こういうタイプの作品はかなり好きだな。
5つの短編(+エピローグ)が上下巻にまとめられており、そのほとんどが登場人物がただ会話をしているだけ、という構成。
…それだけ聞くと退屈そうに感じるかも知れないが、それは大きな間違い。
どの話も、密室に近い空間でのやり取りなので、まるでコチラが盗み聞きしているような後ろ暗さを感じながらページをめくる。
なにより、それぞれの会話がどこへ向かっているのか、最後まで先が読めずまったく気が抜けないのだ。そして巻末に添えられたエピローグが想像力を掻き立てる…。
個人的には、表題作と「夢の国には観覧車がない」が特にハマった。

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