あなたのためだったのに

ていく

「優しくて、威張らなくて、凄く健気で、彼は本当に……私の理想の相手だ」望月玲香は後に理想の夫となる吉野圭太と大学で出会う。姉御肌で、女性を下に見ている男性を嫌っている玲香にとって、自分の中身を見て敬意と好意を持ってくれた圭太は理想の男性だった。結婚して数年、玲香は順調にキャリアを積んでいく一方で、圭太は徐々にブラック化していく仕事に心身をすり減らしていた。お互いが30歳を迎えた年のある日、圭太に異変が……すぐに異変に気付いた玲香は意を決して圭太に告げる。「――仕事辞めて専業主夫になって欲しいの」思いやりから始まった新たな形の夫婦生活は、等身大の人間模様を繰り広げながら二人の生活を思いもかけない方向へと運んでいく……！