今まで食べた中で一番うまい飯の話を語り、思わず唾を飲みこんだ人が多ければ多いほど勝ち。 今そこに飯があるわけじゃないからこそ面白い、それを漫画でやるのがこれまた面白い。 落語とか怪談とか民話とか、語りの良さってやっぱり語りにあると思うんです。語られてる事象や世界はそこに存在しなくて、でも語り口であったり表情だったりがその世界に引き入れてくれる。想像の余地があるからこそ面白い。 漫画は絵と文字だからある意味想像の余地がない…美味しそうな料理も、それを食べたときの表情も、見た瞬間にわかる。 でも、味は想像するしかないんですよねえ…。 想像の余地がないって言ったけど、いっちばん知りたくて知りたくて仕方ないところだけ想像するしかないっていうのがたまらなく面白い。 さらに、語りにおいて重要な声も聞くことができない。唾を飲みこむ音ももちろん聞こえない。 凄いなあ。漫画的面白さ詰め込んでるなあ。 料理における味、語りにおける音、この2つがわからないから余計に面白いんだなあ…。 なんてことを考えてもう一周読んだら面白かったです。漫画って面白いですね。
土山しげる先生の漫画を一作でも読んだことがあるもしくはインターネット大好き好きマンなら絶対にハンター錠二のことを知っているはず。そして、ハンター錠二のことを笑うひとはいてもハンター錠二のことを嫌う人間はいないはず。嫌いって言ってる人はたぶんOKFFの人です(喰いしん坊!参照)。 そんなハンター錠二がつかず離れずの距離感で東北のうまいものを紹介してくれるのが流浪のグルメ。ハンター錠二と出会う人達はハンター錠二がハンター錠二であることを知りません。 なんかよくわかんないけどグルメで説得力があってテンガロンハットにサングラスの謎の男として出会うのです。 飯を死ぬほど大量に食う訳でも箸を両手に麺を食う訳でもないハンター錠二、なんかいいんです。大食い甲子園のときのコーチ姿もよかったけど、姫トラお京とのやりとりにリアコ味すら感じるんですよ…恥ずかしながら…!! そんな冗談はどうでもよくて(6割5分ガチだけど)東北は本当に美味しいものがたくさんあるので、グルメガイドブックとして読んでも参考になると思います。 魚も肉も野菜も美味しいし、B級グルメや甘いものも魅力的なものたくさんあります。 旅行なんて難しい状況ですが、お取り寄せなんかも盛んな時代ですから!! 漫画読みながら東北の美味しいものを食べればハンター錠二のリアコ味をあなたも感じられるはず…です。
意外といい話です。なんて書くのは失礼かもしれないけど土山先生が書くB級グルメ好きなキャバクラ店長ってなんか曲者なのかなって思うじゃないですか。名前からして食えない奴なんだろうなあと。 むしろくわもんさんめちゃめちゃいい人でした。キャストの女性たちに気を配り、優しくあたたかい人柄とアイディアでお店を盛り立てていくのが素晴らしいです。 キャバクラって行ったことないからわかんないけど、おでんの話とかで盛り上がれるアットホームなお店最高じゃないですか。好きなおでんの具とか好きなうどんのトッピングとかそういう話なら誰も傷つかずに盛り上がれそう…優しい世界。 登場する料理ももちろん美味しそうだけど、くわもんさんの優しさに心温まる漫画でした!
