは地獄の生き埋めか……。死すれすれの場所にいたテルとアコだが、偶然起こった地震というチャンスをきっかけにして、奇跡的にも地上に生還することに!!しかし彼らを待ち受ける“地上の光景”は、想像をはるかにブッ飛ばす、絶望そのものの世界だった――!!

ドラゴンヘッド 4巻

「闇におびえ、自分を呪い、物音に震えて……死ねッ!!」廃棄された給水場、そして病院を後にしたテルとアコ。東京をめざして気分を切り替えたものの、“悪魔の泥流”に巻き込まれる!!絶望の大地に取り残された二人だが、暗い空を飛び去る自衛隊ヘリに希望を見いだし、傷ついた足を進ませる。しかし、たどり着いたその街は、完全に打ち捨てられたゴースト・タウン。ついに出会えた自衛官も、完全に常軌を逸したヤツだった――!!!!

ドラゴンヘッド 5巻

人間に、恐怖心から逃れる方法はないのか……!?ヘリに飛び乗ったテルとアコは、火災旋風の吹きすさぶ街から脱出。ヘリを操る脱走自衛官の岩田と仁村は、プロの勘と地図を駆使して、東京入りの進路を割り出していく。昏睡状態のテルと、ギリギリの燃料を載せて飛び立つヘリ――。しかし一行の行く先には、静岡以東を覆い隠す「塵(ちり)の黒雲」と「地図には存在しない地形」、そして「暴徒化した生存者の群れ」が待ち受けている……!!

ドラゴンヘッド 6巻

大パニック発生!!!!逃げよ、生き延びよ!!!!津波に襲われ、絶海の孤島となった伊豆半島――。破傷風により瀕死(ひんし)となったテルにワクチンを運ぶため、アコと脱走自衛官・仁村による決死の「天城越え」が決行された。しかしその山奥で出会うのは、ナゾの“傷頭(キズアタマ)”なる青年と、暴徒となった“山狩り”の群れ……!!!!護身用の銃も奪われ、目的の“街”に追い詰められるアコたち。荒ぶる暴徒たちは、「人間として最悪の末期」を見せ、にじり寄る……!!!!

ドラゴンヘッド 7巻

“暴徒の街”の総合病院にて、ワクチンを入手したアコと仁村。殺戮(さつりく)の道を豪速バイクで突破しながら、岩田の操(あやつ)るヘリを目指す!!そしてアコは、感情を失った青年“傷頭(キズアタマ)”が、最期に遺(のこ)したメッセージの解読に取り組むことに。「北斎(ほくさい)」「龍脈」「この国で一番……」――。ついに繋がっていく、ちりばめられたピースたち。一行は、「大異変の真実」を知るための旅に出る……!!!!

ドラゴンヘッド 8巻

東京まで、あと数十キロ――。太陽が姿を消したいま、地表温度は下がるばかり。周囲に、生存者の気配もなし。郊外型ショッピングセンターに降り立ったテルたちは、備品補充を楽しむのもつかの間、大地震に襲われる!そして屋上に逃れ出た一行が目撃するのは、東京方面の視界を奪う、超ド級の「出来事」――。それは、テルがトンネル事故の直前に目撃した「この世の終わりの光景」に、あまりにも酷似(こくじ)していた……!!!!

ドラゴンヘッド 9巻

でも僕は東京に帰ってきた。東京に――。原因不明の大異変の真っただ中で、“生き残り”仲間の同級生・アコや脱走自衛官・仁村とはぐれてしまったテル。体力の限界や孤独の恐怖と闘いながら、ようやく家族の待つゴールの地、東京に倒れこむ!!しかし、その目に映るものは、生存者の気配なき瓦礫(がれき)の山のみである……。地下鉄の入り口から「人の声」を探り当てたテルは、首都の地底深くに秘められたおそるべき「秘密」に接近するのだが……!?!?

ドラゴンヘッド 10巻

メガヒット少年世紀末ストーリー、ここに大・完・結!!!!原因不明の大異変によって、生存者も見当たらず、暗い瓦礫(がれき)の山と化した首都・東京。悪夢の修学旅行から脱出し、ボロボロになったテルがそれでも歩き続けたのは、「東京に家族が待っている」というたった一つの“未来”のためだった……。絶望的な世界を生き延びて、ついに帰宅を果たすテル。恐怖を、欲望を、そして愛を知ったその少年は、“生きる意味とは?”という問いを終わらせ、「この世の果て」の先を目指す――!!!!

ドラゴンヘッド

本当に恐ろしいのは人間の心なのです…

ドラゴンヘッド 望月峯太郎
かしこ
かしこ

初めて読みました!が、昨年出版された「総特集 望月ミネタロウ」が出た後に読んでよかったかも。 全編通してみると、やっぱり序盤の修学旅行からの帰り道に新幹線がトンネルに閉じ込められて脱出しようとする場面が、何が起きたか分からないワクワクという漫画的な面白味がありますね。それが徐々に逃れられない自然災害だったと判明するのは、エンタメとしてはカタルシスが足りないかもしれません。ただ、(実際に連載中には阪神淡路大震災も起きたそうですが)前出のインタビューによると構想段階から「天変地異は起こるけどそんなスペクタクルな話じゃない」「闇をテーマにした地味な作品」というのは決めていたそうです。 人間は暗闇の中にいると存在しない怪物を想像して恐れてしまうけど、本当に恐ろしいのはそんな自分と向き合わないことである…というのは、ものすごく普遍的なテーマだから、いつ読んでも「今に通じる話だ、これ…!!」と思うんだろうな。特に今現在のSNSを中心にした不寛容な時代の雰囲気ってこれが原因なんじゃないかなって思いました。 ドラゴンヘッドを読むとその後に東京怪童を描かれたのも自然な流れだったんだな〜と分かりますね。