非常に珍しい、原作:梶原一騎、画:小島剛夕というコンビの宮本武蔵を題材とした作品です。 小次郎を倒した武蔵を討つ事を命題とした主人公が、どんな方法であれそれを成し遂げようとする主軸の話とは別に、武蔵を取り巻く様々な人物も描いて物語の厚みを増しています。小説家志望であった梶原氏の原点が垣間見られる作品なのかも知れません。 圧倒的な力強い絵力を持つ小島剛夕氏の画だからこそ表現出来た梶原ワールドを堪能できます。
主人公の父である相馬銀次郎が、入営した軍隊で激しい拷問を受け続ける所から始まる物語は、終戦後の混乱期に繋がり、そこでも銀次郎の持つ正義感が爆発します。梶原一騎原作ならではの「男」が其処に居るのだ。この男が殺され残された一人息子富士男の親譲りな生き様を描く傑作を読まない手はない。梶原ファンならば是非読んで頂きたい作品です。
この漫画が冒険王に連載されていた当時、小学生高学年だった私は単純に主人公赤城忠治の暴れっぷりが好きで読んでいたと思うが、今回、梶原一騎原作漫画として読み直しをさせて貰い、色々な発見が有りました。この作品以降の梶原作品に繋がる、例えば、橋の欄干を物語の流れに沿って使ったり、影の番長を登場させるなどのエピソードが面白く嬉しくなってしまいました。梶原作品を知る上で大切な作品だと考えます。単純に赤城忠治の豪快さ・爽快さだけでも楽しめる傑作だと思います。
今は亡き梶原一騎氏の自伝であり、これまで書けなかった事を暴露的に発表するとの触れ込みで連載が開始された本作品ですが、氏の急逝で残念ながら未完大作となりました。力道山vs木村政彦の世紀の決戦から始まる物語は、梶原氏の独壇場である格闘技界を中心に進んで行くので、安心・安定感があります。未完ですから物足りないと思った方も多いでしょう。そんな人は、小説「梶原一騎伝/斎藤貴男」を読み、漫画らしい部分の修正や補完をすれば尚良いと思います。
荒唐無稽とも呼べる代物の分身魔球などの異色のアクションが見どころな面白い野球マンガです。侍のごとく相手に襲いかかる気性の荒いピッチャーの番場蛮の活躍を豪快に描く熱血もので、昨今では見ない風潮なのが一転して新鮮でよいです。王、長島ら歴戦のプレイヤーも参戦し、世界をまたにかけて野球で戦う主人公の物語には最初から最後まで目が離せません。
今では信じられないでしょうが、私が子供の頃はプロレスがテレビのゴールデンタイムで毎週放送されていました。だから、40~50代前後のお笑い芸人がやけにプロレスを熱く語るのは、そんな背景があるのです。 閑話休題。噂には聞いていた、リアル過ぎるプロレス漫画である本作「プロレススーパースター列伝」を遂に熟読しました。とにかく熱い漫画ですが、試合だけでなく練習風景やレスラーの生い立ちなどの背景をしっかり描いているのが感動でした。そして、それぞれの選手が実写のようなリアルさがあります。脳内で、選手の声や奇声を物まねしながら読むと、これほど夢中させてくれる漫画も珍しいものです。今の10代~20代は過去の伝説を追いかける伝説として、30代~40代は青春や幼少期のプレイバックとして愛読してはどうでしょうか。
あの圧倒的な強さを誇った、キックボクシング創成期の立役者「キックの鬼」こと沢村忠を主人公にした梶原一騎原作の漫画です。漫画の中で沢村が放つ「真空飛び膝蹴り」を見たくて、TVのキックボクシング中継に毎週チャンネルを合わせたのですが、滞空時間が長いその必殺技を見る事なくブームが去ってしまったのが残念な思い出でとなりました。しかし、沢村のキックに対する情熱がヒシヒシと伝わってくる作品でした。実力を伴ったスーパーヒーロー沢村忠が躍動するこの作品が大好きです。
古本業界では高価で有名な「若い貴族たち」がまさかKindle Unlimitedで読めるとは思わなかった。ちょっと前まで全巻セットで3万円くらいで売っているのが普通かなと思っていた... 自分自身の行動を振り返る描写や自嘲する部分は「梶原一騎」っぽいなと絵が「佐藤まさあき」で登場人物の草葉文平を見るたびに「堕靡泥の星」の神納達也が思いだしたりと内容に関してはいまいち乗り切れなかった。他の梶原一騎作品を読んでいたせいか女子刑務所の描写は他でのも見たなと思ったりもした。「人間兇器」よりも描写はソフトなので読みやすかった 全6巻とあるが全く完結はしておらず途中で終わってる。色々調べたところによると主人公の日向真樹がプロレスラーになるらしいが、この単行本では全くその様子はない。 完全版を読みたいがまあ読めないだろうな... 「まことの…貴族のために」
今は亡き五大週刊少年誌の一角「週刊少年キング」の看板タイトルだったのが『柔道一直線』。 この時期のスポ根ものとしては破格の人気を誇っており、実写ドラマも人気がありました。 佐々木剛氏が仮面ライダー2号一文字隼人に抜擢されたのはもとよりスタッフの多くがそのまま移行したことは有名な話です。 また本作の人気の凄さを現すものの1つとして漫画に登場した技が使われることもありました。 1974年の「仮面ライダーX」では柔道一直線の劇中で主人公“一条直也”が必殺技として用いている“地獄車”をライダーキックの代わりの新必殺技として使用しています。 原作・梶原先生の作品らしく絆、情についての熱い描写は必見。 60年後半~70年代の日本らしい熱量を作品から醸し出す作品なのは間違いありません。
昭和30年代の大ヒット漫画であった「8マン」。 この作品以降桑田次郎氏は特撮のコミカライズを描く以外では8マンに似たデザインのヒーローを数々世に送り出しています。 その1人が東郷日出人が変身する「ゴッド・アーム」です。 原作の梶原一騎氏ならではの父や婚約者との絆、情愛、そして作画の桑田次郎氏らしいSFテイストも随所に織り込まれ凝縮されたストーリー展開がされていきました。 この作品を最後に桑田氏は少年誌からの連載からは撤退、SF・ヒーローは描かなくなるだけに8マンやXマン、ビッグ・トーリィなど桑田ヒーローの大トリ、総決算とも言える作品でしょう。 劇中では過去のヒーロー・主人公を思わせる描写もあり、知っている方なら思わずニヤリと楽しめる作品です。
非常に珍しい、原作:梶原一騎、画:小島剛夕というコンビの宮本武蔵を題材とした作品です。 小次郎を倒した武蔵を討つ事を命題とした主人公が、どんな方法であれそれを成し遂げようとする主軸の話とは別に、武蔵を取り巻く様々な人物も描いて物語の厚みを増しています。小説家志望であった梶原氏の原点が垣間見られる作品なのかも知れません。 圧倒的な力強い絵力を持つ小島剛夕氏の画だからこそ表現出来た梶原ワールドを堪能できます。