ミロワール、鏡という名の短編集
オシャレな装丁かつ紙質も最上級。147ページで¥928(税込)と、ページ数の割に高い価格なのは、シャネルのブランドあってのものでしょうか。出水ぽすかファン、あるいはシャネルブランド好きな人であれば問題ないかもしれませんが…。値段相応に満足できたかというと微妙ですが、中身はなかなか良い短編集だったと言えます。 ココ・シャネルを直接的に描いた漫画というよりは、日本を舞台にシャネルの思想を反映した物語が3種類用意されています。第一章、第二章は男から見るとちょっと理解し辛い部分はありますが、一応少年マンガということで、男性読者でも楽しめる余地はあり、第三章の『カラス』は、男性の生きづらさ問題そのものに踏み込んでいます。細身だったり小さい男性は、世間的に男らしさに欠けるとされますが、そういった人々にもエールを送る内容となっていると思います。この第三章があることにより短編集としての完成度がグンと上がってますね。