気弱で平凡なサラリーマンがまずい飯を食うと変身して噴飯して悪を懲らしめるという…単純明快にして混沌。最高。 まずい飯っていうのが大体安い店ってとことか悪を懲らしめて最終的にするのが金を返してもらうとこが絶妙にしょぼくてたまらない。消費者の不満を代表してぶつけると見せかけて極めて個人的な怒りを解消してるだけなのがほんとちっぽけで最高。 犬まで変身したのは腹抱えて笑いました。絶対に電車では読めないやつ! サラダしたらばもしくはセブンのちょっといいカニカマだったらカニカマ食べ放題もありかなと関係ないことを思った。小海老のかき揚げ食べ放題は普通に嬉しい。
体は子どもだけど頭脳は大人な著名な探偵さんが青酸カリ舐めて世界を震撼させたことがありましたが(あれって結局コラなの本物なの)、この探偵もめちゃめちゃ危ないことしよる。 死体の服や持ち物についた食べ物の汁とか平気で舐めちゃう…危ねえ!! こういう大胆な設定は土山先生ワールドでグッとくる。グッとくるものの、主人公の料理人探偵アラカンは人情家だし真人間だし割とちゃんとしたひと。 もっとむちゃくちゃしてもいいよう…!!なんて思いながらも料理の蘊蓄を交えながらサクサク事件が解決するので読みやすかったです。
人が死なない。飯食ってるだけ。酒飲んでるだけ。それでいい。それがよい。 ひと仕事終えたサラリーマンが小粋な居酒屋で穏やかなひとときを過ごすだけのお話。 季節に合わせた料理はもちろん、ふと食べたくなった懐かしいメニューや常連客が持ち寄ったお土産など、美味しそうで気取ってない酒の肴たちがとにかく素晴らしい。 女将さんのホスピタリティがさりげなく神がかっていて、こんな店あったら通いたくなること間違いなし。 気を衒ったものは出てこないけれど、常夜鍋に白ワインとか焼きおにぎりとお茶割りとかちょっと意外で試したくなる組み合わせもあり。 主人公が孤独のグルメのゴローちゃんほど男前じゃないのもまた良いところ(ゴローちゃんももちろん好きだけど)。本当に普通のおじさんが呑んでいるところを覗いているような気持ちになる。 何もない日常を生きているひと達だって、それぞれに苦労が絶えないんだよね。だから1日の終わりに呑むお酒が美味しいんだよね。 仕事の休憩中に読んでたらお酒呑みたくて仕方なくなりました。でも心癒されました。
江戸時代の紀州藩の武士の日記を土山しげる先生が独特のタッチで描いたのが本作の魅力と言っていいでしょう。 現代でいうところの粗食が多くなるものの読んでいると食べたくなること間違いなし、特に練馬大根などに代表されるような“江戸野菜”そして漬け物の描写は絶妙。 和歌山では朝食は芋粥が常識だったなど豆知識もたっぷり。 本作品とラズウェル細木先生の「大江戸酒道楽~肴と酒の歳時記」をおさえておけば、江戸時代の食だけでなく文化を知ることができ、グルメ、歴史好きはもとより受験にも役にたつかも!?
自分は漫画に出てきたご飯をリアルでも食べて見ようと実践してしまうタチです。 食べに行きたい〜! 今キンドルで無料で読める美味しそうなグルメ漫画! いつか食べに行くのを妄想画策しつつ家で漫画… 漫画の割合的にほとんど「ご飯」です! いきなり見ず知らずの人に2日間の外食コースを指定されて、従って食べに行ってみるとめちゃくちゃうまかった、ってぐらいストーリーが単純で他はほぼ飯なので頭使わずに読めます。
※ネタバレを含むクチコミです。
土山先生が描く破天荒料理人の中ではかなり常識人よりだし優しさが感じられて好きです。 料理界を破門され、ギャンブルをしながら流しの料理人として生きる男・半次郎。 依頼人に莫大な金をふっかけると見せかけて、料理に対して人助けに対して真摯に向き合っている。 料理どころか設定にもちゃんとこだわるところがめちゃくちゃプロ。鎧着せて飯食うのは大変そうだけども。 稼いだお金は全部ギャンブルにつぎ込んじゃうところ以外は本当にできた人間だと思います。 刺激はだんだん強くしていったほうがいいと思うので、土山しげる先生の作品を読んだことがない人はばくめし!からはじめるのがいいと思います。 最初からぶん殴られたい人は食キングからがいいと思います。
今まで食べた中で一番うまい飯の話を語り、思わず唾を飲みこんだ人が多ければ多いほど勝ち。 今そこに飯があるわけじゃないからこそ面白い、それを漫画でやるのがこれまた面白い。 落語とか怪談とか民話とか、語りの良さってやっぱり語りにあると思うんです。語られてる事象や世界はそこに存在しなくて、でも語り口であったり表情だったりがその世界に引き入れてくれる。想像の余地があるからこそ面白い。 漫画は絵と文字だからある意味想像の余地がない…美味しそうな料理も、それを食べたときの表情も、見た瞬間にわかる。 でも、味は想像するしかないんですよねえ…。 想像の余地がないって言ったけど、いっちばん知りたくて知りたくて仕方ないところだけ想像するしかないっていうのがたまらなく面白い。 さらに、語りにおいて重要な声も聞くことができない。唾を飲みこむ音ももちろん聞こえない。 凄いなあ。漫画的面白さ詰め込んでるなあ。 料理における味、語りにおける音、この2つがわからないから余計に面白いんだなあ…。 なんてことを考えてもう一周読んだら面白かったです。漫画って面白いですね。