ジャンプTOONなるものが始まるようでその第1弾の作品。正直フルカラーの縦スク(いわゆるWEBTOON)はスクロールしながら絵を読むと気持ち悪くなるし、頻繁にスクロールするのが嫌であんまり好きじゃないのですが、それが全く気にならない面白さでした。やっぱ漫画は話が面白いかだなと改めて痛感させられました。あと絵が全体的に古地図のような薄茶色で描かれているのが、この世界が滅びた…ということを色だけで上手く表現していてすごい。フルカラーである意味がある。
巨大なイモムシのような化け物のせいで人が滅びつつある世界。
化け物から逃げ回ることで生き延びてきたコロニーに住む主人公たちは、打開策を求め主人公たち2人に外の世界を探索するよう指示する。
生存圏内とされていた200平方kmに人が住んでいないことを確認後、危険なその外まで探索を進めるとなんと様々なコロニーがあって…というあらすじ。
それぞれのコロニーが生存戦略として「逃げる」「戦う」「備える」「調べる」に特化していたことで、力を合わせてクロウラーを倒せたという設定には痺れました。やっぱ多様性というのはこういうときのためにあるんですね。
人間が環境に合わせて色んな姿に変化するところは『アフターマン』っぽくてニッコリしました。(『アフターマン』は全力でキッショい進化でそれが魅力ですが、こちらは少年漫画らしく可愛らしさのある姿をしていてそこがまたいい)
終末世界が舞台ではあるものの軽いボケも随所にあってなんだか優しい雰囲気だったのが良かったです。
戦うコロニーの住人の「これハム入ってるから」という、実家から帰るときのお母さんみたいなセリフ。
主人公を見つけた調べるコロニーの住人の「はあ!?あ!な!?」「な!何」「なん!はあ!?」っていう困惑しながらややキレ気味な反応。
相棒を猫と呼ばれて主人公が内心ずっと「猫ではないだろ」(場面転換のコマ)「猫ではないだろ」ってまだ言ってるとこ好きです。
備えるコロニーの住人がTwitterでバズってた、お父さんが夜中にトイレに行くのが怖い娘のために作ったロボットみたいな形しててメチャクチャかわいい。大好きですこういうロボ。
最後の最後の戦いに望むとき。
巨大な発射台の上にみんなが並んで座って無茶苦茶ロマン会ってエモくてよかったです…!!
そんでやっぱこういう非常時はカップラーメンって決まってるんだ。日本では。(この世界は日本じゃないと思うけど)
素敵なSFを読ませていただきました。読んでよかったー!
【第1回ジャンプTOON AWARD】人類がほとんど絶滅し、化け物のような謎の生命体がはびこる終末世界。化け物から「逃げる事に特化した」探索隊が、「倒す事に特化した」戦闘者に出会い、自分達の世界を広げる為、謎の生命体に戦いを挑む事になり…。