異世界不倫~魔王討伐から十年、妻とはレスの元勇者と、夫を亡くした女戦士~

早く単行本で読みたい!!!

異世界不倫~魔王討伐から十年、妻とはレスの元勇者と、夫を亡くした女戦士~ 大井昌和 いのまる
天沢聖司
天沢聖司

もはやテンプレを通り越してみんなのおもちゃにされてる感すらある異世界ジャンル。この作品を知ったときも「なんでも異世界でやりゃいいってもんじゃねぇだろ」と、異世界に同情してしまったんだけど、いちおう1話を読んでみたら想像よりかなりちゃんと「異世界」でガッツリ「不倫」だった。 勇者として仲間たちと冒険しそのまま王の娘と結婚した主人公は10年後の現在、大臣として日々デスクワークに追われ、妻との関係は冷え切り寝室は別々…という、異世界モノ的な冒険をすでに終え燃えカスのような日々を送っていた。 冒険時代のスキルで城を抜け出すと偶然、元仲間の女戦士と再会して飲んでいると、情熱に火がついてしまう。 女戦士がいかにも成人向けって感じの恵体でエッチなうえに、10年歳をとったことで今度は大人の魅力も加わり威力が凄まじい。こんな女に「本当はお前と共になりなかった」って恥じらいがちに言われてキスをねだられて、これで不倫しないほうが無理とすんなり納得できる。 これがサンデーうぇぶりでやってるっていうのが衝撃。 魔王の話を聞きたがる息子がいて、国王である義父から譲位を打診されている次代の王という立場で…と不倫のスパイスがメチャメチャ効いている。 単行本は3月12日に発売らしいので出たら買って読みたい。

夏へのトンネル、さよならの出口 群青

夏への扉、ではなくトンネル。青春とSFの気持ちいい融合

夏へのトンネル、さよならの出口 群青 八目迷 小うどん くっか
兎来栄寿
兎来栄寿

原作は、ガガガ文庫でガガガ賞と審査員特別賞を受賞した小説で本作はそのコミカライズ版。 原作未読ですが、作画担当の小うどんさんの綺麗な絵柄にまず惹かれました。人物はカッコよく、またかわいく、そして田舎の夏の熱気や草いきれが伝わってくるような背景もまた魅力的です。 ストーリーは序盤から都市伝説のように流布されていた「すこしふしぎ」に近いSF的要素がミステリ感も持って描かれ、その謎を解き明かすべく動いていく展開に続きが気になります。 主人公・塔野カオルのキャラクターは複雑な家庭環境で育ったが故に典型的な主人公像と少しずれた部分があり、ライトノベルらしさも感じられる少し捻ったその設定が面白味に繋がっています。 また、ヒロインの黒髪ロング美人、東京からの転校生で何でもできる花城あんずの男の不良にも殴りかかっていく毅然とした強い性格も非常に良いです。青春SFでは魅力的なヒロインの存在は大事ですね。 裏表紙を見ると、今後は更にサブキャラクターの2人の男女にもスポットライトが当たって行きそうで楽しみです。 夏になると読みたい一作になるかもしれません。

君は冥土様。

ある日現れたのは「暗殺」が専門のメイド様 #1巻応援

君は冥土様。 しょたん
sogor25
sogor25

ある日普通の高校生・横谷人好(よこや ひとよし)がインターホンに出ると玄関に見知らぬメイドさんが立っていた。彼女は人好に「私を使用人として雇ってはいただけないでしょうか」と尋ねる。そのまま追い返すのもなんなので家に上げて話を聞いてみることにしたのだが、以前までどんな仕事をしていたのかと聞くと彼女は「主に暗殺や監禁・拷問などを嗜んでいた」などという。そんな彼女が、人好の家で使用人として暮らし始めるという物語。 このメイドの人物像は現状彼女の回想のみで語られているため詳しくはわからないが、暗殺などの隠密行動は得意な一方で料理や掃除など一般的な家事はからっきしで、メイドとしての働きはあまり期待できない様子。そんな彼女が人好の家で暮らし始め、今まで経験してこなかった日常や、彼女に自然に接してくれる人好の優しさに触れることで少しずつ人間らしい感情を獲得していくという様子が見られ、暗殺や拷問など物騒な言葉が飛び交う割にとてもほのぼのとした作品。 ただ、実は彼女が人好の家を訪れたは偶然ではなく理由があるようで、人好の方にも秘密がある可能性も示唆されているので、その辺りも含めて今後が楽しみな作品。 1巻まで読了