あらすじ

徳川の世に「楽」も「へうげ」も無用。家康&秀吉暗殺未遂事件の首謀者として織部逮捕。後藤又兵衛、真田信繁、松平忠輝、松平忠直ら、乙な男たちが東西の狭間で血潮をたぎらせる。豊臣せん滅へ家康最後の猛ダッシュ。大坂夏の陣、九回裏死屍累々。古田織部はなお笑う!
へうげもの 1巻
群雄割拠、下克上の戦国時代。立身出世を目指しながら、茶の湯と物欲に魂を奪われた男がいた。織田信長(おだのぶなが)の家臣・古田左介(ふるたさすけ)。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千宗易(せんのそうえき=利休)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。生か死か。武か数奇か。それが問題だ!!
へうげもの 2巻
群雄割拠、下克上の戦国時代。立身出世を目指しながら、茶の湯と物欲に魂を奪われた男がいた。織田信長(おだのぶなが)の家臣・古田左介(ふるたさすけ)。天下布武を目指す信長による日本統一は目前!しかし、息子・信忠(のぶただ)に日本を任せ、さらに大陸へと侵攻を謀る、そんな外様の家臣を冷遇するかのような信長に、秀吉(ひでよし)や光秀(みつひで)は行く末を憂い不満を募らせていく……。そうして、ついにその時はやって来た!!
へうげもの 3巻
WABBY明智。主君斃れてなお、物欲にSOULをたぎらせる男。それが主人公・古田左介だ!!群雄割拠、下剋上の戦国時代。立身出世を目指しながら、茶の湯と物欲に魂を奪われた男がいた。織田信長の家臣・古田左介。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千宗易(利休)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。生か死か。武か数奇か。それが問題だ!!
へうげもの(4)
信長から秀吉へチェンジ・ザ・ワールド。主役の名前も左介改め織部だ!!茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田左介。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千宗易(利休)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。信長、光秀、秀吉、天下人の座は移りゆく。左介の運命もまた激動のときを迎えた。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
へうげもの(5)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。新たな天下人・秀吉の下、晴れて大名に昇進。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
へうげもの(6)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。関白・秀吉の号令一下、北野大茶湯挙行。空前絶後のわび数奇EXPOに、織部イノチガケ。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
へうげもの(7)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんの・りきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。山上宗二(やまのうえ・そうじ)の死。伊達政宗との遭遇。小田原征伐に従軍した織部の運命が揺れる。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
へうげもの(8)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんの・りきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。「美」をめぐる確執が、利休を秀吉(ひでよし)暗殺へと駆り立てた。今焼で覇を唱えんと、伊達政宗(だて・まさむね)を弄ぶ織部。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
へうげもの(9)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんの・りきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。利休執念の「わび」数奇革命は、未完に終わった。新時代到来、織部はひたすら「へうげ」を目指す。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
へうげもの(10)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんの・りきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。はるばる来たぜ朝鮮半島窯景色。秀吉(ひでよし)による無謀な海外侵略の最中、織部密航団はやきもの革命を誓う。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!
へうげもの(11)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。密航の果て、朝鮮で新窯術と遭遇した織部。茶の湯とやきものの頂点は目前と思いしが、予期せぬ大地震により茶器も野望も灰燼と化す。生か死か、武か数奇か、それがますます大問題だ!!
へうげもの(12)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。朝鮮戦線泥沼化、余命少なし太閤秀吉(ひでよし)。唯一の友として、この世で最後の花束を。「乙」から「へうげ」へ、織部ゴーズオン。生か死か、武か数奇か、それがいっそう問題だ!!
へうげもの(13)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。秀吉(ひでよし)への殉死を拒み、数奇三昧の隠居暮らしにて候。織部好みの代名詞たる「ヘウケモノ」がついに誕生。徳川vs.石田の抗争激化にも、風見鶏な乙将・織部であった。生か死か、武か数奇か、それがますます超問題だ!!
へうげもの(14)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。上杉征伐、石田蜂起、小山評定、家康(いえやす)ゴーウエスト。「関ヶ原」プレイボールの刻がひた迫り来る。濃緑抹茶&緑釉出現、織部の数奇もジャイアントステップ。生か死か、武か数奇か、それがますます超大問題だ!!
へうげもの(15)
戦国甲子園決勝戦。雨天を飛び交う、弾丸、春画、白き潮。我らが織部(おりべ)も数奇なる世のため、浪漫飛行。嗚呼栄冠は、東軍に輝いた。敗北の将・三成(みつなり)が末期で見せた乾坤一擲。織部のハートをストラックアウト。そして近づく徳川時代。果たして「笑福の世」の実現は成るか!?激乙山田的関ヶ原、「痰の毒」なる柿カラーが目印に候。
へうげもの(16)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんの・りきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。家康(いえやす)が天下を握り、江戸幕府ができちゃった。四角い徳川(とくがわ)の世をまあるく治めるには、数奇者がしたたかに生き延びるしかない。フィクサー織部が放つ奇策をご覧じろ。生か死か、武か数奇か、それが問題にて候!!
へうげもの(17)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。数奇者の数奇者による数奇者のための豊徳合体へ。危ない橋をカレーに渡り続ける織部。だがしかし、渡る世間に鬼がいた。生か死か、武か数奇か、それが激しく問題にて候!!
へうげもの(18)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将、古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。「猪熊(いのくま)事件」を機に朝廷支配を強める家康(いえやす)。琉球王めんそーれ、織部の三味線がうなる。将軍茶の湯指南役&ファッションリーダー。数寄の王者が目論む「豊徳合体」道険し。生か死か、武か数寄か、それが著しく問題にて候。
へうげもの(19)
天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)より深遠な精神性を学び、古田織部(ふるた・おりべ)は「へうげもの」への道をひた走る。生か死か、武か数奇か、それが問題にて候。人は城、人は石垣、男はちょっちゅね加藤清正(かとう・きよまさ)。情熱大陸を駆け抜けた俺たちの猛虎が逝く。織部も心で泣いて候。豊徳合体の道のりは険しい。
へうげもの(20)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。悪漢・大久保長安、親友・高山右近との別れ。粛清と伴天連追放、豊臣潰しへ暴走する家康。笑福の灯を消すまいと、織部の「激陶」やまず。生か死か、武か数奇か、それが問題にて候。
へうげもの(21)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。家康(いえやす)の目指す「泰平」とは徳川(とくがわ)家の安泰に過ぎぬ。世紀の誤審・方広寺鐘銘事件に天を仰ぐ織部。大坂冬の陣突入にも最終兵器であくなき抵抗。武か数奇か、生か死か、それが問題にて候。
へうげもの(22)
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。大義名分を欠き、ひたすら不毛な大坂冬の陣。豊臣潰しの一念で、攻めダルマと化す家康。豊徳合体を諦めず、東西の間で躍動する織部。俵屋宗達、岩佐又兵衛、混乱の中で己を磨け。藝術が爆発だ!
へうげもの(23)
徳川の上に人をつくらず。大坂占領天下泰平。大義名分かなぐり捨てて、豊臣潰そう夏の陣。家康の野望に抗う織部。天下一数奇宗匠に、Xデーが迫り来る。大河ドラマは終わっても、『へうげもの』は終わらない!
へうげもの(24)
徳川の世に「楽」も「へうげ」も無用。家康&秀吉暗殺未遂事件の首謀者として織部逮捕。後藤又兵衛、真田信繁、松平忠輝、松平忠直ら、乙な男たちが東西の狭間で血潮をたぎらせる。豊臣せん滅へ家康最後の猛ダッシュ。大坂夏の陣、九回裏死屍累々。古田織部はなお笑う!
へうげもの(25)
それでも僕はやってない。幕府転覆、家康・秀忠謀殺容疑により拘束中の古田織部。俺たち現代人のライフスタイルを決めちゃった大先輩が、「日本人」のあるべき姿を語る感動の完結巻。作者・山田芳裕の死生観、国民論をどうか受け止めてくだされ!
望郷太郎

