あらすじ2017年、特別行政区・旧東京。今は水没したこの街で、15年前に恋人からもらうはずだったプレゼントを探す男がいた。その名は宗方操。2002年8月、高校生だった操は、倒産寸前の父親の工場を支えるためアルバイトに明け暮れていた。だが、サラ金の取り立ては厳しさを増し、操は学校も恋人の夏木恵理も捨てて逃げる決意をする。
文字通りに「国が割れてしまう」ドラマ。 そして日本国民の心も散り散りになってしまう。 諸外国の支援という形の侵略。 国外に退避せざるを得ず帰国もままならなくなる人達。 日本を再建したい、日本に帰りたいという様々な思い。 その思いの微妙な違いから集合離散や共闘や裏切りが生まれる。 かわぐちかいじ先生が凄く上手いのは 一途な信念に徹する人も、変節したかに見える人も、 それぞれの信念に基づく生き様であると描くこと。 けして漫画的なストーリーの面白さとして キャラを途中で変えてドンデン返しを 演出しているわけではない。 それぞれの信念に基づく人達が 状況の変化に対応していけば こうなるのが(残念ながら?)必然だ、 そう思わせる群像劇を展開して見せてくれる。