ある意味倫理的な原典
2023年11月2日 中学生最後の学年に「少年ジャンプ」で読んで、しばらくして思い出したように単行本を買ってもらった記憶がある。そしてこの時この作品に『暗殺教室』は元より『ONE PIECE』より世界の真実を描いているような衝撃を受けた事を覚えている(尤も今は『ONE PIECE』に対する軽視は不当であった気がしている(笑)) この作品、ある種の受難劇として読んだ。全ての人間に流れる悪魔の血をより濃く引いた少年が生きる導を求めて盾となり誰よりも傷ついていくという展開はベタだがやはり響くものがあり、屋宜の作品に出てくるヴィランが「それが公然であるゆえに美学を志向しない」事もそれを対比している。 絵にしても、首一枚繋がった鬼が拳を振りかぶり、地下駐車場にて四天王の如く悪鬼を握りしめる主人公のような鮮烈なヴィジョンが垣間見れる所もあり、作者は寡作であるが、又違った性質の作品を読んでみたい気がする