望郷太郎

大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から500年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトのと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ。
仕掛暮らし

仕掛暮らし

「へうげ」の世=桃山時代から約二百年。「江戸」は居よいか住みよいか。複雑怪奇な人間模様、闇で「仕掛」ける裏稼業。元締・音羽屋半右衛門、嫌な渡世だ。「仕掛人・梅安」シリーズの原点『殺しの掟』(講談社文庫)より三篇を厳選。山田芳裕が池波正太郎に捧ぐ極乙のオマージュにて候
デカスロン

デカスロン

連続2日間にわたって10種目の競技を行い、総得点で争う陸上競技――デカスロン。すべてで一線級の成績を残さなければならないため、勝者はキング・オブ・アスリートと称えられる。無名の元高校球児の風見万吉、卓越した運動能力と底抜けの楽天パワーを武器に、国立競技場での挑戦がはじまる!!
試し読み
ジャイアント

ジャイアント

男のデカさは、メジャーではかれ!ドラフト指名、就職内定、おまけに恋愛…ぜ~んぶNG。身長2m超、誰よりもデカく、誰よりも運の悪い男・巨峰貢が一念発起!目指すはアメリカ、メジャーリーガー。一度決めたら、どんっとNEVERGIVEUP!!お前は一体何者か、見せてみやがれジャイアント!!
大正野郎

