アキンボー

びっくりするくらい名作だった

アキンボー
かしこ
かしこ
1年以上前

下吉田本郷先生の代表作といえば「万福児」ですね。このイメージがとても強いので「アキンボー」を手に取った時も、ほのぼのギャグ漫画なのかな〜?と思っていましたが、最終的に私の心の名作10選に選ばせて頂きました。 詳しく説明すると、妻に先立たれて海辺の家に犬と二人で暮らしていた元大工のじーちゃんが人魚の赤ん坊のアキちゃんを拾って育てる話なので、ほのぼの育児ギャグ漫画といっても間違いではないです。小さい頃のアキちゃんのふてぶてしさは万福児の福志にも似ているし、そんなアキちゃんとじーちゃんと犬のフジオのやり取りはめちゃくちゃ面白いです。しかしこの物語は赤ん坊だったアキちゃんが中学生になるまで続きます。じーちゃんにはアキちゃんを人魚として育てるべきか人間の女の子として育てるべきかという葛藤が生まれたり、アキちゃんも成長して外の世界が見てみたくなり学校に行ったら初めてじーちゃん以外の人間との出会いがあったり、色々あるんだよ………。 最後まで読むと、こんなに立派に育てたじーちゃんは偉いし、アキちゃんがいつまでも幸せでいられるように願わずにはいられない。すごくいい漫画なんです。

まぼろしにふれてよ

付喪神と空っぽ少女を巡る冒険!

まぼろしにふれてよ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

付喪神と言うと、長年使った道具に魂が宿るモノですが、こちらの作品の付喪神は人間の欲望が漂って物に取り憑き、仮初の命を宿すというモノ……これが愛らしい!幼くて無垢だったりヤンチャだったりして、これは愛着持ってしまいそうです。 そんな付喪神に憑いた欲望を集めて回る、女子高生の百地ひとこ。彼女は真っ直ぐで優しい、いい子。なのだけれど、ちょっと不思議なのは、彼女が「薄っぺらい」こと。考え無しで欲望もハッキリせず、ただ「ワクワクしたい!」の一念で狸に貰った力を振るう。 彼女はその「薄っぺらさ」に辛い思いをし、自覚してちゃんと考えようとしても、なかなか思考が働かない。その「薄っぺらさ」を巡る物語は彼女の血筋や過去、背景の大きな物語に繋がり、手には汗、目には涙が止まりません。 そして私達が普段、後ろめたさを持つ「モノを大切にするとは、どういう事か?」について、キチンと回答を出していて、納得させられます。ビニール傘から彗星まで、モノが持つ感情って、本当にこんなかもしれないなぁ、と温かな気持ちになれる、深い物語です。

能面女子の花子さん

漂う妖艶さに翻弄されます

能面女子の花子さん
六文銭
六文銭
1年以上前

代々のしきたりで、能面した女子・花子が織りなす学園コメディです。 この花子を一方的に好きな人が何名かいますが、全体的にラブは薄め。 基本的には、花子と友人香穂との日常がメインで、ゆるゆると読める作品です。 本作の私的見どころは、顔が能面ということなのですが、なぜか花子さんから漂ってくる妖艶さ。私、これに虜なんです。 顔が納豆のパッケージみたいですが、花子さんのスタイルの良さと、挙止動作の凛とした美しさに、顔が見えなくてもグッとくるものがあるんですよね。 あんまり顔って関係ないんだ、むしろ顔が見えないからこそ無限の可能性ある!と人間の想像の逞しさを痛感します。 能面ということで表情が変わらないように感じますが、巻数重ねていくと、なぜか前後の文脈と雰囲気だけで、花子さんの気持ちが汲み取れるようになってきて、これも新発見です。 顔は変わらないのに、怒ってる、喜んでるとか、わかってしまう。 最後に、顔をだすのか、、、いや出さないで終わって欲しい、、、という狭間でユレておりますが、いかんせん刊行速度が1年に1冊なので、待ちきれないのが当面の課題です。

