幽霊船
嵐の夜、空を飛ぶ黒い幽霊船を目撃するイサム。その幽霊船から降りてきたひとりの男の後をつけると寺田邸に行き着いた。そこには嵐山大作と名乗る男からの脅迫状に怯える4人の男がいた。徐々に明らかになるイサムの家族の過去。幽霊船は正義の味方か、悪の味方か。壮絶なるゴーレム0との闘いが始まる。1969年公開のアニメ映画「空飛ぶゆうれい船」の原作漫画。SF要素と痛快な冒険活劇で石ノ森の初期の傑作作品!!
水野英子、赤塚不二夫、石森章太郎の共同名義で描かれたミステリー『くらやみの天使』。不幸を呼ぶダイヤ「死神の目」をめぐる殺人事件が起こる前日、チコちゃんは被害者の山形が言い争いをしているところを偶然目撃し……。警察官のお父さんと新聞記者のお兄さんを味方に、チコちゃんが真相に迫る!他、赤塚不二夫との共同名義で描かれた『そしてミヤはいなくなった』も収録。
黒い風
時は元和二年。豊臣方が徳川家康に滅ぼされてから一年が過ぎようとしていた。そんななか、敵に襲われ記憶をなくしたひとりの男がいた。その男の名は“黒い風”と呼ばれる忍者・小月風乃進であった──。表題作他、甲賀忍者の活躍を描く『忍びの影』、「別冊マーガレット」に掲載された『ゆか』、仇討の非情な世界を描いた『ある対決』、血を分けた親子の死闘を描く『風を斬る』、全5作を収録した時代活劇短編集!!
三つの珠
三つの星が降った夜のあくる朝、竹取りヨヒョウは竹林で女の子の赤ん坊を拾いました。女の子は深雪と名づけて育てられましたが、その子は実は天女だったのでした。宝玉の持ち主・参元食婦人の怒りに触れて、姿を変えられた弟の姿を元に戻すため、その原因である「三つの珠」を下界へ捜しに来たのでした。美しい娘に育った深雪は珠を探すために旅に出ますが……。「少女クラブ」に掲載されたジャパニーズ・ファンタジー。
白鳥の湖
ユミの自慢の姉の洋子は、バレエ団の公演で白鳥の湖の主役に決まる。しかし公演目前になると妙な脅迫状が届き、従わなかった洋子はその脅迫通りに白鳥にされてしまう!バレエの名作、「白鳥の湖」をモチーフにしたSFミステリー!他、毎日会うごとに成長する不思議な少女と健二の物語『きのうはもうこないだがあすもまた…』。吹雪の山荘に倒れるようにして現れた少女『金色の目の少女』。全3編を収録。
日曜日なのに姉に早起きさせられ、不機嫌な少年・ヤスシ。そんな彼の前に現れた武士姿の少年・たまげ太。隣に引っ越して来たという。何の因果か、たまげ太の父親から服を買うように頼まれたヤスシだったが、代金として渡されたのは、本物の小判だった……。言葉づかいや行動全てが怪しい、この親子。果たして、その正体とは……!? 時間旅行が自由に出来る夢の機械「タイムマシン」を使い、たまげ太が巻き起こす大騒動!!
マンガ家入門
人気漫画家たちが愛読した伝説のバイブル!!画材・描き方・発表方法などを紹介した入門編、『龍神沼』を例に、ストーリー構成や画面構成などをハイレベルに解説したテクニック編に加え、読者との質疑応答スタイルで漫画のAtoZをわかりやすく語り尽くす!技術面はもとより、漫画家としての精神面までもフォローし、コミック界の巨匠が自身の創作課程と秘密を惜しげもなく公開!!石ノ森ファンも必見の名著!!
龍神沼
龍神祭りを見物するために小さな山村を訪れた研一は、沼で不思議な少女に出会った。白い着物姿の少女に心を奪われるが、村人は誰もその少女を知らず……。その晩、村に不審火が放たれた!それは龍神の祟りなのか!?映画的手法を取り入れて描かれ、後世の漫画家に大きな衝撃を与えた傑作!!1957年発表の表題作の原作『龍神沼』、『きりとばらとほしと』『千の目をもっている』など、初期少女漫画の秀作が満載!
気ンなるやつら
ダブル6(六村6兵衛)、マリッペ(山田マリ子)、カミソリ(大文字清)、リス(林カン太郎)、ゴリラ(佐川ミヤ)の5人組は、なにかと事件に巻き込まれる高校生。仲間のリスが警察に捕まったという一報が届く。覆面三人組の強盗現場にリスの定期入れが落ちていたのだ。果たして彼らは仲間を救い出せるのか?そして物語は、幼なじみである6兵衛とマリッペの恋模様へ……!?明るく爽やかな青春サスペンスコメディの名作。
イナズマ君
山の中で柔道の稽古に励む坂巻八郎と一平。坂巻は戦争で妻子を失い、生きる望みをなくしていた時、崩れた防空壕の中から、この子だけは助けてと一人の女性に頼まれて、その男の子、一平と美しい自然に囲まれた山の中で暮らすようになった。そして一平が15歳になった頃、坂巻はここを離れ、街で暮らすようにと一平を説得するが…。
ビッグ・1
氷山のように巨大な体を持ち、人間を凌ぐほどの知恵を備えた白いマッコウクジラのビッグ・1。「白い悪魔」と呼ばれるその巨大生物に闘志燃やす竜神丸乗組員白鳥ケンジと砲手大神タケルはやがて巨鯨と協力し、世界の海を征服しようと企む黒旗艦隊を倒し平和を守る。メルヴィルの名作「白鯨」を元にしたロマンあふれる海洋長編ドラマ。
ニックネームが「ダッシュ君」の本当の名前は、速夫。お母さんはいなくて、サンデー・ニュース社の事件記者であるお父さんと2人暮らしだ。自分も事件記者になりたくて、警視庁の記者クラブにいるお父さんを訪ねた時、特ダネを見つけて大手柄。その時にダッシュ(突進)のあだ名をもらって、憧れの事件記者の仲間入りを果たす。毎日、どこかで起きる様々な事件を追って大活躍のダッシュ君。特ダネもあるけど、たまに失敗も……!?
そんじょそこらの企画物の合作とは訳が違います。本作の著者は水野英子、石森章太郎(当時)、赤塚不二夫の3人。頭文字のイニシャルを取って、ペンネームはU.マイア。内容は「死神の目」というダイヤにまつわる事件に巻き込まれた少女チコが、愛犬クロとネズミのシロ、そして家族とともに謎を解き明かすミステリーです。幻の作品といわれるだけあり、発表は昭和30年代初頭。さすがに絵柄や設定(パパが警察官、兄が新聞記者)に古臭さを感じるのはしょうがないところですが、テンポよく読めて3人で描いていることを全く感じさせません。これは絵が似ているということではなく、しっかり構成をして、それぞれの長所を生かして漫画にしているということ。秀作になるのは当然です。また何となくですが、楽しみながら描いているふうにも見えるんですよね。冒頭の事件の概略説明パートにチラッとU.マイア先生の自画像を描いているところとかも。これは誰のアイデアなんだろうw 巨匠の3人には失礼ですが、ちょっとほほえましく思います。