あらすじ震災から4年後の2006年。若き雲井竜児は、北日本のキャンプで父を手伝い、懸命に医療活動を行なっていた。だが、復興が進む南日本に対し、極端な物資不足が続く北日本では充分な治療もできず、度重なる支援要請も政府の耳に届かない。そこには、北日本政府を牛耳る「北日本統治グループ」の存在があって…!?
文字通りに「国が割れてしまう」ドラマ。 そして日本国民の心も散り散りになってしまう。 諸外国の支援という形の侵略。 国外に退避せざるを得ず帰国もままならなくなる人達。 日本を再建したい、日本に帰りたいという様々な思い。 その思いの微妙な違いから集合離散や共闘や裏切りが生まれる。 かわぐちかいじ先生が凄く上手いのは 一途な信念に徹する人も、変節したかに見える人も、 それぞれの信念に基づく生き様であると描くこと。 けして漫画的なストーリーの面白さとして キャラを途中で変えてドンデン返しを 演出しているわけではない。 それぞれの信念に基づく人達が 状況の変化に対応していけば こうなるのが(残念ながら?)必然だ、 そう思わせる群像劇を展開して見せてくれる。