帰ってきたサチコさん

短編が良いと大体作家との相性が良いと思うの巻

帰ってきたサチコさん
六文銭
六文銭
1年以上前

『ハクバノ王子サマ』から、作家:朔ユキ蔵に興味をもち、本作にたどり着きましたが、やっぱりいいですね。 どうしてもエロスを感じさせる作家さんなのですが、書誌内容にあるようにこの作品はどれも「別れと再会」をテーマにしていたようで、エロスは影を潜めております。 とにかく作者特有の、どこか影があって物悲しいキャラクター描写が、テーマとマッチしてグッドなんですよ。 表題作の「帰ってきたサチコさん」が個人的にツボでした。 過去にタイムスリップして帰ってきたサチコが断片的に語られる構成で、これが一見ストーリーをわかりにくくしているのですが、パズルのピースがおさまった瞬間の感動たるや最高なんです。 70年位前にタイムスリップして、戻れないからと、その時代で結婚し所帯をもってしまうサチコ。 そこからなんやかやでその時代に10年ほど過ごし、ひょんなことで再び現代に戻ってくるのですが、過去に残した夫を探して再会するという流れ。 あの時代から別れたサチコを現代待って、年老いた夫の変わらぬ想いに、思わず涙です。 それ以外の短編も、作者の個性とも言えるピカリと光った「別れ」と「再会」の表現が、最後までどう転ぶのかドキドキさせてくれます。 短編集が好きな作家は大体、どの作品も相性合いそうだと思うので、 作家を知るきっかけになりそうです。

やる気まんまん

初期のオットセイの形がアレだった!?

やる気まんまん
名無し
1年以上前

1977年から2003年まで日刊ゲンダイで連載されていた擬チン官能漫画。 ふと、これまで読んだことのなかった、単行本1巻から読んでみようと手にとって驚いたのだが、あのオットセイは、最初からあのコミカルな形ではなく、初期の頃は普通のオットセイとして描かれていたというのを、今更ながら知った。 やるまん復活を報じたゲンダイの記事に理由が書いてあったのだが、 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/info/275039 要は、当時の表現規制に対応するため、苦肉の策で男性器を動物に見立てることで生まれたアイデアだったらしい。 やるまん以前は少女マンガを数多く描かれてきた横山まさみち氏だったが、「エロは描かない」と言いつつも、結局、一番の長寿連載となってしまったというのは、何とも業の深さを感じさせる話だ。 ちなみに記事の中で「43年前の“幻の第1回”を発掘」とあるが、電子版「やる気まんまん」の1話「セックス・ファイト」に普通に収録されていたので、そこまで幻というわけでもなかった。

雲の上のキスケさん

大人のラブストーリー。

雲の上のキスケさん
Pom
Pom
1年以上前

キスケさんと眉子カップルが醸し出す独特なユルさが好き。 キュンキュンする感じではなく、大人のラブストーリーってゆう感じがした。 最初は眉子のほうがハマっている感じだっのに、いつのまにやらキスケさんが眉子ラブになっていく様も面白かったし、キスケさんの純粋さや、素直さにホッコリさせられた。 ただ、私はマニーさんと岡本カップルも好きでした。

りもで・りんぐ

ズボラなのに超天才発明家主人公がすごい

りもで・りんぐ
名無し
1年以上前

こういうボケっとしてるのに頭脳は天才な主人公、好きですね…!それも異次元レベルの天才。発明した道具が万が一世間に広まると人類を滅ぼすから絶対に口外しないようにと家族に言われてます。そもそも主人公自身があまりにズボラな性格のため、それを補うために発明している。なので道具が誰かの役に立つとか、世界を救うとか、そういうことは起きない。 むしろその道具によって家族にけっこうえげつない迷惑をかけます。 いちばん被害を受けてるのは妹のいずみのような気がする… 弟は一見利発そうに見えて救いようのない悪ガキだし、父親はパンチの効いた見た目のくせに超無口。母親はシリコンバレーでなんかの会社のCEOしてる。 主人公以外の家族も情報量が多すぎて、小ネタの宝庫という感じの漫画です。 #1巻応援

ねこわっぱ!

