第一話を読んだ時にあなたは感動できるか?
それがこの漫画のファンになるかどうかの分かれ目である。 この漫画基本的にはギャグ有りバトル有り感動有りの学園町内漫画なのだが、主人公「たけし」は小学生にして濃いヒゲ面で、いわゆる世間でいう一般的なカッコよさの微塵も無い外見で、現代のジャンプじゃあり得ない程カッコ悪い。 しかしこのたけし、いじめを見ればぶん殴ってでも止めさせ、ウンコ漏らしを気にしている奴を見たら自分が漏らして誤魔化し笑いに変えるという、とにかく行動の一つ一つが他者に対する優しさと包容力に満ち溢れていて、行動のカッコよさはかなり高い。 ギャグ混じりではあるし、下ネタも多いが、根っこに溢れる道徳やリーダー論は、このカッコ悪い外見だからこそ「人は外見ではない、大事なのは中身である」というのを語らずして語っている。 他にも外見も中身も様々なキャラが居るが、このたけしという主人公は当時の小学生男子たちの心をがっちりつかんだらしく、今では悪ノリが横行したりイケメンキャラが上位に来る、ジャンプの誌上人気投票ではほぼ毎回1位を獲得するという稀有な結果を出している。 まあそうしてこの作品を好きになると、それだけにラスト近くのアレコレが滅茶苦茶ショックになるのだが、一応情状酌量の余地のある顛末だったので最終エピソードも出せたし、復帰もできたが、色々と台無しになってしまった感は有る。 面白いのは間違いないが、バトル部分も人情回やギャグ回に比べると長期エピソードになりがちで、若干ダレる回も有るが小学生以下には変な先入観無しに読んで欲しい。
ジャンプに連載されているオッサン顔の漫画くらいに思っていたら、小学校だか中学校のクラスメイトが好きと言っていて驚いた。
「おもしろいじゃん、たけし」
と彼は言っていた。別の子は「たァけェすィ」の言い方を真似してよく言っていた。
たけしには、あの年代の少年たちの心に刺さるものがあったらしい。
読み直してみたら、少年たちにウケた理由がわからないでもない。
7歳児が7歳児を心配したり、ボコスカしたり、少年誌でそんな台詞いいんですか?!な台詞を発したり。
勧善懲悪モノにもみえるけど、根本はリーダーでありたいという欲望。
リーダーの基準は父親が提示してくれた「物事を平等に判断できる心を持っているか」「相手の心を感じられるか」。
等身大でなく、ちょっと大人びたかっこよさを感じる。見た目はオッサンだけども。
添付はクラスで話題になっていたシーン。
第二次性徴期のとまどいを「ダンディー」で終わらせるたけし。たしかにかっこいい。
うろ覚えだったけど、まさか第一話のシーンとは思わなかった。