青春の悩みと挫折、複雑な心の葛藤、魂の尊厳とは!? ……人間の生き様を、時に詩的に、時にクールに描く、巨匠・永島慎二の最高傑作短篇集! 全3巻。
青春とは、男女とは、そして人間の幸せとは……悩めし若者たちに捧げる、巨匠・永島慎二の人間賛歌! オムニバス「旅人たち」を含む、11の短編を収録。
漫画、詩、歌、文学、絵画…それぞれに芸術の志を持つ五人の若者たちが、狭いアパートの一室に集った。それぞれの夢と現実が織りなす、青春の歓びと苦味がたっぷりつまった濃厚な群像劇!
歩く、走る、叫ぶ、喜ぶ、悲しむ、死を想う…少年たちの少年期にしか見えなかった世界。永島慎二の子どもたちを描く傑作連作短編集。
1964年東京オリンピック。主人公・一条直也の父親は柔道の試合で敗れ、命を落としてしまう。その後、直也は車周作の厳しい指導のもと、「地獄車」「海老車」などの必殺技を駆使し、外国人柔道家や日本のライバルたちと戦う元祖・熱血スポ根マンガ! 1968年、桜木圭一主演にてテレビドラマ版が放映(TBS系、東映制作)され、大ヒット。ライバル・結城真吾役の近藤正臣が、ピアノの鍵盤の上に跳びあがり足で演奏した場面はあまりにも有名で、後の特撮ドラマ「仮面ライダー」の礎ともなった。
ほんとの幸せってなんだろう?少年時代から賢治ワールドに魅了され、20年間の長きにわたってコミック化を構想し続けた、漫画家永島慎二入魂のオール・カラー描き下し!宮沢賢治生誕百年記念出版。
首供養。それは戦場にて敵の首三十を取りし者が出来る誉れある行事。殿より褒美とし朱槍を賜り、今まで取りし首の供養をすることだ。そんな首供養にまつわる物語「首」と、ほか八編からなる永島慎二の短編集。
ブンは走ることが好きだった。うれしいとき、悲しいとき、ブンは思いっきり野山を走った。走れ!!泣くかわりに思いっきり走れ!!走ることが大好きなブン、兄貴分の一郎、ブタのヨシ子をかわいがるボウシ、過疎化が進んだ田舎の分教場の個性的な子供たち。永島慎二の、子供たちへの愛情が生み出した珠玉の名作!!
小学生のマリと五郎は親思いの仲の良い兄妹だが、学校への弁当を一日交代でしか持っていけないほど貧しい暮らしをしている。そして、父親の失業により、大好きな学校へも行けなくなってしまい…。マリの元気で明るいひたむきさが心を強く打つ。少女と少年の心の成長を、永島慎二がやさしくきびしく見つめて描いた感動作!!他3編収録。
これは刑事という仕事を通して、力いっぱい、そして人間らしく素直に生きようとした、一人のごく平凡な人間の物語である。妻に先立たれた年老いた刑事の誇りと生きがい、重病の一人娘にしてあげられることとは…!?永島慎二が苦悩する青春に捧げる「愛と死の詩」。他5編収録。
殺し屋・スリーガンズに、両手を奪われたボクサー・鉄街五郎。三年後、彼は殺し屋チャンピオン・ブラックコートの鉄となり、復讐を果たすため、再びスリーガンズの前に現われた…。「両手のないチャンピオン」他5編を収録。永島慎二がさまざな殺し屋の運命を描いた、悲しくはかないストーリー!!
サブはいつもいたずらばかりしている男の子。カサ売りのすぐそばで、てるてるぼうずを持って明日天気にしておくれと歌ったり、画家の描いている絵を勝手に修正したり、大人をからかうかわいいいたずらが満載の「いじめっ子サブ」他12編収録。永島慎二のユーモアあふれる短編集。
人間が生まれ、死ぬ。人間が笑い、泣く。人生はひとつの舞台、劇場である――。人間の数だけ劇場があり、そこにあなたが主人公のドラマがある。人生を漫画で考える作家・永島慎二が描く、珠玉の青春短編集!!殺し屋と純粋な少女の交流を描いた「白いバラ」など、7編を収録!!