実は好きだった人多そう

ねこわっぱ!
名無し
1年以上前

怪獣8号で一躍注目を浴びた松本直也の少年ジャンプ連載デビュー作。他人にはあまり言ってないけど実は好きだったっていう人は多そう。 ネコと神様のほのぼのしたギャグ漫画で、バトルも迫力あって好きだったのだが、、序盤でタマのかぼちゃパンツ丸出しを連発したからロリわっぱとか言われてたんだよな。おかげで他人にオススメしづらくなったのを覚えている。 Dr.スランプのアラレちゃんみたい存在に近いのだけど、タマにもう少しカリスマ感があればもっと人気出たと思う。

今日どこさん行くと?

漫画と土地の記憶(インタビュー記事を読んで)

今日どこさん行くと?
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

『今日どこさん行くと?』の作品ページに、作者の鹿子木灯先生のインタビューへのリンクが追加されたので、読んでみました。 熊本地震で被災された先生が、熊本のPRのため、そして復興していく様子を残したいという意思のもと、この作品を産み出されたことに、色々な感慨が湧くのですが、読者としてこの作品が嬉しいのは、 ●変わりゆく熊本の記録が読める ●美しく楽しい熊本が描かれている の二点を両立しているところにある、と思っていたので、先生のインタビューは大変納得いくものでした。 敢えて復興の途中を描くのは、美しさに欠けると思われるかもしれませんが、記録としては貴重なものです。何よりもそれは、復興を望む人々の、強い想いの記憶でもあります。そう思えば、復興の生々しい過程も、完成された美しい光景も、その土地の人々にとっては等価に愛しいものでしょう。 ある土地を描くことは、その土地の記憶を描くことです。(長い目で見れば)いずれ失われる物を描き残すことは、そこを大切にした人々の、生きた証を残すことでもあります。 こうした漫画作品が残されることは、何よりも熊本の方にとって、嬉しいことでしょう。そのことは、次作の熊本ドライブ漫画『私の魅力がわからんと!?』が、ネッツトヨタ熊本さんの企画であることにも表れていると思います。 今(2020年7月)、熊本をはじめ九州地方は大きな水害に遭い、再び郷土が奪われる事態となっています。『私の魅力がわからんと!?』の内容にも今後、それが反映される「かもしれません」。また他作品では、『放課後ていぼう日誌』の舞台・芦北町は甚大な被害を受け、作者の小坂泰之先生も被災され、連載を休載されるようです。また、『カワセミさんの釣りごはん』の地域も大雨に見舞われているようです。 様々な作品の発表に、大きな影響が現れるのかもしれません。しかしまずは、何よりも先生方と九州の皆様の、身体の健康と心の安寧を、お祈り申し上げます。 私達はまず、今ある作品でこの地域に想いを馳せ、もしこの後、作品がまた産み出される時が来たら、その作品から様々に変わっていく九州と、変わらず美しい九州を、また鑑賞し、コレクションすることで応援出来たらと思います。 結論:まずは『今日どこさん行くと?』と『私の魅力がわからんと!?』を読もう!

ハコイリのムスメ

珠子トラブル巻きこまれすぎだけど。。

ハコイリのムスメ
Pom
Pom
1年以上前

面白かった! 世に言うお嬢様が、偽装婚約すること、大学に受かることを条件に東京で生活することに。 大学生ライフ、サークルの中で起こる人間関係模様とか懐かしい。。 偽装婚約の相手の紀之と主人公の珠子の二人の恋愛もウブな感じが良い。 珠子は入り込みすぎてトラブルに巻き込まれすぎでしょと思うけど、憎めない可愛さがあるんだろうなあ。てか何も知らない様に見えて以外に人見てる気もする。 青春時代を思いだせてくれる、ドキドキワクワクするお話。

ゴッドハンド輝~沈黙のコロナ2020~

まさかの…〜沈黙のコロナ2020〜

ゴッドハンド輝~沈黙のコロナ2020~
名無し
1年以上前

テル先生が豪華客船に乗っているところからスタートするまさにコロナ渦中の輝先生、そして特別4週掲載、、、 漫画家は風刺だったり世界情勢を反映して漫画に昇華するのが仕事でもあったりするのでそういう漫画が少なからず出てきそうとは思っていたけどゴッドハンド輝でやるんですね…しかも週マガだから子供にも分かりやすいように、とかでしょうか。 コロナ直す方とかに全振りしてしまいがちですが、コロナに罹患して重篤な状態の医者側を描写していたりするので切り口が大人です。 リアルでも全くコロナウイルスがなくなった訳ではないので「不安に負けるな」「希望を捨てるな」「ウイルスよりも恐怖が人を変えてしまう」とかそんなオチになると予想。 出るべくして出てきた読み切りですね。