鉄のほそ道

自分の中の認識してなかった鉄分が刺激される

鉄のほそ道
hysysk
hysysk
1年以上前

別にそんなに熱心に鉄道のことを調べたり乗ったりする人間ではないのだが、鉄道マンガには何故か惹かれるものがある。歴史、地理、文化、工学など色んな要素が入っているからかも知れないし、単独行動が基本という鉄オタの孤高さかも知れない。 主人公は鉄オタのライターでありながら(あるゆえに?)何故か鋭い人間観察ができて、取材先で出会った悩める人物に対して鉄道に絡めた教訓を説いてくれる。パワーワードも多くておすすめです。

BRONZE -Special Edition-

マーガレットで連載されていた伝説的BL

BRONZE -Special Edition-
名無し子
1年以上前

職場の先輩と漫画の話をしている時に「ねぇ昔マーガレットでBLが連載されてたの知ってる?時代的にBLじゃなくてやおいって言うのかな?」と言われ、気になったのでお借りして読んでみました。サッカー部の男子高校生と人気歌手が恋愛する話だとは聞いていたのですが、マーガレットらしい少女漫画タッチのほわ〜んとした絵を想像していたのでヴィジュアル系な絵柄だったのに驚きました。性的なシーンはあまりなく感情をモノローグで表現するところは少女漫画(もしくはやおい…?)らしいなと思いました。今となってはどうしても時代を感じてしまう内容になるのですが、当時としてはかなり衝撃的な連載だったのではないでしょうか。自分もその頃にマーガレット読者として出会っていたらハマっていたかもしれません。

恋煩いフリークス

面倒異能女「何歳の私も愛せるの?」

恋煩いフリークス
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

好きな先輩は変な力があるらしい。ある時先輩を怒らせたら、俺は狼男、そして彼女は12歳に?様々に「変化」した人達で溢れる不思議町内で、先輩の怒りを解くには……でも何で怒ってるか、分からない! ♡♡♡♡♡ 月子先輩はその力で、幼くなったり老けたり、様々な年齢を行き来する……まるで狼男の大山くんを試す様に。しかし子供姿の愛らしさから、熟女姿の少しくたびれた感じまで、月子先輩は常に「魅力的に」描かれるので、大山くんにとって先輩は「運命の人」なんだなぁ、とビンビン伝わってくる。 気難しい月子先輩と優柔不断な大山くんの遣り取りは、核心が見えずもどかしい。それでも少しずつ先輩の心の殻を剥いて、本心と向き合う苦しさと優しさの物語は、心に重く迫る。 町の人が動物化・性別変更する「変化」は町を非日常の祝祭空間と変え、ワクワクさせられる。それぞれの願望・劣等感・深層心理が暴かれる場所で、生まれるストーリーは読み応えあり!

『くーろんず』シリーズ 空論基礎

ダ・ヴィンチ・恐山というインターネット

『くーろんず』シリーズ 空論基礎
野愛
野愛
1年以上前

ダ・ヴィンチ・恐山をダ・ヴィンチ・恐山として認識したのはいつ頃だったんでしょう。RTで何かしらのネタツイートは見かけているはずなのに記憶にあるのはにぅまさんのツイートばかりだし、オモコロで記事を見ているはずなのに永田さんの女装姿とかARuFaさんの奇行ばかり脳裏に焼きついています。 それが今更ながら恐山大好き。匿名ラジオ毎週聴いてるしオモコロチャンネルも見てるし一回だけ復活したオールナイト虚無も聴きました。 なので読んでみました。 めちゃくちゃ恐山。今も昔も恐山。 恐山すぎる〜という喜びによってさらに面白さが倍増してる気はしますが、それを抜きにしても面白い。インターネットという観念がここに凝縮されています。 乳首がもし取れたらの話はほぼ大喜利だし、それに付随する言葉遊びがめちゃくちゃインターネットです。「#名作に一文字足して台無しにする」みたいなのみんな好きでしょ? 今年の干支ってウサギだっけ?メスゴリラだっけ?っていうのもVIPのスレタイに絶対ありそうです。 巨人になってしまったら踏みつぶさないように新宿御苑にって話は匿名ラジオでもしてた!恐山だ〜!!やった〜!!とARuFaさんのようなテンションになってしまいました。 古参の恐山ファンは間違いなく読んでると思いますが、わたしのような新規の恐山ファンも間違いなく面白いですし、恐山のことはよく知らないけどインターネットが好きなひとにもおすすめです。 匿名ラジオもぜひ聴いてみてほしいです。

漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件

読めば無理なくちょうどいい田舎暮らしができそう

漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件
名無し
1年以上前

漫画編集者の実体験をベースに描かれていくみたいなので、そのうち田舎暮らししてみたいな、なんて憧れてる人は参考になりそう。 でも田舎暮らしはしてみたいけど、豊富な貯金、タフネス、根性などが要求されるガチな田舎暮らしはやっぱりきつそうだし、古民家をリノベーションとか虫だらけとか、バスが一日1本しか来ないとかそこまではさすがに…な人向け。 人混みからちょっと離れてるけど、わりと新築のアパートで、徒歩圏内にいろいろあって用を足せるような、そんなちょうどいい田舎暮らし。 全く異世界要素ないのに「異世界」が入ってるのは、その田舎が思ってた感じじゃないっていう意味と、検索に引っかかりやすくして売るためな感じあってさすが漫画編集者、潔いなと思いました。 個人的には、絵がすごく見やすくて読みやすいしクセがなくて好きでした。

R-中学生

敬虔なR-中学生好きの皆さんに質問です

R-中学生
海野啓
1年以上前

堀田の教育実習生への片想いのエピソードがヤングマガジン連載してた時に、 堀田が教育実習生に告白しに駆け出すところで終わった週の煽り文が知りたいのです。 思い出せないのですが当時同じく片思いをしてた僕はその言葉に励まされた記憶があります。 どなたか分かる方がいらっしゃたらよろしくお願いします。

ブルータル 殺人警察官の告白

正義なのか悪なのか

ブルータル 殺人警察官の告白
六文銭
六文銭
1年以上前

悪をもって悪を制す的なものって、大体主人公がフリー(フリーっていうのか?)の殺し屋だったりしますが、本作はなんと主人公が警察。 完全、正義の立場なのですが、刑事として事件を追いつつ裏で極悪人を成敗する感じ。 連続殺人犯とか強姦とか、胸糞悪い事件の首謀者を、被害者同様の処罰を受けさせて苦しませながら殺害していきます。 胸がスカッとするというか、ひどすぎてうわぁとなる感じは、新感覚です。主人公も、少し変わった感じがより不気味さを加速させますね。 ただ、2巻最後。 ターゲットが、女性蔑視をしているリーマンだったのですが…。 他と比べるてちょっと小物すぎませんかね…。 不快なのは確かですが、他が残虐な人間だったのに比較すると、ちとパンチが弱いなぁなどと思いました。 次の巻のつなぎかな?

海月姫

天水館に住みたい

海月姫
名無し
1年以上前

「天水館」の腐女子たちがとにかく個性的で面白いです。主人公の月海ちゃんの挙動不審な感じ、すごく分かります...自分も元腐女子なので共感しました。皆、ジャンルは違えど、いい感じの腐り具合で素敵です。全く姿を見せない漫画家の目白先生の存在感も見逃せません。天水館が本当にあったら居心地良すぎて出られなくなりそうです。

ゆらゆらQ

愛され末っ子狐の劣等感 #1巻応援

ゆらゆらQ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

狐と神主の間に生まれた九人きょうだいの末っ子は、他の優秀で美しい兄姉と比べると、イマイチ。それでも兄姉と幼馴染男子に愛され、明るく過ごしていたが、ある時他人の言葉に傷つき……気がつくと「魅力(チャーム)の力」発動!周りメロメロ! ☆☆☆☆☆ とは書きましたが、「魅力の力」を使わない時の末っ子・久子(きゅーこ)も、ものっそい愛らしいです。のほほん明るい雰囲気に癒されるぅ〜。そして何より良いのは、人を否定する事が全く無いところ。愛されキャラ・久子は「愛する」キャラなのです! その事は兄姉も超カッコいい幼馴染・春人も分かっていて、そのままでいいと言ってくれる。なのに久子は納得しない。そして自分の魅力って何だろう……と悩み、模索するお話が始まります。 困ったことが起こると使ってしまう「魅力の力」で混乱を起こしつつ、春人と恋愛以前のイチャコラして、優しく楽しく愛らしい日々のお話、緩やか〜に進行中!

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