むかしむかしのお話。ハゲトコ山には「おっかあ」と呼ばれる一頭の白馬がおりました。村の者が恐れるその白馬に小さな源太はなぜか強く惹かれ、その背中に乗ることを夢見るのです。やがて長い長い冬がやってきて……。表題作「源太とおっかあ」他5編を収録。
本書は1958年に刊行された単行本の完全復刻。後に『漫画家残酷物語』などで青春漫画の教祖となる著者が、それ以前に手塚治虫直系の愛らしい絵柄で描いた少女漫画。若き日の漫画への情熱をぶつけて描いた幻の傑作。※電子書籍版に「ひな子ちゃん・旅路」(解説)は収録されていません。
売れない詩人の住む6畳のアパートに、家出してきた15歳の少年、学生作家の男、蒸発した父を探しに来た少女など、つぎつぎにいろいろな人がやって来ては住み着いていく。奇妙な同居生活。そこには笑いあり、涙あり、そして何より人の温かさを感じることの出来る空間だ。そこは作者の描く理想の共同体だ。
東京のかたすみ。一人の男がアパートの一室で死を目前に横たわっていた。「生」と同じ自然そのものであったのだが、もう一人の男の登場によって、男の人生は大きく変えられていく。そのアパートの四畳半に、このドラマは始まり、そして終わりはない。もしかすると、その四畳半とは君の隣かもしれないのだ。題して「四畳半の物語」。ほか四編を収録した短編集。
もしも君が健康な体で、今日からちょうど一年間しか生きられないとしたら、一体何をするだろう――男Aは誰が見ても平凡なサラリーマンだ。結婚したばかりの妻と二人で暮らしている。しかし彼には秘密のクセがあった。それは正夢を見るクセ。夢で見たことは本当に起きてしまうのだ。そして、彼が今朝みた夢とは…
美しい村、ほこり村のもくじいの所に美少女、サトコがやって来た。人形のような愛らしさに村の子供たちは大騒ぎ。もくじいの孫娘・サトコが村に来たのは、両親の不仲が原因で、どちらがサトコを引き取るのかでモメ始めたからだという…。そんなサトコの事情を知った村の子供たちは、すぐにサトコと打ち解け、彼女を元気づける。表題作『サトコは町の子』を始め、多数の作品を収録した、永島慎二初期作品集。
ジャコ鉄こと星方行助は、早撃ちの腕は一流のGメン。ある日、命令により船員手帳を手に入れ、港町へ向かう行助。だが荒れくれ船員の赤グマとケンカになり、船員手帳を失ってしまう…。その後、船員手帳なしで働けるという黒竜丸、人呼んで地獄丸に乗ることになった行助だが…?地獄丸の名のとおり、死ぬまで休むことのできない船での日々に、船員たちの怒りが爆発して…!?
旅人くんは休まず歩き続ける。ほんの少ししか変化はない。それはぼくらの人生に似ている。昨日と今日は似ていて、おなじような日常が連続しているようにみえるが、実は昨日と今日は全くちがうのだ。そして明日は予測できない。旅人くんは砂時計の砂の砂漠を旅している。現在コミックと呼ばれているストーリー漫画とはまるでちがう。さりとて4コマ漫画や8コマ漫画といった種類の漫画でもない。永島慎二独りだけの世界だ。なぜこの世界に辿り着いたのか、それはぼくには解らない。絵で描いた永島慎二の人生の詩であり哲学だものね。旅人くんは一種のつぶやき漫画でもある。ひとり言を言いながら旅している。たとえば「時の流れがさ、しばしばおいらの歩みより早いことがある」なんて言う。ぼくもいつのまにか世間とズレてしまった。(やなせたかし)
本書は1964年に刊行された単行本『太陽をぶちおとせ』と、貸本雑誌「Gメン」「刑事」に発表された短編をまとめたもの。アクションやハードボイルド作品を集めた劇画名作集。カラーも再現した貴重な復刻です。表題作以外の収録作品は「勝負」「暗殺計画」「港の風」「ばくはつ」「悪魔が天使の心を持った時」。※電子書籍版に『「太陽をぶちおとせ!」読本』(巻末解説)は収録されていません。
男の名前は丸井太郎、25歳で独身。職業はプロの泥棒。13歳の時に家出して、今日まで泥棒をして生きてきた。運のいいことに一度も捕まったことはない。そんなある日、マンションの一室に泥棒に入ったものの、失敗。叫び声を上げられてしまう。太郎は咄嗟に逃げ場所を探し、たまたま鍵の開いていた部屋に逃げ込む。だが、その一室には男が一人寝ており、太郎に気付いた男はいきなり起きあがって、怯えるどころか、自分を殺してくれと懇願してきて!?…その男の名は、園場しのぎという。
22歳の漫画家・村岡栄は、青年漫画を描くことを決意し、師事していた児童漫画家から独立する。だが、編集者からお色気シーンを多く入れるべきと言われ、目指す作品との違いに悩む。三畳の狭い部屋のアパートで4人の若者と共同生活をする村岡たちは、絵に描いたような貧乏暮らしなのだが、村岡たちは夢を捨ててはいなかった…!