#読切応援
ネタバレ

「バイスタンダー」という言葉は、事故や突然倒れた人の「そばに居合わせた人」という意味だったと思いますが、この読切にぴったりなタイトルだと思います。

主人公の美柑ちゃんは中学生ぐらいの一人っ子だと思いますが、一見なんの不満も辛さもなさそうにみえる美柑ちゃんの感じているであろう、窮屈さや居場所のなさというのは、自分も当時抱えていたなぁとしみじみ思います。

学校でも家族でもない、自分だけしか知らない男の子、と猫のニャータ。
しかもその子は家庭に問題を抱えていそう。

自分よりもか弱い存在に寄り添い保護することが、実は自分自身を救っている。
セラピーみたいな感じで、他人を助けることで自分の心が軽くなっていたんだろうな…というのが手に取るようにわかる。

別に感謝されたくてやったわけじゃないけど、自分があの子のお陰で救われていたから。ニャータは死んじゃうし、男の子は急に居なくなっちゃってしかも幸せそうにしている姿をみたら、辛いのは結局自分だけで、また居場所がなくなっちゃって……。

複雑な感情に包まれて気分が落ちちゃうの共感しか無い。
こんな複雑な感情を読切で描けるなんてすごすぎる…心に残るメチャクチャいい読切でした。

「バイスタンダー」という言葉は、事故や突然倒れた人の「そばに居合わせた人」という意味だったと思...
読みたい
ばいすたんだー
BYSTANDER
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
36

36

あたし自身と世界を変えろーー「声」を、「歌」を、振り絞れ。 母の用意した「不自由のない環境」の下、母の意志に逆らうことなど考えられない家庭で過ごす女子高生・杏(あんず)。スマホも持てず、小遣いもなく、数少ない娯楽は親の目を盗んで通う「CDショップの試聴コーナー」。そんな彼女はある日、夜の駅前ロータリーで出会ってしまった……悪魔みたいな顔で天使みたいなギターを弾く「やばいやつ」に。22歳の新星が描く、胸を打たれるストーリーに身震いせよ。

ただ「居合わせた人」なだけ #読切応援にコメントする