あらすじ「既望の会」を脱会した恵理を守ることを決意し、一路北へと向かう舷一郎たち。途中立ち寄った吉祥寺の宿で、警察局公安部に追われる「海峡同盟」と名乗る2人組と出会う。恵理奪回を目論む既望の会信者と公安部、二重の包囲を受けた舷一郎たちは、「海峡同盟」と協力して宿からの脱出を試みる。
文字通りに「国が割れてしまう」ドラマ。 そして日本国民の心も散り散りになってしまう。 諸外国の支援という形の侵略。 国外に退避せざるを得ず帰国もままならなくなる人達。 日本を再建したい、日本に帰りたいという様々な思い。 その思いの微妙な違いから集合離散や共闘や裏切りが生まれる。 かわぐちかいじ先生が凄く上手いのは 一途な信念に徹する人も、変節したかに見える人も、 それぞれの信念に基づく生き様であると描くこと。 けして漫画的なストーリーの面白さとして キャラを途中で変えてドンデン返しを 演出しているわけではない。 それぞれの信念に基づく人達が 状況の変化に対応していけば こうなるのが(残念ながら?)必然だ、 そう思わせる群像劇を展開して見せてくれる。