好きな子がめがねを忘れた

心臓が……ヤバくなります

好きな子がめがねを忘れた
三重さん♪
1年以上前

YouTubeのCMで流れて知りました 三重さんの目が悪くてド天然!小村君の人の良さ がこの物語を最高に面白くしてくれます!!! 自分なりに次こういう風になるかな?って予想しながら読んでるのですが……予想外すぎて全然当たりません笑 好きすぎて少なくとも5巻まで10回は読んでしまいました(´・ω・`) 好きすぎてスマートフォンのトップ画・背景画、好きな子がめがねを忘れたの表示にしてます!

Pop Life

あの子ぼくが冷蔵庫買おうって言ったらどんな顔するだろう

Pop Life
野愛
野愛
1年以上前

適度に突き放して、適度にくっついて、お互いのことが好きであれば人間関係においてこれ以上の幸せはないよな、と思った。 さくらさんと明海さんのお互いを尊重しながらも甘えるところはしっかり甘えて、そこに引け目を感じたりしない関係性が本当に素敵。 心からありがとうと思うことと、こんなにやってもらって申し訳ないなと思うことは似ているようで全然違うのだ。 さくらさんに対して素直にお腹空いちゃったとかもう一個食べたいと言う明海さんを見て、何故か泣いてしまった。友達でも家族でも呼び方はなんでもいい、心の底からからの安心とか信頼とかがあるからこその言葉だと思った。 冷蔵庫を買いに行くお話でも同じ理由で泣いた。 家族でも友達でも恋人でも、なんの駆け引きや後ろめたさもなしに心ごと預けたり預かったりするのは難しい。もしそんな人が1人でもいるなら、今はいなくてもいつか出会えるなら、人生って案外悪くないかもしれない。 推薦文を岡村靖幸が書いていたので読んでみたけど、岡村ちゃんもこんな家族に憧れるんだなと思ったらなんだか心が暖かくなった。

スイカ(読切)

百七不思議の少女と新米教師のゆかいなホラー漫画 #読切応援

スイカ(読切)
かしこ
かしこ
1年以上前

自称どこにでもいる関西人の新米教師が赴任した丑光高校には百七不思議が存在する!いやいや107ってありすぎだろ、こりゃ完全にギャグ漫画だなと思ったら意外とちゃんとホラーでビックリ。というかハイレベルなシュールギャグだった!大きな黒目がまことちゃんを彷彿とさせる謎の小学生スイカちゃんは百七不思議の一つ。彼女に振り回される新米教師の慌てふためきようがもっと見たい。

御蚕様改良記録

人間と蚕の共存を願った男の話

御蚕様改良記録
名無し
1年以上前

蚕に対する圧倒的熱量を感じる読み切り。これぞ四季賞というテーマかと。虫がとにかく駄目な人にはきついかも知れませんが、蚕はとっても可愛く描かれています。それゆえに、違法繁殖させる悪徳業者が増え、主人公も命以外を全て失ったといっていいような展開は悲しかった。 繁殖や遺伝子改良について全く知識がないので、主人公が人間と蚕の共存を願って行動したことが正しいのか間違っていたのかわかりません。ただもっとこういう誰も描かないようなテーマの漫画を読みたい …と思っていたら作者の次回作が、ファンタジック・マンガ業界コメディ『パクリ戦争』と書いてあってズッコケました(超絶楽しみです)

今日どこさん行くと?

ずっと読んでいたかった全3巻

今日どこさん行くと?
nyae
nyae
1年以上前

マンバで知って「こんな漫画があるのか」と驚いた作品です。 3巻で終わってしまったことは自分としては非常に残念。もっとずっと上司さんと戸部下くんのゆるふわドライブを読んでいたかったです。 逆に言えばこの3冊に熊本と坂道と車の運転の楽しさがギュッと凝縮されているとも言える。 車の運転が大嫌いな自分に「車の運転たのしそう」と思わせたこの漫画の実力は本当にすごいです。