大正野郎

芥川龍之介をこよなく愛し、竹久夢二の絵を部屋に飾り、番茶よりもほうじ茶を好む、大正時代かぶれの青年・平徹(たいらてつ)。彼と、笑顔が素敵な由貴ちゃんら下宿先の住人たちの、ごく普通で、どこか普通じゃない日常を描く、山田芳裕デビュー作!
考える侍

考える侍

江戸時代。浪人の富嶽十蔵は西洋の学問に通暁し、とにかく粋であることを信条とする。哲学する素浪人・富嶽十蔵の生きざまをしかと魂に焼き付けよ!!「在ることの二乗を描けば事実に匹敵し、在ることの二乗の在ることを描けば事実を超ゆ」。
ザ・プライザー

ザ・プライザー

父の死をきっかけに収入が無くなってしまった大学生・渥美中郎。働く気もない彼は、雑誌の懸賞や美術展の1等、競馬、カラオケ大会、仮装大会などの賞金を狙って金を得る賞金稼ぎ「ザ・プライザー」として生きていくことを決意する。日本で暮らす英国人女性・ビッキー(光子)と同棲し、彼女をも「賞金」で養おうとする渥美は、金欠の危機をくぐり抜けながら、緻密な作戦、傾向と対策を練って賞金を獲得していく!!
泣く男

泣く男

ギターを愛する男・木田は超絶テクニックを持ちながら、一度演奏に入ると自分とギターと音だけの世界に没入してしまい、そのため、バンドメンバーや周りの人々からは敬遠されていた。しかし、自ら奏でるギターの音を「音があんまりかわいいもんで」と言う彼は、それでも弾くことをやめない。表題作『泣く男』『木田』ほか全9編を収録した山田芳裕傑作短編集!!
しわあせ

しわあせ

西暦2030年代。「怒り」をはじめとする負の感情を封印し、他人との争いを避けることを美徳とする共同体が形成されている世界。感情統制がなされ、人々は皆偽りの笑みを顔に浮かべている。そんな中、’80年代の生き残りで、古きよき時代を知るひとりの老人が、平穏な毎日にドロップアウトした――!
へうげもの TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE. Hyouge Mono
顔面の圧で押し切る!
へうげもの TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE. Hyouge Mono 山田芳裕
影絵が趣味
影絵が趣味
山田芳裕の作家性ついては、幻にして伝説の未完作品『度胸星』のたったひとつだけで信用に足る漫画家だということが分かります。およそ漫画にかかわらず、ありとあらゆる作品と呼ばれうるもので、いくつもの世代を超えて読まれ続けているものには不思議と未完作品が多い。なぜ未完なのか、ということについては、作者の死と、それ以外の理由とにわけることができると思いますが、どちらにしても、あまりにも無謀で途方もない挑戦をしたがために完成が無限に遠ざかっていったということが言えると思います。その意味で『度胸星』は、ほんの一瞬でもその途方のない遥か遠方を垣間見させてくれたというだけで素晴らしい作品であることはまちがいない。しかも、山田芳裕はその果敢な挑戦を気合ひとつでやってのけたのです。 そう、山田芳裕のマンガはとにかく気合の入り方がちがう。問題の有無や大小にかかわらず、とにかく気合が入っている。なんだ気合か、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが実はなかなか容易ではない。どうしても、ひとというのは、何らかの効果を狙った手段を投じることで、問題を問題解決に導こうとする習性があるように思われます。つまり、どうしても語りが二義的で説明的になってしまう。それにつき山田芳裕のマンガにはまず気合の入った顔面がある。「目は口ほどにものを言う」という言葉がありますが、何よりもあの顔面がすべてを物語ってしまっているんですね。何かの効果のある手段といった副次的な語りを追い越して何よりもまず、あの顔面が最前線ですべてを物語っている。 『へうげもの』に話をうつせば、私たちは安土桃山時代の数寄者ではないのですから茶のことはよくわからない。それでもとにかく古田織部の毎度のこと驚愕する顔面をみれば、何かヤバイことが起きているとすぐに察知することができるのです。そして何より、稀代の怪人、千利休を顔面として描き切ったことの素晴らしさよ。けっきょくのところ、何を考え、何を為したひとなのかがよくわからない千利休、何なら楳図かずおの『イアラ』のように何千年も生き続けていると言われたほうがしっくりくるあの千利休をありのままの顔面として描き切ったことは『度胸星』の挑戦にも並ぶチャレンジだったのではないでしょうか。