新しい。
アンタッチャブルなテーマをSFで切ったら、とんでもないものが出てきた! 物語は、閉鎖的な世界を嘲笑うかのように自由に展開する。これは新しいリアリズムだ。
#介護ロボットが人類を削減している SUEY
タイトルでわかるように、ディストピアものってやつだろう。
しかし、介護ロボットが秘密裏に、というのは新鮮な読み味がある。介護ロボットは、人知れず老人ホームで、あるいは別の場所で、誰かに寄りそう。それが「コストのかかる人間は不要」というシステマティックな、人間味のない感情で人間を「削除」していく。
ロボットと人間の戦争、のように派手は出だしではないが、日常から否日常に、じわりと移り変わる恐怖から始まる。
それと対比されるのは、人情だ。
1話からでもわかるように「見舞いにもこなかった人」がその実「母のために頑張っていた人」でもある、そういった人間の表裏を含め、人間に対する確かな愛情を感じる。これはこの作者の作風であろう。
他にも、ホームレスや元ヤクザと思われる人、精神疾患の人、そんな人たちが出てくる。
しかし、この人たちが、この関わりがどこか「暖かい」と感じさせてくれる。
さて、現実の話に戻ろう。
「社会のお荷物など、削除してしまえばよい」
こんな、血も心の通ってないような意見、残念ながら耳にすることがある。
それを望まない私の心、これは「人情」なのだろうか。
それ以外に「お荷物」と呼ばれてしまう人を、守る「理屈」はないのだろうか。
まだ四話であるが、この重いテーマと今後どう向き合っていくのか期待。
個人的には、貫太というキャラクターのまっすぐさというか、不器用な雰囲気が好きである。
面白い漫画でした。
持ち前のパワフルさで薄給かつ激務の介護業界を奮闘する介護士「神田はんな」。 彼女は2年前に導入された介護ロボット「アレテー」が気に入らない。 労働時間の制限なし、専門的な介護作業は◎、しまいにはセンサーで人間の感情まで理解する。 そんな万能さが勘に障るのだ。しかしある日、彼女は「アレテー」の秘密を知ってしまいーーー。
持ち前のパワフルさで薄給かつ激務の介護業界を奮闘する介護士「神田はんな」。 彼女は2年前に導入された介護ロボット「アレテー」が気に入らない。 労働時間の制限なし、専門的な介護作業は◎、しまいにはセンサーで人間の感情まで理解する。 そんな万能さが勘に障るのだ。しかしある日、彼女は「アレテー」の秘密を知ってしまいーーー。