私の恋で死んでくれ

不良少女と熱血教師、"決して報われない恋"の物語 #1巻応援

私の恋で死んでくれ
sogor25
sogor25
1年以上前

援助交際まがいのことをしている不良少女・愛利。彼女がラブホテルから出てきたところにたまたま巡回中だった高校教師・藤原が遭遇したところから物語が始まる。 絵に書いたような熱血教師の藤原は愛利のことを更生させようと一生懸命に動いてくれる。そんな藤原に対して最初は煙たがっていた愛利だったが、徐々に気持ちが移ろいでいく。 でも、この愛利の気持ちが恋だとしても、それはきっと"報われない恋"。そこには教師と生徒という関係以上に"越えられない壁"がある。 果たして2人を隔てるものとは何なのか。そもそも何故こんなタイトルなのか?それは1話を読んでみてのお楽しみ。 1巻まで読了。

どうやら彼女は宇宙人らしい。

この作品、コメディ3割、尊い7割。 #1巻応援

どうやら彼女は宇宙人らしい。
sogor25
sogor25
1年以上前

高校1年生の春。初めて女の子に告白した。あっさりOKをもらえて有頂天だったけど、次の日「男女交際の間に嘘偽りはよろしくない」といって自分が"宇宙人"であるとまさかの告白返し。そんな無表情系天然宇宙人の彼女と地味だけど純朴な彼氏との純情ラブコメ。 突然自分が宇宙人だと告白するような彼女だからハチャメチャなコメディなのかと思いきや、突拍子もないことを言い出す彼女のことを余りある包容力で全て受け入れてくれる彼氏という場面が溢れていて、イチャイチャ成分のほうが強い作品だと気付いた頃にはもうこの2人の行く末を応援したくなってる。守りたい、この尊さ。 1巻まで読了

項羽と劉邦、あと田中(コミック)

"田中"だから歴史を変えられる、中国歴史ファンタジー #1巻応援

項羽と劉邦、あと田中(コミック)
sogor25
sogor25
1年以上前

普通のサラリーマン・田中はある日コンビニを出た瞬間に秦の時代の中国にタイムスリップ。そこから、項羽や劉邦など、歴史上の英雄たちと出会い、さらにその後の中国の歴史を大きく変えていくという物語。 普通の日本人のサラリーマンが古代中国で歴史の中心に導かれていくというメインのプロットを動かすための、個々の設定の配置が絶妙な作品。過去の異国への転生から田中が生き抜くために必要な要素が違和感なく、かつこれしかない!という形で使われている。歴史ファンタジーとしても良くできていて、三国志等の中国史の物語が好きな人には新鮮な切り口で刺さりそうな作品。 1巻まで読了

獣国のパナギア

息子を奪われた哀しき獣人の復讐譚 #1巻応援

獣国のパナギア
sogor25
sogor25
1年以上前

超人的な身体能力を持つ獣人(ゾア)と呼ばれる存在がいる世界。人類は獣人を恐れ人間社会から排除しようとし、一部の獣人は迫害を逃れるために身を潜めて暮らしていた。そんな中、比較的獣人の少ない地域へと移ってきた獣人の女性ランダは、街の警察に獣人である県議を懸けられ、その騒動の中で一人息子を謎の組織に誘拐される。辛くも生き延びた彼女は、その一人息子を奪い返すために復讐心に委ね、戦いの中に身を投じてゆく。 人類側にも獣人側にもそれぞれの組織があり、物語を俯瞰すると様々な対立構造があって複雑な世界観が見て取れるんだけど、そこに行動原理の殆どを"息子を取り返す"という一点に置くランダが加わり、現状のパワーバランスに依らない異質分子として掻き乱していく。 戦闘シーンの迫力も凄くバトルマンガのような雰囲気もありつつも、基本的にランダの主観を通して描かれるために全ての景色に負の感情が掛かって見えて、それがストーリー全体をダークファンタジー足らしめている作品。 1巻まで読了。

ボクの青春ヤングマガジン

ヤンマガ愛が凄い!

ボクの青春ヤングマガジン
名無し
1年以上前

柳内先生の学生時代から、デビューするまでを描いた自伝的な読切漫画。20pとは思えないほど濃い内容で、80年代後期以降のヤンマガ作品からどれだけ影響を受けてきたか、とても伝わってくる内容でした。次から次へと出てくる昔のヤンマガの名作の多さにあらためて吃驚。自分は稲中世代なので、ビーバップハイスクールとか、世代の違いで印象が異なる所があるかもしれないですね。セブン☆スター第2部「SEVEN☆STAR MEN SOUL」の人気がイマイチだったという裏話は少しショック。あんなにカッコいい漫画なのに…なぜだ…。第3部の「セブン☆スターJT」に期待してます。

もっとみる